「らんまん」山谷花純「今までで一番濃い時間を過ごしています」「鎌倉殿の13人」が転機となった三度目の朝ドラ出演【インタビュー】

2023年6月12日 / 08:15

 NHKで放送中の連続テレビ小説「らんまん」。“日本の植物分類学の父”牧野富太郎博士をモデルに、愛する植物のため、明治から昭和へと激動の時代をいちずに突き進む主人公・槙野万太郎(神木隆之介)の波瀾(はらん)万丈な生涯を描く物語だ。東京大学で植物学の研究に打ち込む万太郎を温かく見守るのが、万太郎が暮らす長屋の個性豊かな住人たち。その1人、宇佐美ゆうを演じているのは、昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で源頼家の側室・せつ役で強い印象を残した山谷花純。これまでのキャリアを振り返りつつ、三度目の朝ドラ出演となる「らんまん」への思いを語ってくれた。

宇佐美ゆうを演じる山谷花純 (C)エンタメOVO

-ドラマを見ていると、長屋の住人たちの温かな雰囲気が印象的です。現場の様子はいかがですか。

 ドラマそのままで、和気あいあいです。長屋の住人を演じる方は、下は5歳の子から上は私の親より年上の方まで、幅広い年齢層が集まっているんですけど、言葉を交わさなくても、みんなで同じゴールを見すえて進んでいけるすごくいい関係性だと思います。現場でも“チーム長屋”と呼ばれていますし。神木さんも、さりげなく気配りしつつ、みんなを優しく包み込んでくれるような座長で、現場にいらっしゃると、笑顔があふれて雰囲気がすごく明るくなるんです。

-すてきなチームワークですね。

 熱い友情と人を思う心はある長屋の雰囲気は、物語の中でいい箸休めになると思います。だから、出てきたときに「待っていたよ」と皆さんに言っていただけたら、“チーム長屋”としてはすごくうれしいです。

-山谷さんは今回、「おひさま」(11)、「あまちゃん」(13)に続いて三度目の朝ドラ出演になりますね。

 この10年、朝ドラのオーディションに落ち続けたことで、出演できるありがたさを身にしみて感じました。「おひさま」のときは朝ドラが何なのかも知らず、初めて朝ドラのオーディションを受けた「あまちゃん」ですぐに合格したので、出演するのがどんなに大変か分かっていなかったんです。

-そうすると、朝ドラに出演する実感を今回初めて味わっていると?

 そうですね。だから、すごく楽しいです。「あまちゃん」のときは、「好きなお芝居ができて楽しい」というだけで、現場の進め方などは気にしていなかったんです。まだ10代だったので時間制限もあり、現場にあまり長くいられませんでしたし。今思えば、もっと成長できるチャンスだったのに、もったいないことをしたなと。それを取り戻そうとして、今回は記憶に強く焼きつけるくらい、今までで一番濃い時間を過ごしています。

-ちょうど今、BSプレミアムで「あまちゃん」を再放送していますが、山谷さんの登場は第54回からなので、「らんまん」の出演時期と重なりますね。

 そうなんです。現場でも流れているので、(「あまちゃん」主演の)のんちゃんにも、こないだ「映っているよ」とLINEしました(笑)。10年前の作品ですが、過ぎてみるとあっという間で、私自身はあまり変わった気がしません。でも、視聴者の方は細かいことに気付いてくださるので、何か変化に気付いたら、教えてもらえるとうれしいです。

-ところで、山谷さんが俳優の道に進んだのは、自分でオーディションを受けたことがきっかけだそうですが、子どもの頃から俳優を目指していたのでしょうか。

 最初はテレビの仕組みを知りたかったんです。私、テレビは全部生放送だと思って見ていたんですけど(笑)、どう考えても無理なので、その謎を解き明かすには、自分がテレビの中に入ればいいんだと思って。そうしたら担任の先生が、エイベックスのオーディションを紹介してくれたんです。「女優」という職業も知らなかったので、何となくイメージできた「モデル」で受けたら、身長が低かったので、合格したら演技の方になっていて(笑)。

-それはいつ頃ですか?

