「地元・沖縄の物語でヒロインを演じられることが、すごくうれしい」黒島結菜(比嘉暢子)【「ちむどんどん」インタビュー】

2022年4月15日 / 08:20

 2022年度前期のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」が、4月11日から放送スタートとなった。沖縄本土復帰50年の節目に送るのは、復帰前の沖縄で四人兄妹の次女として生まれ育ったヒロインが、やがて上京し、沖縄の家族に支えられながら料理人の道を目指す50年の物語だ。ヒロイン・比嘉暢子を演じるのは、沖縄出身の黒島結菜。放送開始を前に撮影の舞台裏や本作に懸ける意気込みなどを語ってくれた。

比嘉暢子役の黒島結菜 (C)NHK

-朝ドラはこれまで「マッサン」(14~15)や「スカーレット」(19~20)に出演した経験がありますが、今回はヒロイン役ということで特別な思いはありますか。

 朝ドラに限らず、作品として携わるものはどれも同じぐらい大切にしています。でも、今回は朝ドラということに加え、地元の沖縄の話で、しかもそのヒロイン役。そういう三つの要素が一つになっていることが特別に感じます。地元・沖縄の物語でヒロインを演じられることが、すごくうれしいです。

-暢子と黒島さん自身の共通点は?

 暢子はおいしいものが大好きで、運動が得意で、ご飯を作るのも食べるのも大好きな女の子です。そういう部分は、私も似ています。でも、暢子は私よりもだいぶ元気で、皆に愛される力もずっとあるような気がします(笑)。

-そういう元気いっぱいな暢子を演じる感想は?

 すごく楽しいです。実は、私自身はあまり感情を表に出すタイプではないんです。でも、暢子を演じている中で、明るくて元気で前向きなキャラクターに引っ張られ、楽しい気分になったり、人見知りが少し解消されたりすることもあって。そういう意味で、私自身も暢子からいい影響をたくさん受けている気がします。

-暢子を演じる上で、こだわっていることは?

 おいしいものをおいしく食べることは、遠慮せずやるように心掛けています。普通、食事のシーンではせりふをしゃべらなければいけないので、食べる量を少なめにしがちなんですけど、今回はそういうことはあまり気にしないようにしています。だから、口いっぱいに頬張りながらせりふを言っている場面もたくさんあると思いますが、それはそれで暢子らしくていいかなと思って。

-食事のシーンが多そうですが、食べ過ぎには気を付けているのでしょうか。

 あまり気にしていません(笑)。昼食後、すぐに食事のシーンになることもあるんですけど、普通に食べています。「おなかをすかせておこうかな」ということもありますが、いいタイミングで食事のシーンになることが多いんですよね。先日も、ちょうどおなかがすいてきた頃におそばを食べるシーンがあったので、おいしく頂きました(笑)。やっぱり、撮影をしていると頭を使うので、おなかがすいてエネルギーが足りなくなってくるんです。「食べることは大事だな」とこの作品で実感したので、食事はきちんと取るようにしています。

-撮影で大変なことややりがいを感じる部分はありますか。

 撮影スケジュールを見ると、ひたすら「暢子、暢子、暢子…」と名前が並んでいるので、すごいなと(笑)。遅い時間になると「疲れた」と感じることもありますが、皆さんと一緒に「頑張ろう!」という団結力が出てくるのがまた楽しくて。だから、大変なこともありますが、それを上回る充実感があるので、とても楽しくやっています。

-暢子と兄・賢秀(竜星涼)、姉・良子(川口春奈)、妹・歌子(上白石萌歌)という4人の兄妹の絆もドラマの見どころになりそうですが、撮影が進む中、演じる皆さんと兄妹感みたいなものも生まれているのでしょうか。

 すごく仲よくなりました。昨年の11月から12月にかけて沖縄ロケに行ったときは、皆で集まって話をする機会もあったので、距離がぐっと縮まりました。おかげでその後、東京のスタジオで撮影に入ってからも、4人そろうとすごくほっとするんです。ただ、今は沖縄から上京した暢子が東京のレストランで働いているシーンを撮影しているので、兄妹のやり取りが電話のシーンだけなんですよね。だから、すごく寂しくて。逆に、たまに会えると、本当の家族のように懐かしくなったり…。この4人で兄妹を演じることができて、すごくよかったです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【Kカルチャーの視点】「ユミの細胞たち」の原作者、ウェブトゥーン作家イ・ドンゴン

インタビュー2025年11月17日

 韓国文化の“今”を再構築し続けるKカルチャー。今回は、デジタル空間で物語を紡ぐウェブトゥーンの世界に焦点を当てる。平凡な会社員ユミの頭の中で繰り広げられる細胞の物語――。2015年に連載を開始した「ユミの細胞たち」は、全512話で32億ビ … 続きを読む

尾上眞秀「お母さんやおばあちゃんが喜んでくれました」寺島しのぶの長男が舘ひろしとの共演で映画初出演『港のひかり』【インタビュー】

映画2025年11月14日

 日本海沿岸の小さな漁師町を舞台に、元ヤクザの漁師・三浦と目の見えない少年・幸太という、年の離れた孤独な2人の絆を描くヒューマンドラマ『港のひかり』が、11月14日から全国公開中だ。  主演に舘ひろしを迎え、『正体』(24)の俊英・藤井道人 … 続きを読む

『物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家の物語』(7)神々がすむ土地を語る

2025年11月14日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼玉田永教と神道講釈  銭湯の湯け … 続きを読む

ハリウッド・リメイク決定!インド発ノンストップ・アクション!「日本の皆さんにも楽しんでいただけるはず」ニキル・ナゲシュ・バート監督『KILL 超覚醒』【インタビュー】

映画2025年11月13日

 40人の武装強盗団が、ニューデリー行きの特急寝台列車を襲撃! 刀を手に乗客から金品を奪う強盗団のリーダー、ファニ(ラガヴ・ジュヤル)は、大富豪タークルとその娘トゥリカ(ターニャ・マニクタラ)を人質に取り、身代金奪取をもくろむ。だがその列車 … 続きを読む

上白石萌歌「小さなお子さまから大人の方まで幅広く届いてほしいと思います」『トリツカレ男』【インタビュー】

映画2025年11月11日

 何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む

Willfriends

page top