「ちょっと気が楽になるような、何も気負わずに見てもらえるのがこの映画の魅力かなと思います」『1秒先の彼』清原果耶【インタビュー】

2023年7月5日 / 08:00

-相手役の岡田将生さんの印象は?

 とっても柔軟な方だと思います。監督と話し合って、幾つかテーマが浮かんだときに、「じゃあ全部やってみます」という、そのクイックさというか、対応力みたいなところがすごいなと思います。ハジメくんって、とても難しいキャラクターだなと思っていて、もし自分が「ハジメくんをやって」と言われたら、心がせかせかして大変だろうなと思うので、それを、現場で大変なそぶりも見せずに、全部ちゃんと順序立てて消化していく岡田さんの姿はとてもかっこよかったです。

-山下監督の演出で、特に印象に残ったことがあれば。

 「レイカちゃんの感情としてはこうしたいんだけどな」という思いが浮かんだときに、それを伝えると、ちゃんと向き合って、一緒に悩んでくださる監督だったので、毎日安心して現場に行けました。あまり指示はなさらず、任せてくださっていたと思います。でも、「おろおろしてください」みたいなことは言われました。あとは、「ふわっとした感じで」と言ってくださったので、気楽にできました。こういう、なぎにいるようなキャラクターって難しいだろうなと思ったので、すごく助けてもらいました。

-宮藤さんの脚本のせりふはいかがでしたか。

 宮藤さんの脚本は今回が初めてなので、あまり語ることはできないんですけど、「宮藤さんの脚本は、ト書きが少ない」と岡田さんがおっしゃっていて、「宮藤さんの世界観は会話劇で、会話のテンポがとっても大事なんだ」と、いろんな方もおっしゃっていたので、確かにそうだったかもしれないと思います。

-この映画は台湾映画の『1秒先の彼女』のリメークですが、オリジナルは見ましたか。

 出演が決まったときに見ました。ファンタジーの要素がすてきだなと思いました。普段はファンタジー系の映画はあまり見ないので、新鮮な気持ちで見られて、主演のお二方がとてもすてきだったので、日本のリメークでもいいものが作れたらいいなと思いました。「私は、この静かなワンテンポ遅れるレイカちゃんを演じるのか、楽しみだな」と思いました。

-完成した映画を見て、どう思いましたか。

 とっても優しい映画ができたと思いました。普段は、ファンタジーとかはあまり見ないんですけど、こんなにも心の隔たりがなくなるような、何か気が楽になるというか、温かい映画に参加できてよかったなという思いと、現代を生きるいろんな人に見てもらえたらいいなという思いがしました。

-最後に、観客に向けて一言お願いします。

 ワンテンポ早い人と遅い人が出てきたり、ガングロギャルとその彼氏が出てきたり、職場でめちゃめちゃよくしゃべる人たちがいたりとか、いろんな人が出てきますけど、みんな悪い人じゃなくて。すごく優しい映画というか、それぞれの人を否定しない、否定されないという距離感の気持ちよさを感じていただけるような作品になったんじゃないかなと思います。私も見終わったときに、「あー、優しい映画ができたな」と思いましたが、ちょっと気が楽になるような、何も気負わずに見てもらえるのがこの映画の魅力かなと思います。

(取材・文・写真/田中雄二)

(C)2023「1秒先の彼」製作委員会

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

川口春奈、高杉真宙「自分や家族、周りの人たちを大事にしようと思うきっかけになったらうれしいです」『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』【インタビュー】

映画2026年10月1日

-実在の人物を演じる難しさは感じましたか。 川口 彼女が残した日記や言葉、映像も少なからずありましたが、自分なりの解釈はせず、監督を信じて飛び込んでみるという感じでした。本当に一つずつ模索しながら作っていったという感覚でした。 高杉 こうい … 続きを読む

木戸大聖「悲しいと思っていてもそれを表情に出せないのが難しかったです」『沖晴くんの涙を殺して』【インタビュー】

映画2026年10月1日

-今回は広瀬アリスさんとの共演でしたが、『ゆきてかへらぬ』では、妹のすずさんとも共演しましたね。  シンプルに、男と女として対峙(たいじ)する役ができたことはすごくうれしかったですし、すずちゃんもアリスさんも、自分の実年齢とは関係なく、僕が … 続きを読む

小瀧望「ファンの皆さまの声に応え続けたい」 舞台「ロックンロール」では「僕たちの芝居とともに、当時のロックミュージックも楽しんで」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月30日

-そうした難しい役どころゆえ、共感はなかなか難しいのでは?  それはあまり心配していないです。先日、トム・ストッパードの「ハード・プロブレム」という作品を観劇したんですよ。その作品も、日本人とは違う感情の変化が描かれた作品でした。楽しく会話 … 続きを読む

佐津川愛美「酒井監督に惚れました(笑)」念願だった酒井麻衣監督との初タッグ『時給三〇〇円の死神』【インタビュー】

映画2026年9月30日

 10月2日から全国公開となる『時給三〇〇円の死神』は、累計発行部数36万部を突破した藤まるの同名小説を原作にしたファンタジーだ。生きる希望を失った大学生・佐倉真司(西畑大吾)が、謎めいた同級生・花森雪希(福本莉子)に誘われ、この世に未練を … 続きを読む

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#受験競争だけではない韓国の教育問題、「鉄槌教師」が問う教師の役割

2026年9月29日

 K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む

page top