堀田真由「役としての魂がそこにないと、伝わるものも伝わらない」大河ドラマに通じる演技の基本を見つめ直したホラー映画の現場 『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』【インタビュー】

2022年8月25日 / 17:00

-今年は初めてNHKの大河ドラマにも出演し、着実にステップアップしている様子がうかがえますが、本作でのそういう経験は、大河ドラマの現場でも生きたのでしょうか。

 そうですね。大河でも、事前に「こうしてほしい」と言われていたことがいろいろあったんですけど、本番直前に監督が「すべて忘れて、比奈(役名)として生きてください」と言ってくださったんです。それって、結局はこの作品でも同じだなと思って。

-なるほど。

 実は大河の現場で、私が覚悟を決めて決意を伝えるシーンを撮影するとき、段取りでは問題なくできたのに、本番で口元が震えてしまったことがあったんです。「失敗したかな…」と思っていたら、それがOKになったんです。監督も「本気で何かを言うときは緊張して当然だし、表情も、本当に思っているのと、ただせりふとして言うのでは全く違うから」と言ってくださって。作り込むのではなく、“その人として生きる”というのは、こういうことなんだなと。絵としてどう見せるかという問題もありますが、まずは役としての魂がそこにないと、伝わるものも伝わらない。そんなことを、この作品でも大河でも、改めて学ぶことができました。

-大河ドラマでも本作のようなホラー映画でも、演じることの基本は一緒ということですね。これからの堀田さんの活躍が楽しみです。それでは最後に、本作の見どころを教えてください。

 連ドラの場合、毎週「次はどうなるんだろう?」とワクワクしながら待つ楽しみがありますが、劇場版は、臨場感あふれる映像と物語を2時間、ジェットコースターのように味わえることが一番の魅力だと思うんです。ものすごく臨場感のある作品なので、皆さんも私たちと一緒にオカルトの森に入って冒険するような感覚を、ぜひ劇場で体験してみてください。

(取材・文・写真/井上健一)

(C)2022WOWOW・KADOKAWA・ひかりTV

 8月27日(土)から新宿ピカデリーほか全国劇場で【3週間限定】公開&デジタル配信開始。「WOWOW オリジナルドラマ オカルトの森へようこそ」金曜午後11時30分から【WOWOWプライム】で放送中。【WOWOWオンデマンド】で配信中。無料トライアル実施中[全6回]【ひかりTV】でも配信中。

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(9)浅間神社で語る「厄よけの桃」

舞台・ミュージカル2025年12月18日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。  前回は、玉田家再興にあたり「三つ … 続きを読む

石井杏奈「人肌恋しい冬の季節にすごく見たくなる映画になっています」『楓』【インタビュー】

映画2025年12月17日

-実際に福士さんと共演してみていかがでしたか。  とてもすてきな方で、待ち時間にちょっとお話できたんですけど、すごく温厚な方でした。お芝居に関してはすごく真面目でストイックで、「このせりふはこうやって言ってみるのもありかも」というような優し … 続きを読む

染谷将太 天才絵師・歌麿役は「今までにない感情が湧きあがってきた」 1年間を振り返る【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月15日

-ご自宅でも絵の練習をされたそうですね。  台本が来るたびに絵を担当するチームとの打ち合わせがあり、練習用の絵が並んだ計算ドリルのようなプリントを数十枚いただくので、それを自宅に持ち帰り、宿題のように繰り返し描いて練習していました。 -歌麿 … 続きを読む

「べらぼう」ついに完結! 蔦重、治済の最期はいかに生まれたか?「横浜流星さんは、肉体的にも作り込んで」演出家が明かす最終回の舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月14日

-治済役が大きな話題となった生田さんについて、撮影を通じて感じた俳優としての魅力を教えてください。  生田さんで印象に残っているのが、何事にも動じないことです。常に泰然自若として、変なクセを出さない。ある意味、視聴者に想像させるようなキャラ … 続きを読む

稲垣吾郎「想像がつかないことだらけだった」ハリー・ポッターの次は大人気ない俳優役で傑作ラブコメディーに挑む【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月13日

 稲垣吾郎が、2026年2月7日から開幕するPARCO PRODUCE 2026「プレゼント・ラフター」で傑作ラブコメディーに挑む。本作は、劇作、俳優、作詞、作曲、映画監督と多彩な才能を発揮したマルチアーティスト、ノエル・カワードによるラブ … 続きを読む

Willfriends

page top