朝ドラ“きぬちゃん”役で脚光の小野花梨が挑む、児童相談所のリアル 「社会全体が児童福祉司のお仕事を、もっとねぎらえるようになれたら」【インタビュー】

2022年9月2日 / 08:00

-児童虐待という難しい問題について、この映画と対峙(たいじ)してみて、実際にどう対処していくべきなのかというヒントは得られましたか。

 やはり難しい問題ですし、社会や行政、国レベルでどうにかしないといけない問題なんだろうなと思います。その中でも、私がこの作品に関わって一つ思ったのが、「加害者は被害者である」という考え方が、もう少しみんなに必要なのかなということです。何か罪を犯した人間は、もちろん加害者ではあるけれど、なぜ罪を犯すことになってしまたのかという、そのもっと根本を社会全体で見つめるような愛が必要な気がします。やってしまったことを「罪だ」と言って批判することは簡単ですが、もっとその根本に思いをはせて、加害者を救えるような何かがあれば、相対的に、その人数が減っていくのではないかなと思いました。

-この映画を通して、どんなことが伝わったらいいと思いますか。

 児童相談所の職員の方が、どういう気持ちで、この仕事をやっているのか、決して怠慢で子どもが亡くなってしまっているのではないということも、もっと世間に知れわたってほしいなと思います。虐待されている子どもや、それをしてしまっている親御さんを救う仕事ではあるのですが、この仕事をやっている方も、救われる世の中になってほしいですし、この仕事がフィーチャーされて、社会全体が児童福祉司をねぎらえるようになるお手伝いが、この作品でできたらいいなと思います。

-小野さんは、朝ドラの「カムカムエヴリバディ」など、数々の作品で活躍していますが、将来的には、どんな俳優像を目指していますか。

 大きな目標を持つというよりも、一歩一歩確実に前に進んでいければいいなという、のんびりタイプなのですが、何か配役に困ったときに名前が挙がるような人間でありたいなと思います。「この役どうしよう、誰にやってもらおう?」というときに、「小野花梨でいいんじゃない」と言ってもらえるような実力と人格を持っていたり、そういう立場になれたら最高だなと思います。

(取材・文・写真/小宮山あきの)

(C)2022「ほどけそうな、息」製作委員会

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