窪田正孝、人生で大事なのは「『自分がどうしたいのか』を見失わないこと」【インタビュー】

2022年10月17日 / 08:00

-話は変わりますが、大人びている凛に比べて、主人公の珠美は「自分は何者でもない」と悩みながら10代から20代を過ごす中、時々酒の力を借りてストレスの解消をしているごく普通の女性です。その姿に共感する人は多いと思いますが、窪田さんの10代、20代はいかがでしたか。

 二十歳になった時のうれしさは特別で、翼を手に入れたような無敵感がありましたよね。お酒はそんなに得意じゃないので、珠美のように飲んで気が大きくなることはなかったですけど(笑)。とはいえ、仕事でもがき、辞めようと思った時期は僕にもありました。でも、今振り返ってみると、辞めなくてよかったなと。それぐらい、続けたことで芝居の面白さに気付くことができた瞬間がたくさんありましたから。毎日たくさんの人に会うことで、人に興味が持てるようになったことも、大きな変化かもしれません。

-では、珠美のように「自分は何者でもない」と悩む人に窪田さんが言葉を掛けるとしたら?

 難しいですよね…。でも、何者かになろうとしなくていいんじゃないかと思うんです。呼吸するのと同じぐらい当たり前のこととして、その人の「個性」が存在しているのに、そこに何かを付け足す必要があるのかなと。武器を持ったことで背負うものもあるし、自分で「能力がない」と思っているところに、実は能力が隠れているのかもしれませんし。そこは人それぞれじゃないかなと。もちろん、「誰かのようになりたい」「あの人を目指したい」とリスペクトしたり、ライバルがいたりすることも大事だとは思います。でも一番は、「自分が本当はどうしたいのか」を見失わないことじゃないでしょうか。

-その通りかもしれませんね。それでは、窪田さんの前に珠美のように悩んでいる人がいたら、どんなアドバイスをしますか。

 「サウナ行ったら?」ですかね(笑)。悩みはみんな尽きないでしょうけど、人生を振り返ったとき、そういう悩みって、早送りしたら画面にも映らないぐらい一瞬のことで、宇宙規模で見るとちり以下の小さなことだと思うんです。そう考えたら、そんなに重く考えなくても、たいていのことは何とかなるんじゃないかなと。僕も先日、ベネチア国際映画祭に行ったとき、珍事件がいろいろとあったんですけど、結果的に何とかなりましたから。だから、悩んだらとりあえずサウナに行って、整ってくることをお勧めします(笑)。

(取材・文・写真/井上健一)

『モダンラブ・東京~』:エピソード7

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

川口春奈、高杉真宙「自分や家族、周りの人たちを大事にしようと思うきっかけになったらうれしいです」『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』【インタビュー】

映画2026年10月1日

-実在の人物を演じる難しさは感じましたか。 川口 彼女が残した日記や言葉、映像も少なからずありましたが、自分なりの解釈はせず、監督を信じて飛び込んでみるという感じでした。本当に一つずつ模索しながら作っていったという感覚でした。 高杉 こうい … 続きを読む

木戸大聖「悲しいと思っていてもそれを表情に出せないのが難しかったです」『沖晴くんの涙を殺して』【インタビュー】

映画2026年10月1日

-今回は広瀬アリスさんとの共演でしたが、『ゆきてかへらぬ』では、妹のすずさんとも共演しましたね。  シンプルに、男と女として対峙(たいじ)する役ができたことはすごくうれしかったですし、すずちゃんもアリスさんも、自分の実年齢とは関係なく、僕が … 続きを読む

小瀧望「ファンの皆さまの声に応え続けたい」 舞台「ロックンロール」では「僕たちの芝居とともに、当時のロックミュージックも楽しんで」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月30日

-そうした難しい役どころゆえ、共感はなかなか難しいのでは?  それはあまり心配していないです。先日、トム・ストッパードの「ハード・プロブレム」という作品を観劇したんですよ。その作品も、日本人とは違う感情の変化が描かれた作品でした。楽しく会話 … 続きを読む

佐津川愛美「酒井監督に惚れました(笑)」念願だった酒井麻衣監督との初タッグ『時給三〇〇円の死神』【インタビュー】

映画2026年9月30日

 10月2日から全国公開となる『時給三〇〇円の死神』は、累計発行部数36万部を突破した藤まるの同名小説を原作にしたファンタジーだ。生きる希望を失った大学生・佐倉真司(西畑大吾)が、謎めいた同級生・花森雪希(福本莉子)に誘われ、この世に未練を … 続きを読む

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#受験競争だけではない韓国の教育問題、「鉄槌教師」が問う教師の役割

2026年9月29日

 K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む

page top