「らんまん」要潤「皆さんの予想をどんどん裏切る方向に」主人公・万太郎の運命を左右する東大教授役【インタビュー】

2023年6月1日 / 08:20

 NHKで放送中の連続テレビ小説「らんまん」。明治から昭和にかけて活躍した“日本の植物分類学の父”牧野富太郎博士をモデルに、愛する植物のため、激動の時代をいちずに突き進む主人公・槙野万太郎(神木隆之介)の波瀾(はらん)万丈な生涯を描く物語だ。故郷・高知を離れて上京した万太郎は、東京大学植物学教室への出入りを許され、目下、植物学にまい進中。その植物学教室を率い、万太郎の運命を左右する存在となるのが、教授の田邊彰久だ。演じる要潤が、田邊と万太郎の関係、幼い頃から知る主演の神木の印象などを語ってくれた。

田邊彰久役の要潤 (C)NHK

-出演が決まったときの気持ちは?

 朝ドラは久しぶりだったので、うれしかったです。「まんぷく」(18~19)のスタッフと再会できる喜びもありましたし。台本を読んでみたら、東京大学の植物学教室に関する記述が興味深かったのと、万太郎に対する田邊教授の向き合い方が奥深くて、すごくワクワクしました。

-万太郎と田邊教授が東大の植物学教室で初めて出会うシーンは、和やかさの中に微妙な緊張感が漂っていました。演じるに当たって心掛けたことは?

 あの段階では、万太郎にとって田邊教授がどういう存在になっていくのか、あまり明確に示さないように心掛けました。「この人何だろう?」という食えない感じの表情や、「歓迎しているけれど、ちょっと変な顔していない?」という雰囲気を少しずつ入れて。そうやって膨らみを持たせ、「この先、2人はどうなっていくんだろう?」と思わせられればと考えていました。

-そうすると、田邊教授の目には、万太郎はどう映っているのでしょうか。

 万太郎は、田邊教授にとって、恐らく「すごくよくできる社員の1人」という感じだと思います。「味方にすると心強いけど、敵に回すと怖い」。そういう思いで接しているんじゃないでしょうか。

-ところで、田邊教授は日本語と英語混じりのせりふを話しますが、難しさはありますか。

 語学は僕もずっと勉強してきましたし、監修の先生が細かく指導してくださるので、何とか乗り越えられています。当時の英語を学習した人ならば、こういう英語を話すかもしれないな、という想像をしながらお芝居をしています。ただ、英語と日本語ではテンポが違うので、そこは気を付けています。

-田邊教授を演じる中で、植物に対して興味が湧いてきた部分はありますか。

 長く演じさせてもらっているので、だんだんとそういう気持ちが芽生えてきました。もともとは部屋に観葉植物を飾るぐらいで、興味は人並みだったんです。でも、今では自宅前の緑道に生えている花や草木を観察するようになって。その中から新種を見つけて、自分の名前を付けられないかなとひそかにたくらんでいます(笑)。

-万太郎役の神木さんの印象を教えてください。

 神木くんのことは8歳の頃から知っていますが、いい意味でその頃から変わりませんよね。真っすぐで、お芝居への向き合い方も真摯(しんし)。僕はお芝居をするとき、割と裏をいくタイプなんですけど、彼はバシッと真正面からくるんです。それを見ていると、本当に純粋だなと。共演者にもスタッフにも、分け隔てなくフラットに向き合う姿勢もすてきで、万太郎にぴったりです。僕もいつも、そんな神木くんから元気をもらっています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

二宮和也「子どもたちの映画館デビューに持ってこいの作品です」『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺダンシングPARTY』【インタビュー】

映画2025年5月17日

 テレ東系で毎週月~金、朝7時30分から放送中の乳幼児向け番組「シナぷしゅ」の映画化第2弾。番組のメインキャラクター「ぷしゅぷしゅ」と相棒「にゅう」が、バカンスで訪れた「どんぐりアイランド」を舞台に繰り広げる冒険をオリジナルストーリーで描き … 続きを読む

【週末映画コラム】異色ホラーを2本 デミ・ムーアがそこまでやるか…『サブスタンス』/現代性を持った古典の映画化『ノスフェラトゥ』

映画2025年5月16日

『サブスタンス』(5月16日公開)  50歳の誕生日を迎えた元人気女優のエリザベス・スパークル(デミ・ムーア)は、容姿の衰えによってレギュラー番組を降ろされたことから、若さと美しさと完璧な自分が得られるという、禁断の再生医療「サブスタンス= … 続きを読む

新原泰佑、世界初ミュージカル化「梨泰院クラス」に挑む「これは1つの総合芸術」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年5月16日

 世界中で大ヒットを記録した「梨泰院クラス」が、初めてミュージカル化される。主人公のパク・セロイを演じるのは小瀧望。日本・韓国・アメリカのクリエーターが集結し、さまざまな人種が混じり合う自由な街・梨泰院で権力格差や理不尽な出来事に立ち向かう … 続きを読む

グレッグ・ターザン・デイビス「とにかく、ただ純粋に面白い映画を撮ることだけが、自分たちに与えられたミッションでした」『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』【インタビュー】

映画2025年5月15日

 トム・クルーズ主演の大ヒットスパイアクション「ミッション:インポッシブル」シリーズの第8作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』が、5月23日の公開に先駆けて17日から先行上映される。前作『ミッション:インポッシブル/デッ … 続きを読む

研ナオコ、認知症のおばあちゃん役で9年ぶりの映画主演「主演女優賞を狙ってます(笑)」岡﨑育之介監督「研さんの人生の奥行きがにじみ出た」『うぉっしゅ』【インタビュー】

映画2025年5月12日

 人生に迷いながらソープ嬢として働く若い女性・加那と、彼女に介護されることになった認知症の祖母・紀江の交流を明るくポップなタッチで描いたユニークな映画『うぉっしゅ』が絶賛公開中だ。  本作で、加那を演じる若手注目株の中尾有伽と共に、紀江役で … 続きを読む

Willfriends

page top