「らんまん」佐久間由衣「前に向かって進むエネルギーを、皆さんに届けられたら」主人公・万太郎の姉・綾役で2度目の朝ドラ出演【インタビュー】

2023年4月15日 / 09:30

 今月からNHKで始まった連続テレビ小説「らんまん」。明治から昭和にかけて活躍した“日本の植物分類学の父”牧野富太郎博士をモデルに、愛する植物のため、激動の時代をいちずに突き進む主人公・槙野万太郎(神木隆之介)の波瀾(はらん)万丈な生涯を描く。本作で万太郎の姉・槙野綾を演じるのは、「ひよっこ」(17)以来、2度目の朝ドラ出演となる佐久間由衣。第3週からの登場を前に、作品に懸ける意気込みを語ってくれた。

槙野綾役の佐久間由衣 (C)NHK

-2度目の朝ドラ出演が決まったときの気持ちは?

 「ひよっこ」を経験して、もっと自分が力をつけてまたこの朝ドラという場所に帰ってこられたらいいなと思って巣立っていったので、そのような大事なドラマからまた改めてオファーを頂けたことが、うれしかったです。その上で、最初に読ませていただいた「らんまん」のあらすじがすごく面白くて。どちらもうれしく、「これは絶対にやらせていただきたい!」と思いました。

-ご自身が演じる綾について教えてください。

 綾はすごくしっかりした女性です。周りの人をきちんと見て、てきぱきと物事を進めることもできる。世話焼きなところは自分に似ていますが、私は綾ほどしっかりしていないので、その生き方も含めて尊敬します。また、意志も強くて、万太郎をきちんと叱ったり、自分の思っていることをきちんと伝えたりすることもできる。私は人を叱った経験があまりないので、万太郎を叱るとき、怒るだけでなく、そこにどう愛情の深さを加えて表現したらいいのかが、演じる上での悩みどころです。

-万太郎役の神木さんの現場での印象は?

 神木さんはいつも自然体で、常に少年の心を持ったまま現場にいらっしゃいます。なので、万太郎に重なると感じる瞬間も多く、そこから綾と万太郎の関係性のヒントを頂いている気がします。おかげで、お芝居について話し合うというよりも、お互いに現場の空気を感じながら、いい雰囲気でお芝居をさせていただいています。

-クランクイン前に万太郎のモデルとなった牧野富太郎博士の出身地・高知を訪れたそうですが、演技のインスピレーションを得たことはありますか。

 クランクイン前に3日ほど高知へ行き、牧野博士が幼少期を過ごされた佐川町を中心にいろいろな場所を回らせていただきました。そのときに感じたのが、高知の女性は本当に力強く、元気でパワーがみなぎっている方が多いな…ということです。なので、演じるに当たって、強弱をつけるときは弱くならないように、どちらか悩んだときはエネルギーを出す方向で、という意識を常に持つようにしています。

-そのほか、高知の印象を教えてください。

 当時と今とでは違う部分もあると思いますが、寒暖差が大きく天気も変わりやすい土地柄のおかげか、自然の豊かさをすごく感じました。そういう環境だからこそ、いろんな植物が育ちますし、そういう自然に囲まれて暮らしているからこそ、人間もたくましくなるのかなと。地元のスーパーにも行きましたが、ほとんどの野菜が高知県産だったことにも驚きました。その土地の中で自給自足のような生活が成り立つのは、関東で暮らしている私にはとても想像できません。そこもすごく魅力的でした。

-「ひよっこ」以来、2度目の朝ドラ出演になりますが、当時と比べてご自身の成長を感じる部分はありますか。

 「ひよっこ」のときは、闘牛みたいに突っ走るだけで精いっぱいだったんです。でも今回は、周りのスタッフさんや役者さんと「あっちがいいかな? こっちがいいかな?」といろいろなことを話し合いながら、お互いに意見交換をさせていただく余裕を持てるようになった気がします。ただ不思議なもので、昨日できたお芝居が今日はできないということもあるので、やっぱりお芝居はその場の生のものなんだなと思いながら日々の撮影を必死に乗り越えている感じです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

紅ゆずる、歌舞伎町の女王役に意欲「女王としてのたたずまいや圧倒的な存在感を作っていけたら」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年7月4日

 2019年に宝塚歌劇団を退団して以降、今も多方面で活躍を続ける紅ゆずる。7月13日から開幕する、ふぉ~ゆ~ meets 梅棒「Only 1,NOT No.1」では初めて全編ノン・バーバル(せりふなし)の作品に挑戦する。  物語の舞台は歌舞 … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】異領域を融合する舞台芸術、演出家イ・インボの挑戦

舞台・ミュージカル2025年7月3日

 グローバルな広がりを見せるKカルチャー。日韓国交正常化60周年を記念し、6月28日に大阪市内で上演された「職人の時間 光と風」は、数ある韓国公演の中でも異彩を放っていた。文化をただ“見せる”のではなく、伝統×現代、職人×芸人、工芸×舞台芸 … 続きを読む

毎熊克哉「桐島が最後に何で名乗ったのかも観客の皆さんが自由に想像してくれるんじゃないかと思いました」『「桐島です」』【インタビュー】 

映画2025年7月3日

 1970年代に起こった連続企業爆破事件の指名手配犯で、約半世紀におよぶ逃亡生活の末に病死した桐島聡の人生を、高橋伴明監督が映画化した『「桐島です」』が、7月4日から全国公開される。本作で主人公の桐島聡を演じた毎熊克哉に話を聞いた。 -桐島 … 続きを読む

磯村勇斗&堀田真由、ともにデビュー10年を迎え「挑戦の年になる」 ドラマ「僕達はまだその星の校則を知らない」【インタビュー】

ドラマ2025年7月2日

 磯村勇斗主演、堀田真由、稲垣吾郎が出演するカンテレ・フジテレビ系“月10ドラマ”「僕達はまだその星の校則を知らない」が7月14日から放送スタートする。本作は、独特の感性を持つがゆえに何事にも臆病で不器用な主人公・白鳥健治(磯村勇斗)が、少 … 続きを読む

蓮佛美沙子&溝端淳平「カップルや夫婦が“愛の形”を見直すきっかけになれたら」 グアムで撮影した新ドラマ「私があなたといる理由」【インタビュー】

ドラマ2025年7月1日

 ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む

Willfriends

page top