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人との出会いだと思います。俳優は、人間と人間の関係性において成立する仕事です。人間同士がぶつかり合って、協力し合って作品が作られていくので、必然的に人と出会うことが大事な仕事だと思います。私は、そうした中で、非常に周りの人に恵まれてきました。それが、この仕事を長い間続けられた1番大きな要素だと思います。共演者であったり、スタッフであったり、応援してくれる方であったり…そういう方たちがいるから続けてこられたんだと思います。
かねてから私は、俳優は料理の素材みたいなものだと思っています。いかに自分の調理の仕方を提供できるかだと思うんですよ。例えば、塩コショウで焼いただけでおいしい人もいる。それは石原裕次郎さんのような、いわゆるスターと呼ばれる人です。でも、そうした人ばかりではないので、おいしい料理になるまでのプロセスが必要なわけです。脚本というレシピがあって、監督や演出家という料理人がいて、時間をかけて調理してできあがる。そして、それをお客さんが食べる。作るのにはすごく時間もかかりますが、結局は味なんて好みなので、合わないことをくよくよしても仕方ない。ただ、良いレシピで調理されたいし、おいしかったと言われたいとはもちろん思います。この「生きる」や「TOKYO MER」は、やはり多くの人に愛されるレシピ(=脚本)であり、愛されるような料理の仕方をしていますので、多くの人が好きな作品なのだと思います。
ゴルフが趣味なので、死ぬまでにはベストスコアを更新したいなと思っています(笑)。それから、俳優は人を幸せにする仕事だと思うので、なるべく多くの人に、希望や夢、うれしさや喜びを与え続けたいです。生涯現役で、それこそ舞台の上で死にたいという言葉をよく聞きますが、まさにその通りだと思います。立ち止まらず、歩き続けていたいというのが、この「生きる」に通じる僕のテーマです。
(取材・文・写真/嶋田真己)

Daiwa House Presents ミュージカル「生きる」
Daiwa House Presents ミュージカル「生きる」は、9月7日~24日に都内・新国立劇場 中劇場、9月29日~10月1日に大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演。
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草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む
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『盤上の向日葵』(10月31日公開) 信州の山中で身元不明の白骨死体が発見される。現場には、この世に7組しか現存しない希少な将棋駒が残されていた。駒の持ち主は、将棋界にすい星のごとく現れた天才棋士・上条桂介(坂口健太郎)であることが判明。 … 続きを読む