「らんまん」中田青渚「寿恵子さんとの初対面では、浜辺美波さんに助けられました」万太郎夫妻と交流を深めていく田邊教授の妻・聡子役で朝ドラ初出演【インタビュー】

2023年7月20日 / 16:37

 NHKで放送中の連続テレビ小説「らんまん」。“日本の植物分類学の父”牧野富太郎博士をモデルに、愛する植物のため、明治から昭和へと激動の時代をいちずに突き進む主人公・槙野万太郎(神木隆之介)の波瀾(はらん)万丈な生涯を描く物語だ。東京大学で研究に打ち込む万太郎の師に当たる田邊彰久教授(要潤)の妻・聡子を演じるのは、これが朝ドラ初出演となる中田青渚。やがて万太郎の妻・寿恵子(浜辺美波)と交流を深めていく聡子役に込めた思いを聞いた。

田邊聡子役の中田青渚 (C)NHK

-朝ドラ初出演が決まったときの気持ちを聞かせてください。

 朝ドラは何度かオーディションを受けたことがあって、いつか出たいと思っていたんです。でも、今回出演できるとは思っていなかったので、すごくびっくりしました。それからじわじわとうれしさが込み上げてきて。ただ、演じる上では、朝ドラだからといって特別なことをすると破綻しそうな気がしたので、普段通りを心掛けました。

-座長の神木さんの印象は?

 神木さんは朝から晩までずっと撮影しているので、一番大変であるにもかかわらず、疲れているはずの夜でも、周りを明るく盛り上げてくださるんです。それを見て、これが朝ドラの主人公なんだなと。最初は私も緊張していたので、なかなか話し掛けられなかったんですけど、クランクインの日にほぐすような言葉を頂けて、すごく助かりました。そんなすてきな方なので、たくさんの方に愛されているんですよね。神木さんの30歳の誕生日には、メークさんたちがみんなでメーク室を華やかに飾りつけていたこともありました。私もそんな神木さんを見習って、いつかヒロインを演じられたら…と思っています。

-ご自身が演じる聡子という女性については、どんな印象を持っていますか。

 一見、内気でおどおどしているように見えますが、女学校に通っていたので、実は賢い女性です。自分の意見もしっかり持っていて、言うときは言うタイプ。なので、演じる上ではただ内気なだけにならないように気を付けました。そういう意味では、華やかさはありませんが、静かさの中にりんとした強さがある雰囲気が魅力だと思います。

-中田さんご自身は聡子の夫の田邊教授をどんな人だと捉えていますか。

 ただ植物が好きなだけの人なんですけど、政府の仕事など、他にやらなければならないことが多く、ちょっと不器用なところもあるのかなと。聡子が寿恵子さんに「買い物に行ったとき、白い大きな枕を抱いていた教授がちょっとかわいかった」と話す場面も、怖いイメージのあった田邊教授の意外な一面が垣間見えて印象的でした。聡子は田邊教授のそんなところが好きなのかなと思って、女子高生のような気持ちで演じていました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】映画は原作を超えたか 沖縄の現代史を背景に描いた力作『宝島』/純文学風ミステリーの趣『遠い山なみの光』

映画2025年9月18日

『宝島』(9月19日公開)  1952年、米軍統治下の沖縄。米軍基地を襲撃して物資を奪い、困窮する住民たちに分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれる若者たちがいた。  村の英雄でリーダー格のオン(永山瑛太)と弟のレイ(窪田正孝)、彼らの幼なじみ … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】レジェンドたちの「朝鮮の旅」たどった写真家の藤本巧さん

2025年9月18日

 朝鮮の文化を近代日本に紹介した民藝運動家の柳宗悦や陶芸家の河井寛次郎。彼らが1930年代に見た朝鮮の風景に憧れ、1970年に韓国の農村を訪れたのが写真家の藤本巧さんだ。以来50年以上にわたり、韓国の人々と文化をフィルムに刻み続けてきた。 … 続きを読む

エマニュエル・クールコル監督「社会的な環境や文化的な背景が違っても、音楽を通して通じ合える領域があるのです」『ファンファーレ!ふたつの音』【インタビュー】

映画2025年9月18日

 世界的なスター指揮者のティボ(バンジャマン・ラべルネ)は、突然白血病を宣告され、ドナーを探す中で、生き別れた弟のジミー(ピエール・ロタン)の存在を知り、彼の隠れた音楽的な才能にも気付く。兄弟でありながらも異なる運命を歩んできた2人。ティボ … 続きを読む

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

 東日本大震災から10年後の福島を舞台に、原発事故で引き裂かれた家族と青春を奪われた若者たちの姿を描いた『こんな事があった』が9月13日から全国順次公開中だ。監督・脚本は、『追悼のざわめき』(88)などで日本のみならず世界の映画ファンから支 … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

 ニューヨーク・ブルックリンで暮らすアジア人夫婦を主人公に、息子の誘拐事件をきっかけに夫婦の秘密が浮き彫りとなり家族が崩壊していく姿を、全編NYロケで描いた『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』が、9月12日から全国公開され … 続きを読む

Willfriends

page top