エンターテインメント・ウェブマガジン
要さんとは初対面だったので、お会いしたときは、とても背が高くて驚きました。ただ、撮影の合間にお菓子を食べる姿を見ていたら、「聡子が田邊教授を『かわいらしい』と思うのはこういうところなのかな」とイメージが重なりました(笑)。
あのシーンは私が撮影に入って2日目だったので、すごく緊張していたんです。でも、とても安心感のある浜辺さんのおかげで、だいぶ助けられました。しかも、後半にかけて聡子の緊張もほぐれていくんですけど、私自身も何となくほぐれていくような感じがあって、聡子とリンクするものを感じました。
寿恵子さんの方が妻としても先輩なので、頼りにしていますし、大事なときに助けてもらったりして、2人の絆はさらに深まっていきます。やがてそんな寿恵子さんの影響を受けた聡子は「自分も強くなりたい」と思うようになり、成長していくことになります。演じる上でもその辺は意識していて、聡子はもともと話し方がゆったりで大声は出さないんですけど、大事な場面ではスピードを速めてみたり、少し芯のある声を出してみたりして、変化をつけるようにしています。
少し先になりますが、大きな挫折を経験した田邊教授を、聡子が励ますシーンがあります。それまで、夫婦であってもスキンシップの場面がなかった2人ですが、そこで初めて、聡子が田邊教授に触れたことをきっかけに2人が対等な夫婦として認め合い、聡子も変わっていきます。台本を読んだとき、想像以上に重要な役で驚きましたし、こんなにすてきな役を頂いた責任感と緊張感で身が引き締まりました。とても大切なシーンだったので、演じる上では「あなたを支えたいんです」という気持ちだけは忘れないようにしました。私が撮影に慣れ、要さんとの距離感もほぐれていく過程と、聡子が成長していく過程がリンクして進んでいった感覚があり、すごくいいシーンになったと思います。
聡子の成長を見守っていただきたいのはもちろんですが、変化していく田邊教授と万太郎さんとの関係や、友情を深めていく聡子と寿恵子さんの関係にもぜひ注目していただけたらうれしいです。
(取材・文/井上健一)

田邊彰久教授(要潤)の妻・聡子を演じる中田青渚(左)(C)NHK
映画2025年12月28日
【日本映画】 邦画界は、今年も『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』『チェンソーマン レゼ篇』『名探偵コナン 隻眼の残像』など、アニメーション作品が興行成績の上位を占めたが、実写映画でも大ヒット作が生まれた。歌舞伎を題材とした … 続きを読む
ドラマ2025年12月26日
▽家族を世話する母 ムン・ソリは、「クイーンメーカー」(23年)や「私たちの人生レース」(同)のように、女性の主体性や自分らしさを打ち出す役を担い、エンパワーメントの姿を体現してきた。だが「おつかれさま」では、“肩書きのない母”を真 … 続きを読む
映画2025年12月24日
-この映画は、ちょっとフランス映画みたいなところがありましたね。 分かります。私もそう思いました。確かにそういう味わいがありますね。最初の撮影が、矢添と2人で、部屋で紅茶を飲んでいるシーンだったんですけど、プレイバックしてモニターを見た時 … 続きを読む
映画2025年12月23日
-12年という時間が、そういう皆さんの固い絆を作り上げたわけですね。そんな作品に出合える機会は、俳優人生の中でめったにないことだと思いますが、皆さんにとって「緊急取調室」シリーズとはどんな存在でしょうか。 天海 12年という時間とエネルギー … 続きを読む
映画2025年12月20日
『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』(12月19日公開) 友人の結婚式で知り合ったデビッドとサラは、レンタカーのカーナビに導かれ奇妙なドアにたどり着く。そのドアの先は、それぞれの「人生で一番やり直したい日」につながっていた。“ … 続きを読む