若月佑美、デビュー10年で感じた変化「人を頼ることが増えた」【インタビュー】

2022年6月8日 / 08:00

-俳優として仕事をスタートした時と今とでは、ご自身の中ではどのような変化がありましたか。

 まず、役への向き合い方は大きく変わり、自分が演じる役の味方でありたいという思いが強くなりました。例えば、凶悪犯を演じるときは、どこかで、人を殺すことや、演じる役に対して「それはちょっと…」と思ってしまったときがあったんです。嫌われ役や犯人役は、絶対に視聴者の方は嫌いになりますよね。ですが、そうなったとき、演じる俳優しかその役に寄り添える人はいないんです。だからこそ、その人物がどうしてそういう行動を取ったのか、理由を考えるようになりました。

 それから、いい意味で、人を頼ることが増えました。これまでは、自分の役について人に聞くことに申し訳ない思いがあったんです。自分の役のことぐらい、自分で考えなくちゃいけないと、どこか思っていて。ですが、今は、聞くことで知れることも多いと気付いたので、臆さずに「私の役のこのせりふって、どういう気持ちで言っていると思いますか」と先輩たちに聞くことができるようになりました。

-思いが変わるきっかけがあったんですか。

 いろいろとありましたが、特に大きかったのは、「アンラッキーガール!」(21)というドラマでした。彼氏役を板垣瑞生さんが演じてくださったのですが、私が演じた香が彼氏を振るというシーンのせりふが、「どうして別れる彼氏にこんなことを言うんだろう」と不思議だったんです。それを、板垣さんにポロッと話したら、男性として見たらどう聞こえるかを教えてくれました。若い彼氏という設定で、実際の年齢も板垣さんの方が若かったので、「若い男の子にこの言葉を言うとどう感じる」「こういうせりふを言って別れを切り出されたら、こう感じる」と話してくれ、私には気付かない視点だったと驚いたのを覚えています。そのときから、いろいろな年齢の方、そしていろいろな立場の方に聞くことで、自分にはない考え方も知ることができると思うようになりました。なので、最近は、いろいろな方に聞くようにしています。

-今後の目標は?

 いつかは人を助けられる俳優になりたいなと思います。もちろん作品を見ていただいてお客さまの心を軽くできたらという思いもありますが、私が先輩方にアドバイスを頂いたり、助けていただいているように、私もお芝居で仲間を支えてあげられる人になりたいです。

-最後に読者にメッセージを。

 壮大で美しい世界観の作品です。舞台の基となるアニメの原作コミックスは、シェークスピアの物語をイメージして作られているということもあり、心に響く、ハッとさせられるせりふもたくさん出てきます。ですので、ファンタジーの世界に飛び込もうという気軽な気持ちで来ていただいて、何か一つでも心に言葉を残して帰っていただけたらと思います。見どころは満載過ぎるぐらい満載です。ぜひ劇場で一緒に世界を共有していただけたらうれしいです。

(取材・文/嶋田真己)

舞台「薔薇王の葬列」 (C)菅野文(秋田書店)/舞台「薔薇王の葬列」製作委員会

 舞台「薔薇王の葬列」は、6月10日〜19日に都内・日本青年館ホールで上演。
公式サイト https://officeendless.com/sp/baraou_stage/

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】4月前半公開の映画から『俺たちのアナコンダ』『ハムネット』『1975年のケルン・コンサート』

映画2026年4月16日

『ハムネット』(4月10日公開)  16世紀イングランドの小さな村。薬草の知識を持ち不思議な力を宿したアグネス(ジェシー・バックリー)は、ウィリアム・シェークスピア(ポール・メスカル)と知り合い、結婚する。  やがてウィリアムは作家となり、 … 続きを読む

風間俊介「人生の中で特別な時間が刻まれる」 鴻上尚史の代表作「トランス」に挑む【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年4月15日

 風間俊介、岡本玲、伊礼彼方が出演する、KOKAMI@network vol.22「トランス」が4月28日から上演される。1993年に初演された本作は、3人の登場人物たちによる妄想と現実が入り乱れた物語。鴻上尚史の代表作のひとつである本作を … 続きを読む

浜辺美波「池松壮亮さんから様々な刺激をいただいています」大河ドラマ初出演で豊臣秀吉の妻・寧々を好演【大河ドラマ「豊臣兄弟!」インタビュー】

ドラマ2026年4月11日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合 毎週日曜 夜8:00~ほか)。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄の秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中だ。本 … 続きを読む

佐野晶哉「祖母が泣いて喜んでくれました」 連続テレビ小説初出演への意気込み【連続テレビ小説「風、薫る」インタビュー】

ドラマ2026年4月11日

  -シマケンが「良き相談相手」となるりんとの関係について教えてください。  シマケンとりんの2人のシーンには、独特の空気感が漂っています。りんの家族や親友の槇村太一(林裕太)が一緒のシーンはテンポよく進むのに、りんと2人きりになると、お互 … 続きを読む

早乙女太一「“劇団朱雀”という新たなジャンルを作るような気持ちで」早乙女友貴「お祭りを楽しむような感覚で」豪華ゲストと共に3年ぶりの公演に挑む 劇団朱雀「OMIAKASHI」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年4月9日

-お話からは劇団朱雀が常に進化を続けている様子が窺えますが、大衆演劇の伝統を大切にしつつ新しい演目を作り上げていく上で、心掛けていることはなんでしょうか。 太一 僕が舞台を作る上で最も大切にしているのが、その点です。当初は、「これを変えてし … 続きを読む

page top