エンターテインメント・ウェブマガジン
理想の上司からヒール役まで幅広い役柄を演じ分け、存在感を発揮する鶴見辰吾。9月7日から上演される、Daiwa House Presents ミュージカル「生きる」では、主人公・渡辺勘治の前に立ちはだかる助役を熱演する。鶴見に同作への意気込みや俳優業への思いを聞いた。

鶴見辰吾 (C)エンタメOVO
最初に「生きる」がミュージカルになるというお話を聞いた時から、どういうふうにミュージカルとして成立するのかなと好奇心と期待を込めて楽しみにしていました。初演を市村さんのバージョンで拝見して、ここまでミュージカルに合っている作品だったんだなと一観客として感動し、再演の時には鹿賀さんバージョンを拝見して、本当にすばらしい、いいお芝居だと改めて感じていたので、今回参加できることをうれしく思っています。
そうですね、今でこそ日本の映画監督が世界で評価される機会も多くなりましたが、今から40年前に世界的に評価が高い日本の映画監督は数少なかったですから、やはり特別でした。若い頃の私は、世界に飛び立ちたいという野望もあり、いつか黒澤さんの映画に出演できるような俳優になれたらと思っていました。1998年に黒澤さんが亡くなられて、結局、映画に出演することはかないませんでしたが、こうした形で、自分の希望が結実したということには思うところがあります。
日本でミュージカルというと、海外で作られたものを翻訳して上演することがほとんどです。私たちが演じる役柄の名前もスティーブだったりエリザベスだったり(笑)、そうした人物を日本人の僕たちが演じています。ですが、この「生きる」はわれわれの隣にいるような男性の人生がテーマですから、非常に身近です。もちろん、描いているテーマは普遍的で、誰にでも共感しやすい。きっとミュージカルを初めてご覧になる方にも楽しんでいただける作品だと思います。
初演、再演で助役を演じていた山西惇さんが作り上げた、かわいらしさやユーモラスな面がある助役を踏襲しつつ、自分なりに演じたいと思います。私はこの作品には、根っからの悪人はいないと思うんですよ。みんなが生きるのに精いっぱいだっただけだと思うんです。助役は渡辺勘治の夢に立ちはだかる存在ですが、彼の夢が大きければ大きいほど、その夢が切実であればあるほど、私の役が大事になってくると思うので肝に銘じて演じていこうと思っています。
人間は、通り一辺倒ではなく、さまざまな内面を持っていると思います。敵役というのは、そうしたさまざまな内面の中から「本当はこんなことを言ったら嫌われるだろうな」とか「人間社会においてこの態度を取ったら転落してしまうよな」という危ない行動を選びとって実践します。なので、自分ではできないことを役としてできるという面白さはあります。助役は今でいうパワハラを行って周りを苦しめますが、そうした普段は自分でできないことを、役の上でやれるという自由さは敵役の面白さだと思います。
映画2025年11月11日
何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む
ドラマ2025年11月10日
草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む
ドラマ2025年11月9日
日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」への出演発表時、“物語の鍵を握る重要な役どころ”という情報のみだった目黒蓮演じる謎の人物。そこから約2カ月、11月2日放送の第4話でようやくその正体の一端が解禁された。男の名は中条耕一、佐藤浩市演じる山王 … 続きを読む
映画2025年11月6日
三宅唱監督が脚本も手掛け、つげ義春の短編漫画『海辺の叙景』と『ほんやら洞のべんさん』を原作に撮り上げた『旅と日々』が11月7日(金)から全国公開される。創作に行き詰まった脚本家の李(シム・ウンギョン)が旅先での出会いをきっかけに人生と向き … 続きを読む
映画2025年11月1日
『爆弾』(10月31日公開) 酔った勢いで自販機を壊し店員にも暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男(佐藤二朗)。自らを「スズキタゴサク」と名乗る彼は、霊感が働くとうそぶいて都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。 やがてその言葉 … 続きを読む