X


ブラッド・ピット「『ブレット・トレイン』を撮影した現場にいるような気がして、デジャビュを感じている」 東京駅から京都駅へ 史上初! 新幹線での“動く”レッドカーペット開催!

 日本を舞台にしたハリウッド映画『ブレット・トレイン』が9月1日(木)から公開される。それに先立ち、主演のブラッド・ピットが3年ぶりに来日した。そして、8月23日、JR東海の協力のもと、東海道新幹線「のぞみ」の全車両を借し切り、東京駅から京都駅までの「動くレッドカーペット・イベント」が行われた。

 レディバグ役のピットのほか、初来日となったタンジェリン役のアーロン・テイラー・ジョンソン、本作のプロモーションのために緊急帰国したエルダー役の真田広之、そしてデビッド・リーチ監督が乗車した。(一問一答は以下の通り)

(左から)デビッド・リーチ監督、アーロン・テイラー・ジョンソン、ブラッド・ピット、真田広之 (C)エンタメOVO

-映画の中では、超高速列車の中でみんなが大変な目に遭いますが、実際に新幹線に乗ってみて、どんな気持ちですか。

ピット 実際に乗ってみると、『ブレット・トレイン』を撮影した現場にいるような気がして、デジャビュを感じています。ロックダウンの中での撮影で、新幹線の模型を作って、LEDパネルに全ての風景を映して撮影したので、まさに今、追体験をしているような感じです。

ジョンソン このような形で、日本の方々に温かく迎えられて、新幹線にも乗せていただける。こんなイベントができることに、私たちはとても感激しています。この映画には、運命や運についていろいろなことが出てきますが、今日は最高についている気分です。とても光栄に思っています。

リーチ 今、本当に非現実感を味わっています。こうしてカメラを向けられてバシャバシャ撮られて、とてもシュールな気持ちです。

真田 みんなで「本当に、現場に戻ってきたようだね」と話していました。一緒に映画を作ってきたメンバーで、こうしてキャンペーンができる、しかも新幹線の中でレッドカーペットができるというのは、本当に夢のようで、こうしてお見せすることができる日が来て、本当に幸せです。

-今、新幹線で快適に過ごしていますか。

ピット 完璧です。報道陣の皆さんも楽しんでいますか? 本当にすごいです。初めての体験です。

-本作は、日本の伊坂幸太郎さんの小説『マリアビートル』の映画化ですが、出演を決めた一番のポイントは?

ピット まさにコロナが始まって、5カ月もロックダウンが続いて、おかしくなりそうなときに、リーチ監督からこの映画の脚本が送られてきました。まだワクチンも打っていない時期でした。リーチ監督は『ファイト・クラブ』(99)のときから、私のスタントダブルをやっていたので、それ以来の友人です。読んでみると、この脚本には素晴らしいキャラクターがたくさんいて、最高の俳優が集まる作品だと思ったし、とにかく笑えました。今こそこの笑いが必要だと思いました。

ジョンソン 今ブラッドが言ったように、本当にロックダウンで、みんなが暗雲が立ち込めているような気分の中で、この脚本が来て、素晴らしいキャラクターたちのアンサンブルに心引かれました。そして、とても楽しくなるであろうこの映画に、ぜひ参加したいと思いました。最初は、日本に行けると思ったのですが、残念ながらスタジオでの撮影になりました。でも、私としては、このチームでできたことが最高に楽しかったです。

真田 日本の小説が原作のものが、世界公開に向けて、素晴らしい国際的なキャストを迎えて、発信できるという喜びと、非常にうまくアダプト(翻案)された脚本を読み、何度か一緒に仕事をしたデビッドが監督ということで、面白くならないわけがないという直感にかられて、もう即答しました。「乗車します!」という感じでした。

-レディバグは、世界一不運な殺し屋として、超高速列車の中で、さまざまなシチュエーションでほかの殺し屋たちから命を狙われます。中でも、最も印象に残ったシチュエーションのシーンは?

