エンターテインメント・ウェブマガジン
万太郎と一緒に中濱万次郎(宇崎竜童)さんに会いに行くシーンは特に印象的でした。逸馬が万太郎を中濱さんに紹介するんですけど、そこは万太郎のためでもありましたが、それぞれの追い求める自由に対して、3人がそれぞれのベクトルで向き合う瞬間だったんですよね。その空気感やまなざしみたいなものが、すごく好きで。
そして何より、あのシーンは宇崎さんがいらっしゃったので、めちゃくちゃ緊張していたんです。そうしたら、本番直前に宇崎さんが僕らを呼び止め、誰もいないところで3人だけで円陣を組んで「やるぞ!」とやってくれたんです。それで気持ちがぐっと固まって。3人の間に同志として大事なものがないといけないシーンだったので、宇崎さんがそんなふうに先導してくれたことに、すごく感動しました。
僕は坂本龍馬が好きで、幕末から明治にかけての時代感がすごく好きなんです。当時のエネルギー感は、演じる側としてもすごく身が入りますし、自分が信じるものに対して、真っすぐに生きることの勇気や楽しさなど、そのかけがえのなさも教えてくれるので。ただ、好きなものを追い求めるときは、人それぞれに困難もあります。そういう感情に寄り添ってくれるのが「らんまん」じゃないかなと。しかも、その中心にいる万太郎が人をつないでいく姿がとても温かいし、それを植物というモチーフを通して見せてくれるから、より美しくて感動的なんです。その連鎖が絶妙ですよね。
思ってもいなかった朝ドラ出演という貴重な機会を頂き、僕の役者人生の中でとても大事なステップになると同時に、すごくいい経験をさせてもらっています。すてきな出会いもあり、役者としての可能性にも気付かせてもらえたので、自分にとってかけがえのないものになりました。この作品をご覧いただければ、必ずや皆さんの人生にも希望の種が芽吹くと思うので、小さく芽吹いたその新芽を、ぜひ人生の大事な指針にしていただければと思います。ぜひこれからも「らんまん」を楽しんでください。
(取材・文/井上健一)
映画2025年11月11日
-ジュゼッペ役の佐野晶哉さんの印象はいかがでしたか。 ご一緒するのは今回が初めてでした。先に佐野さんの声が吹き込まれている状態でアフレコをさせていただきましたが、1日だけ一緒にお芝居ができた日がありました。その時に、第一声から本当に迷いな … 続きを読む
ドラマ2025年11月10日
草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む
ドラマ2025年11月9日
-目黒さんらしさを出しつつ、ドラマを見ている皆さんにも分かりやすいナレーション的なニュアンスでしょうか。 それもありますが、そこにただ声を当てているだけではなくて、後々に明かされてくる別の意味もある、といったようなストーリーを自分の中で組 … 続きを読む
映画2025年11月6日
-シム・ウンギョンさんを演出してみていかがでしたか。 三宅 よくバスター・キートンの映画の話をしていたので、ある種の軽やかさをお持ちなんだなと思いました。それはウケを狙うということではなくて、徹底的に真剣なんですけど、それが重くなるのではな … 続きを読む
映画2025年11月1日
『盤上の向日葵』(10月31日公開) 信州の山中で身元不明の白骨死体が発見される。現場には、この世に7組しか現存しない希少な将棋駒が残されていた。駒の持ち主は、将棋界にすい星のごとく現れた天才棋士・上条桂介(坂口健太郎)であることが判明。 … 続きを読む