小池徹平、ローラ役の城田優と共に思いを引き継ぐ 「新しいカンパニーの『キンキーブーツ』も最高だと言われる作品にしたい」【インタビュー】

2022年9月30日 / 08:00

 小池徹平が城田優と共に挑む、ブロードウェーミュージカル「キンキーブーツ」が10月1日から上演される。2016年の日本初演、19年の再演で、日本中を熱狂させた本作は、堅物の靴工場のオーナー・チャーリーと、ドラァグクイーンのローラが出会い、経営不振に陥った老舗の靴工場を、ドラァグクイーン専門のブーツ工場として再生させるまでを描いたミュージカル。小池は、初演から引き続き、チャーリー役で出演。初演と再演で三浦春馬が演じたローラ役を城田が引き継ぎ、新たな「キンキーブーツ」を作り上げる。小池に本作に懸ける意気込みや“城田ローラ”への思いなどを聞いた。

小池徹平

-3度目のチャーリー役になりますが、今回は、どんなところを大事に演じたいですか。

 今回、一番大きく変わるのは、ローラ役が(城田)優になることです。演じる人が変われば、作品の雰囲気も変わりますし、印象も変わると思います。ですが、「キンキーブーツ」を愛する気持ちは変わりません。この作品を大切に思う心は絶対に忘れてはいけない。それは初演、再演から続く思いで、そして(三浦)春馬の力もあったから成し遂げられたことでもあるんです。僕たちは、その春馬の思いも引き継いで、「新しいカンパニーの『キンキーブーツ』も最高だよね」と言われる作品にしたいと思っています。春馬に「いいな」って悔しがってもらって、(それに対して)「いいカンパニーだろ?」と言えるぐらいのチームを作りたいです。

-今回、ローラを演じる城田さんは、オーディションに自ら参加してこの役を演じることになったと聞いています。小池さんとは高校の同級生でもあり、親交の深い間柄ですが、城田さんのローラについてはどう感じていますか。

 優の出演作をご覧になったことがある方は多いと思いますが、彼は非常にポテンシャルが高く、演出家的な視点から客観的に物事を見る力も持ち合わせています。その上で、春馬の思いもきちんと継いでくれています。きっと、とんでもないプレッシャーがのしかかっていると思いますが、それを表には出さずに向き合っているんだと思います。僕としては、そうした彼の状態が分かった上でサポートしてあげられるというのは非常に大きいことだと感じています。これが初共演の相手だったら、きっとこうはいかないので、気心が知れていて、お互いに頼れる優がローラで本当によかった。オーディションを受けてくれたことにも感謝していますし、ローラ役を演じてくれることも本当にうれしかったです。もちろん、幕が開いたときに、最高のローラを演じてもらわなければならないのですが、きっと彼ならやってくれると思います。

-城田さんとは、作品や役柄に関して、どんな話をしていますか。

 (取材当時は)まだ細かい話はしてないんです。ただ、3度目の上演に当たっての思いや、僕たちがやらなければいけないことについては、共有しています。

-具体的には、どんな思いを共有しているのですか。

 やはり、春馬と一緒に作り上げてきたものを優が引き継ぐわけで、相当なプレッシャーもあるとは思いますが、このカンパニーで新たな「キンキーブーツ」を成功させるのが大事だということです。それがお客さまのためでもあるし、僕たちみんなのためでもある。そういう話はしています。

-小池さんにとっても、16年の初演時の演技で菊田一夫演劇賞を受賞するなど、思い入れの深い作品だと思います。改めて、本作は小池さんにとってどんな存在ですか。

 おっしゃっていただいたように、賞を頂いた僕の大事な作品の一つでもありますし、役者として成長させてくれる作品の一つでもありますし、僕個人としても大好きな作品です。またそうした作品に出演できるうれしさを感じていますし、ぜひたくさんの方に見ていただきたいと思っています。

-見どころいっぱいの作品ですが、小池さんは本作のどんなところが好きですか。

 王道ですが、ラストのみんなでブーツを履いて踊るナンバーが一番好きです。初演、再演とやらせていただいて、あのナンバーで客席が最高潮に盛り上がっていることをステージ上でひしひしと感じていました。コロナ前だったので、客席の皆さんが立ち上がって、声を出し、ステージと一体化して…パワーやエネルギーに満ちていました。僕は、これほどハッピーなパワーに包まれる舞台はほかにないと思います。この作品でしか感じたことがないパワーでした。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】新旧監督の話題作が並んで公開に『TOKYOタクシー』『金髪』

映画2025年11月22日

『TOKYOタクシー』(11月21日公開)  タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を東京の柴又から神奈川県の葉山にある高齢者施設まで乗せることになった。  すみれの「東京の見納めに、いくつか寄ってみたい … 続きを読む

中川晃教「憧れることが原動力」 ミュージカル「サムシング・ロッテン!」で7年ぶりにニック役に挑戦【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月22日

 数々のミュージカル作品へのオマージュが登場するコメディーミュージカル「サムシング・ロッテン!」が12月19日から上演される。2015年にブロードウェイで初演された本作は、「コーラスライン」、「アニー」、「レ・ミゼラブル」などの人気ミュージ … 続きを読む

岩田剛典、白鳥玉季「全編を通してくすっと笑えるコメディー映画になっていますので、気楽な気持ちで映画館に来ていただきたいです」『金髪』【インタビュー】

映画2025年11月21日

 日本独特のおかしな校則、ブラックな職場環境、暴走するSNSやネット報道といった社会問題を背景に、大人になりきれない中学校教諭が、生徒たちの金髪デモに振り回されながら成長していく姿を、坂下雄一郎監督がシニカルな視点で描いた『金髪』が全国公開 … 続きを読む

加藤清史郎&渡邉蒼「僕たちも今、夜神月に巻き込まれている」 子役出身の二人が挑む「デスノート THE MUSICAL」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月21日

 映画やドラマ、アニメなど幅広いメディア展開を遂げてきた人気漫画「DEATH NOTE」のミュージカル版「デスノート THE MUSICAL」が11月24日から上演される。2015年に日本で世界初演された本作は、原作のスリリングな物語を世界 … 続きを読む

なにわ男子・大西流星「“timeleszのお兄さん”な原くんは印象通り」 timelesz・原嘉孝「流星は優しくてしっかりしてる子」 1月期ドラマでW主演【インタビュー】

ドラマ2025年11月20日

 なにわ男子・大西流星と、timelesz・原嘉孝がW主演する「東海テレビ×WOWOW 共同製作連続ドラマ 横浜ネイバーズ Season1」が、2026年1月から放送がスタートする。  本作は、令和版『池袋ウエストゲートパーク』として注目を … 続きを読む

Willfriends

page top