ピット レディバグは、アニメのMr.マグーやフォレスト・ガンプのように、何とか自分の力で切り抜けていくキャラクターなんです。でも、最終的に、真田さんが演じたエルダーと出会って、彼の知性や英知を受け継いで変わっていく。そのシチュエーションが印象に残っています。

-ピットさんと真田さん、互いに初共演の印象はいかがでしたか。

ピット 真田さんが出てくれたおかげで、映画に優雅さが出て、格が上がりました。45年ですか? そんなにもアクションのジャンルでアイコンとしてずっとやってきた、45年も続けてきたことだけでも素晴らしいです。一緒に仕事ができたことは、とても光栄です。もっと言いましょうか(笑)。

 初めに監督とも話をしましたが、エルダーという役には、とても重みのある役者が必要だということで一致しました。エルダーがそこに入ってくると、その場がズシリと締まるというような、尊敬に値するような人でなくてはならないと。それで、真田さんが入ってくると、まさにそのキャラクターが、この映画の心臓や魂の部分だと思えたのです。

真田 撮影前に聞かなくてよかったです。聞いていたらプレッシャーが…(笑)。実は(演技の経験は)55年なんですが。エルダーは長老なもんですから(笑)。ブラッドは最初に会ったときからとても気さくで、フレンドリーで、映画に懸ける情熱が素晴らしいので、その空気に包まれて撮影ができたことが、本当に幸せでしたし、毎日、現場に行くのが楽しみでした。監督と彼との信頼関係が、初日からスタッフにじわじわと伝わってきて、それがいいチームワークを作り出してくれたと思います。その中で仕事ができたことは、本当に感謝しかありません。

 カメラのオンもオフも含めて、ブラッドのこの笑顔が、全体を包み込んでいい雰囲気を醸し出してくれました。主役としてみんなをけん引していく、優雅で温かい、機関車のような、トーマスかどうかは分かりませんが(笑)、そうした柔らかいオーラで全員を力強く引っ張っていくという、特殊なエネルギーを感じました。

-最後に、ピットさんから日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

ピット  この映画を携えて日本に来られたことは、とてもうれしいですし、とても楽しい経験になっています。この映画から、私たちの日本に対する愛情を感じていただけると思います。アクションも素晴らしいですし、何より楽しい作品になっています。ドウモアリガトウゴザイマス。

(取材・文・写真/田中雄二)

(左から)アーロン・テイラー・ジョンソン、真田広之、ブラッド・ピット、デビッド・リーチ監督、プロデューサーのケリー・マコーミック氏

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「明日香と遥斗の恋が二転三転するのが面白いところです」 ドラマ「366日」狩野雄太プロデューサーが語る“今後の見どころ”【インタビュー】

ドラマ2024年5月14日

 広瀬アリスが主演する月9ドラマ「366日」(フジテレビ系)が現在放送中だ。本作は、HYの名曲『366日』の世界観に着想を得たオリジナルストーリー。高校時代に実らなかった恋をかなえようと再び動きだした雪平明日香(広瀬)と水野遥斗(眞栄田郷敦 … 続きを読む

若葉竜也 主演の杉咲花は「常に新鮮で驚かされます」 4度目の共演となる医療ドラマに手応え十分「アンメット ある脳外科医の日記」【インタビュー】

ドラマ2024年5月13日

 カンテレ・フジテレビ系で毎週月曜夜10時から好評放送中の「アンメット ある脳外科医の日記」。元・脳外科医の子鹿ゆずる氏が原作(漫画:大槻閑人氏)を務め、『モーニング』で連載中の同名漫画を原作に、不慮の事故で記憶障害を抱えた脳外科医・川内ミ … 続きを読む

「素晴らしい技術も、全ては皆さんを映画の世界に連れていくためのサポートに過ぎないと思っています」『猿の惑星/キングダム』ウェス・ボール監督【インタビュー】

映画2024年5月13日

 現在から300年後、人類と猿の立場が完全に逆転し、猿が独裁支配をもくろむ衝撃的な世界を大胆に描いた「猿の惑星」新サーガの第1章『猿の惑星/キングダム』が公開された。来日したウェス・ボール監督に話を聞いた。 -最初の『猿の惑星』(68)から … 続きを読む

「光る君へ」第十八回「岐路」女にすがる男たちの姿と、その中で際立つまひろと道長の絆【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年5月11日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。5月5日に放送された第十八回「岐路」では、藤原道長(柄本佑)の兄・道兼(玉置玲央)の死と、それによって空席となった関白の座を巡る道長と藤原伊周(三浦翔平)の争いが描かれた。  妻・定子(高畑充希 … 続きを読む

【週末映画コラム】映画館の大画面で見るべき映画『猿の惑星/キングダム』/“お気楽なラブコメ”が久しぶりに復活『恋するプリテンダー』

映画2024年5月10日

『猿の惑星/キングダム』(5月10日公開)    今から300年後の地球。荒廃した世界で高い知能と言語を得た猿たちが、文明も言語も失い野生化した人類を支配していた。そんな中、若きノア(オーウェン・ティーグ)は、巨大な帝国を築く独裁 … 続きを読む