【インタビュー】ミュージカル「銀河鉄道999 THE MUSICAL」中川晃教 星野鉄郎は「運命を感じる役」

2022年2月25日 / 12:00

 松本零士の代表作『銀河鉄道999』をミュージカル化した、「銀河鉄道999 THE MUSICAL」が、星野鉄郎役に中川晃教を配し、2022年4月8日から上演される。中川は、2018、19年の舞台から続投し、3度目の鉄郎役となる。中川に鉄郎役への思いや公演への意気込みを聞いた。

星野鉄郎役の中川晃教 (C)エンタメOVO

-中川さんが鉄郎を演じるのは、本作が3度目となります。もちろん、これまでは舞台、今回はミュージカルという違いはありますが、同じ役を続けて演じることについてどう感じていますか。

 これまでは、音楽劇という形でしたが、今回は「THE MUSICAL」と冠している通り、せりふと歌で表現していく作品になります。これまでの2回の舞台でも描かれていた、鉄郎の持つ力強さや、若さというエネルギー、それから「人類が描く理想の未来が幸せなものであってほしい」という願いが今回も表現されていると、台本を読んで感じています。僕は鉄郎を演じていて、鉄郎はさまざまな感情を、その時ごとにさまざまな形で爆発させているという印象があります。心の奥に突き刺さっているものを決して見逃さないし、見て見ぬふりをしない。生きている限り、壁にぶち当たっても全力でぶつかって生きている。そうやって、小さい爆発から大きな爆発まで、さまざまな感情を持って生きている鉄郎の感情のエネルギーが、音楽につながっていくと想像したときに、また新たな「銀河鉄道999」の歴史を作ることができるのかもしれないと感じました。この作品が持っているテーマは変わらずに、音楽を通して、作品を通して、舞台を通してそのテーマが伝わっていくのかなと考えるとワクワクドキドキしています。

-これまでの作品では、今おっしゃった「感情の爆発」が鉄郎を演じる上でのポイントだったのでしょうか。

 確かに、素直に感情を表現する、爆発させるというところもポイントではあるんですが、旅を共にするメーテルという謎めいた女性がいることで成長したり、変化していく自分を客観的に見ることができているという一面もあります。そう考えると、この宇宙の旅を通して鉄郎が出会ったキャラクターたちによって、鉄郎がどういう人間なのかが語られていくのかなとも思います。

 -ところで、昨今は、いわゆる2.5次元作品ではなくても、アニメや漫画を原作としたミュージカルが多く制作されている印象があります。中川さんは、そうした漫画やアニメ原作の作品と、ブロードウェーミュージカル、そしてオリジナルミュージカルに出演するときに役作りの違いはありますか。

 そこだけを考えていうならば、全く違うと思います。分かりやすい例でいえば、海外で制作された場合、その作品や楽曲の魅力、持っているものを変えてはいけないという厳しいルールがあって上演されていることが多いんです。今回のように国内の原作で、オリジナルのカンパニーで作り上げる作品となったときには、自分が初演だったり、オリジナルキャストとしてその作品に関わっていることも多い。その分、その作品を共に作っているという自覚が大きいと思います。もちろん、権利は権利で大切にされるべきことですし、プライオリティーを保つためにも必要なものだということは理解しています。ただ、役の作り方は違ってきます。

 
  • 1
  • 2

関連ニュースRELATED NEWS

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

橋本愛 演じる“おていさん”と蔦重の夫婦は「“阿吽の呼吸”に辿り着く」【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年8月16日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、快調に進行中。本作で蔦重の妻・ていを演じているのは、今回が4度目の大河ドラマ出演で … 続きを読む

山里亮太「長年の“したたかさ”が生きました(笑)」 三宅健太「山里さんには悔しさすら覚えます(笑)」STUDIO4℃の最新アニメ『ChaO』に声の出演【インタビュー】

映画2025年8月15日

 『鉄コン筋クリート』(06)、『海獣の子供』(19)を始め、個性的なアニメーションを次々と送り出してきたSTUDIO4℃。その最新作が、アンデルセンのおとぎ話『人魚姫』をベースに、人間の青年・ステファン(声:鈴鹿央士)と人魚王国のお姫さま … 続きを読む

ウィリアム・ユーバンク監督「基本的には娯楽作品として楽しかったり、スリリングだったり、怖かったりというところを目指しました」『ランド・オブ・バッド』【インタビュー】

映画2025年8月14日

 ラッセル・クロウとリアム・ヘムズワースが共演し、戦場で孤立した若手軍曹と、彼を後方から支援する無人戦闘機のベテラン操縦官の闘いを活写したサバイバルアクション『ランド・オブ・バッド』が8月15日から全国公開された。米海軍全面協力のもと、入念 … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(1)“たまたま”が導いた講談の道

舞台・ミュージカル2025年8月14日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼みなさん、こんにちは  日本の伝 … 続きを読む

原嘉孝×いとうあさこ、timelesz加入後初の舞台主演に「timeleszを背負っています」 舞台「ドラマプランニング」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年8月11日

 脚本家・演出家の山田能龍、いとうあさこによる劇団山田ジャパンの2025年9月公演「ドラマプランニング」にtimeleszの原嘉孝が出演する。  本作は、テレビ業界におけるドラマ制作現場を舞台とし、ほれ込んだ漫画の映像化で初のチーフ作品を担 … 続きを読む

Willfriends

page top