【インタビュー】ドラマ「FAKE MOTION-たったひとつの願い-」板垣瑞生 単独初主演ドラマで見せる、エモ度100パーセントの「芝居のぶつかり合い」

2021年1月27日 / 12:00

 「恵比寿学園男子部(EBiDAN)」とマルチクリエーター「まふまふ」、漫画家「おげれつたなか」という布陣で2020年に始動した総合エンターテインメントプロジェクト「FAKE MOTION」。これまでにドラマ「FAKE MOTION-卓球の王将-」が放送され、オンラインで応援上映ファンミーティングやオンライン舞台(朗読劇)が開催された。そして、2021年1月20日からは、ドラマのシーズン2となる「FAKE MOTION-たったひとつの願い-」が日本テレビほかで放送される。本作では、シーズン1に出演していた都立八王子南工業高校の土方歳鬼を中心に、天下布武学園・織田左之助(荒牧慶彦)らとの戦いを描く。シーズン1に続き、土方歳鬼を演じる板垣瑞生に、役柄への思いや主演として撮影時に感じたことなどを聞いた。

土方歳鬼役の板垣瑞生

-本作は、板垣さんにとって、初の単独主演ドラマとなりますが、主演が決まったときの心境を教えてください。

 とにかく楽しみでした。ただ、どうしてもシリーズものはシーズン1が一番面白い作品になりがちなので、また別の方向から、「FAKE MOTION」のすてきなところを引き出したいと思いました。僕が主演をするならこれだ、というものを提示したかったんです。それで、現場で起きる役者同士の化学反応を大切にしたいと思っていました。そういう僕たちの芝居をどんどん使ってくださる監督さんとカメラマンさんだったので、余計に熱量を持って演じられたと思います。この作品のキャッチコピーに「エモ度100パーセントの青春ストーリー」とついていますが、そういった演技が「エモ度100パーセント」につながったのかもしれません。

-シーズン2の見どころは?

 卓球のギミック的な面白さと個性的なキャラクターに加えて、先ほどお話しした「エモさ」だと思います。シーズン1では、卓球に焦点が当たっていたので「部活もの」という印象があったんですが、今回はより人間ドラマを描いていると思います。熱量が高い作品に仕上がったと思うので、土方たちと一緒に、落ち込んだり、熱くなったり、泣いたり、笑ったりしてもらえたらうれしいです。

-荒牧慶彦さんや染谷俊之さんなど、舞台で活躍しているキャストが新たに加わったことについてはいかがですか。

 強大な敵として現れてくれるので、頼もしかったです。対峙(たいじ)するシーンも多いので、映像と舞台というそれぞれの得意分野を生かした、まったく違うお芝居のテイストを楽しんでもらえると思います。それから、僕が主演をするなら、皆さんに自由に演技をしてもらいたいと思っていたので、そういった意味でも、舞台という生の現場で活躍されている方と芝居のぶつかり合いができたのはよかったと思います。それから、この作品には、舞台の方だけでなく、アーティストとして活躍する人たちもたくさん出ているので、彼らの特徴を生かすためにも、演技の中でもアーティスト性を伝えられたらいいなという思いもありました。だから、台本にはない動きもたくさんしています。

-キャストたちに自由にやってほしいという気持ちが芽生えたのは、主演だったから、ということなのでしょうか。

 そうですね。主演だからといって気負っていたわけではありませんが、僕が動くことで現場は変わるということは、これまでにいろいろな現場で見て学んだので、今回は僕も自ら動いていきたいとは思っていました。今回、共演者の多くがアーティストで、僕が持っていないものを持っている人たちなので、そこを引っ張ってあげた方がドラマが面白くなるし、リアリティーや重厚感が出るんじゃないか、ということは考えていて、それで意識して引っ張ってあげようとは思っていました。

-シーズン1に続いて土方を演じましたが、演じ方や役への意識に変化はありましたか。

 すごく変えました。シーズン1の土方のままだと、メーンキャラとして少し弱いなと感じましたし、シーズン1からシーズン2にかけて描かれていない部分でも、土方は絶対に成長していると思ったんです。シーズン1で、エビ高(恵比寿長門学園)がすごいことを起こしてくれて、それによって土方も変わった。じゃあ、どうやって土方が変化していったら(シーズン2で)エビ高連合軍を引っ張れるような人間になるのだろうと考えたときに、内に秘めていた思いをもっとオープンにすることだと思いました。それで、敬語をゆるくしてもらって、分かりやすい主人公的な要素を加えています。もちろん、シーズン2の中でも土方はどんどん成長していって、変化しています。ドラマの最初と最後で、土方が変化していくことで、マザー(森崎ウィンが演じる近藤勇美)の表情が変わっていたら面白いなと思って作り上げました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

蓮佛美沙子&溝端淳平「カップルや夫婦が“愛の形”を見直すきっかけになれたら」 グアムで撮影した新ドラマ「私があなたといる理由」【インタビュー】

ドラマ2025年7月1日

 ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む

風間俊介「横浜流星くんと談笑する機会が増えてきたことがうれしい」蔦重と和解した鶴屋喜右衛門役への思い【大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」インタビュー】

ドラマ2025年6月29日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、快調に進行中。6月29日放送の第25回「灰の雨降る日本橋」では、浅間山の噴火によっ … 続きを読む

栗田貫一「今回はルパンたちが謎の世界に迷い込んで謎の敵と戦って、しかも前に倒した連中もよみがえってくるみたいな感じです」『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』【インタビュー】

映画2025年6月27日

 あのルパン三世が、約30年ぶりに2Dの劇場アニメーションとして帰ってくる。舞台は地図に載っていない謎の島。お宝を狙って乗り込んだルパン一行を待ち受けていたのは正体不明の存在だった。前代未聞のスケールで描かれ、全ての「ルパン三世」につながる … 続きを読む

光石研、大倉孝二「ちょっと重いけれどちゃんとエンターテインメントになっていると思います」『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』【インタビュー】

映画2025年6月27日

 日本で初めて教師による児童へのいじめが認定された体罰事件を題材にした福田ますみのルポルタージュを三池崇史が映画化した『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』が6月27日から全国公開された 。本作の主人公・薮下誠一(綾野剛)が勤める小学校の校 … 続きを読む

【週末映画コラム】『トップガン マーヴェリック』と兄弟のような『F1(R)/エフワン』/過酷な救急医療現場にリアルに迫った『アスファルト・シティ』

映画2025年6月27日

『F1(R)/エフワン』(6月27日公開)  かつてF1ドライバーとして活躍したソニー・ヘイズ(ブラッド・ピット)は、今は身を持ち崩し、フリーのレーサーとしてさまざまなレースに出場していた。だが、最下位に沈むF1チーム「エイペックス」の代表 … 続きを読む

Willfriends

page top