藤木直人、50歳を迎えた自分の在り方「今あることを精いっぱい頑張る」【インタビュー】

2022年12月14日 / 18:00

 NHK朝の連続テレビ小説「あすか」や「ナースのお仕事」シリーズ(フジテレビ系)、「ホタルノヒカリ」(日本テレビ系)など数多くの人気作に出演し、活躍してきた藤木直人。12月15日から上演される「奏劇 vol.2『Trio~君の音が聴こえる』」には、三宅健演じるサムと共に人の心を癒やす手伝いをするトム役で出演する。藤木に、本作への意気込みや音楽への思い、さらには50歳を迎えた心境などを聞いた。

藤木直人 (ヘアメーク:大渡八千代/スタイリスト:古田ひろひこ) (C)エンタメOVO

-本作は、数々の映画音楽を手掛けてきた岩代太郎さんが、演劇と音楽による新たな舞台芸術を目指し、2018年に初上演した“奏劇”シリーズの第2弾となります。孤児院で兄弟のように育ち、大人になって再会したサムとトムとキムを中心とする物語が描かれていますが、今回の“奏劇”というプロジェクトを聞いてどんな感想を持ちましたか。

 正直、全くイメージが湧きませんでしたが、説明を聞いて岩代さんらしいなと思いましたし、面白そうな企画だと思いました。ただ、生い立ちや育っていく環境など、社会的な問題も描いている作品ですし、お互いの心の中にあるものがぶつかり合う話なので、難しい作品になりそうだとも感じました。

-トムという役をどのように演じたいですか。

 (取材当時)まだ台本を頂いていないので具体的なことは考えてはいませんが、ただ、今回はいわゆる朗読劇になり、お客さんは声からの情報だけで想像して見るので、それを表現する難しさを今は感じています。今回は、生演奏もあるので、そうしたものに助けていただきながら世界を作っていこうと思っています。

-自分の声に対してはどんな思いがありますか。

 僕の子ども時代は、今ほど自分の声を聞く機会がなかったので、初めて自分の声を聞いた時には驚きましたし、デビュー作の撮影のときに、音声さんが僕の声を聞いて「こんな声なの?」ということを言っていて…劣等感しかなかったです。もちろん、自分に足りていないところがあったからだと思いますし、自分なりに努力もしてきましたが、いまだに(劣等感は)ありますし、谷原章介みたいな低い声に憧れます(笑)。とはいえ、声も演技もその人のオリジナリティーではあると思いますし、みんな同じである必要もないもの。ただ、だからといって「これが自分らしさ」だと開き直るのではなく、求められることを表現していく必要もあると思うので、芝居は本当に難しいですよね。

 昔、広末涼子さんがあるインタビューで「演技も点数が出ればいいのに」という発言をしていたことがあったんです。確かに、そうすれば結果がはっきり分かるし、自分に足りていない部分も分かる。スポーツが潔いのは、はっきりと結果が出るからですよね。

-実際に、点数が出たらいいのにと思ったことはありますか。

 思わないです。もし点数が出ていて、いい点だったらそのときだけ教えてほしい(笑)。(点数を)見た方が、自分には向いてないんだと思って諦めがつくかもしれないですが、それがないからこそ自分は、今もまだ俳優を続けていられるのかもしれません。

-年の瀬が迫ってきましたが、2022年は、藤木さんにとってはどんな1年でしたか。

 50歳になる節目の年でした。それに向けてライブをしたいという思いがあったので、無事に終えられて、大きな山を乗り越えたかのような安堵感があります。

-50歳になったことで、何か変化はありましたか。

 何かが変わったわけということはないです。変化ということであれば、子どもが産まれたときの方が感じました。それまではこうした仕事を選んでいることもあり、ずっと“一人称”だったのですが、一つバトンを渡したような感覚がありました。俳優の仕事は、(50代になって)劣化していく自分を今後もさらし続けていかなければならないのがつらいですが、そんなことまで想像もせず、好きで飛び込んだ世界なので、折り合いをつけながらやっていくものだと思います。

-デビューした当時には、どんな将来像を想像していたのですか。

 その頃は、自分が年を取ったときのことまで全く想像していなかったですね。単に成功したいとか、売れたいという思いだけでした(笑)。売れるということは、そこに当然責任も出てくるものですし、作品を背負うことにもなるという、当たり前のことすら深く考えずに、ただそう思っていたように思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「豊臣兄弟!」第16回「覚悟の比叡山」“守られる側”の農民から“守る側”の侍になった小一郎と藤吉郎の覚悟【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年4月28日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=木下小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=木下藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。4月26日に放送された第16回「 … 続きを読む

ゆうちゃみ「るり子が現実にいたらめっちゃ親友になれそうやなっていう感じでした」『アギトー超能力戦争ー』【インタビュー】

映画2026年4月28日

 仮面ライダー生誕55周年記念作『アギトー超能力戦争ー』が4月29日から全国公開される。本作で主要キャストの1人である葵るり子を演じたゆうちゃみに、映画初出演への思いなどを聞いた。 -出演が決まった時の心境は?  「マジ、ドッキリ?」みたい … 続きを読む

千葉雄大、「映像の人」「舞台の人」という「垣根をなくしたい」 友近と挑む二人芝居・リーディングドラマ「老害の人」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年4月25日

 内館牧子によるベストセラー小説『老害の人』が、リーディングドラマとして舞台化される。出演者は、友近と千葉雄大の二人だけ。登場人物のすべてを、二人が自在に演じ分ける。  物語の主人公は、小さな玩具屋を大企業に育てた元社長の福太郎。老いてなお … 続きを読む

小手伸也、「映像ではテンションの7割しか出していない」 リミッターを解除して臨む舞台初主演作「コテンペスト」

舞台・ミュージカル2026年4月25日

 小手伸也が舞台初主演を務める「俺もそろそろシェイクスピア シリーズ『コテンペスト』」が、6月27日から上演される。公演に先立ち、小手が取材に応じ、本作への思いを語った。  本作は、シェイクスピアの最後の作品「テンペスト」の設定を現代に置き … 続きを読む

【映画コラム】4月後半公開の映画から『人はなぜラブレターを書くのか』『今日からぼくが村の映画館』『ソング・サング・ブルー』

映画2026年4月24日

『人はなぜラブレターを書くのか』(4月17日公開)  2024年、千葉県香取市で定食屋を営む寺田ナズナ(綾瀬はるか)は、ある青年に宛てて手紙を書く。  24年前、当時17歳だったナズナ(當真あみ)は、いつも同じ電車で見かける高校生の富久信介 … 続きを読む

page top