 小5か小6ぐらいのときです。最初は子役としてスタートさせていただいたら、お芝居のレッスンもほとんど受けてなかったのに、ぽんぽんと出演が決まったんです。地方から出てきたあか抜けない感じが、新鮮だったのかもしれません。その後、中学1年生で『告白』(10)という映画に出たとき、もの作りの面白さを知り、いろいろと勉強するようになって。そこが、私にとってお芝居を好きになった最初のターニングポイントだったと思います。それから高校を卒業して親元を離れ、上京したことをきっかけに、きちんと仕事として向き合うようになりました。

-自分の好きなことを見つけて仕事にできるのは幸せなことですね。では、今回の「らんまん」に対する意気込みは?

 おゆうさんは自分の実年齢より4つか5つぐらい上の設定ですし、お着物を着て、かつらをつける役を頂けたことで自分の成長も実感できたので、すごくうれしいです。ただ、おゆうさんの候補は他にもたくさんいたはずなので、選んでいただいたからには、その方たちの分まで頑張る責任があると思っています。全ての役がそうですが、すごくシビアな世界なので、ふわふわしていたらすぐに置いていかれてしまいますし。実際、ふわふわしていたときは、いろんな人たちに追い抜かれていきましたから。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

ドラマ「LOST10」脚本・奥寺佐渡子×監督・塚原あゆ子 横浜流星と小栗旬が演じるバディの魅力と制作の舞台裏を語る【インタビュー】

ドラマ2026年10月16日

 横浜流星が主演する金曜ドラマ「LOST10」が、16日22時からTBS系でスタートする。大河ドラマ以来の民放連続ドラマ出演となる横浜が、映画『国宝』の脚本家・奥寺佐渡子と再タッグ。「Nのために」「最愛」などを手掛けた塚原あゆ子監督、新井順 … 続きを読む

磯村勇斗「吉田監督の世界に入れることが楽しみでした」吉田恵輔監督「磯村くんは思考が自分に近い」初顔合わせの舞台裏『mentor』【インタビュー】

映画2026年10月15日

 かつて、花火遊びをきっかけにアパートを全焼させてしまった2人の少年、龍之介(磯村勇斗)と拓海(末澤誠也)が15年ぶりに再会。さらに、その火事で大火傷を負い、妻子を失った被害者・埜本(綾野剛)と交流する中で、2人は運命を狂わせていく…。   … 続きを読む

キタオ・サクライ監督「自分が夢中になってプレーしていた、子どもの頃の高揚感を生かしたいと思いました」『ストリートファイター/ザ・ムービー』【インタビュー】

映画2026年10月15日

 1993年。かつて共に天才格闘家として名をはせたリュウとケンは兄弟のような存在だったが、ある理由から疎遠になっていた。そんな彼らの前に謎の女性格闘家・春麗が現れ、「ワールド・ウォリアートーナメント(世界格闘王決定戦)」の招待状を差し出す。 … 続きを読む

山下幸輝、初めての舞台出演への思い「踏み込んで挑戦しよう」 福田雄一演出のコメディーで「笑わせたい」ミュージカル「モンティ・パイソンのSPAMALOT」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年10月15日

 山下幸輝が出演する、ミュージカル「モンティ・パイソンのSPAMALOT」が、2027年1月からEXシアター有明で上演される。本作は、イギリスの国民的人気コメディ・グループ、モンティ・パイソンの「アーサー王伝説」をベースにした映画『モンティ … 続きを読む

西川美和監督、小八重葵美「子どもたちが本当にみずみずしくて素晴らしいので、ぜひそれを映画館に見に来ていただきたいと思います」『わたしの知らない子どもたち』【インタビュー】

映画2026年10月15日

 戦争で家族と日常を奪われた12歳の少女・琴子は、生き延びるため自らの性別を隠し、少年として生きることを選ぶ。西川美和が原案・脚本・監督を務め、戦後の日本で家族を失い社会からこぼれ落ちた子どもたちを題材に描いた『わたしの知らない子どもたち』 … 続きを読む

page top