【インタビュー】Netflixシリーズ「テルマエ・ロマエ ノヴァエ」津田健次郎「世界中の多くの方に、面白く見ていただける作品」

2022年3月25日 / 07:00

 アニメ「テルマエ・ロマエ ノヴァエ」が3月28日から、Netflixで独占配信される。本作は、ヤマザキマリの原作漫画『テルマエ・ロマエ』に、新たな書き下ろしエピソードを加えてアニメ化。古代ローマの浴場技師ルシウスが、ローマと現代日本をタイムスリップしながら、自国の浴場に日本の入浴文化を取り入れていく浴場コメディー。本作で主人公・ルシウスの声を演じている津田健次郎に、作品の魅力や見どころ、日本のアニメ作品がNetflixで世界同時配信されることへの意気込みなどを聞いた。

津田健次郎

-「テルマエ・ロマエ」は、実写版の映画で阿部寛さんがルシウスを演じたことでも話題になりましたが、オファーを受けたときは、どんな気持ちでしたか。

 とても有名な作品ですし、支持率が高くてファンもたくさんいらっしゃる作品なので、単純にそういった作品の主役をやらせていただくことや、ルシウスという面白い役をやらせていただけることがうれしかったです。

-原作漫画のどんなところに魅力を感じますか。

 独自性が面白いなと思います。お風呂を媒介してタイムスリップをしたり、お風呂をこんなにクローズアップした作品は今までにないですし、ヤマザキ先生の学者並みの知識に裏打ちされた、しっかりとしたアカデミックなものの上にギャグが成り立っているところが、本当に面白いなと思います。

-ルシウスというキャラクターの印象は?

 とにかく実直で仕事に真っすぐで、いいものを作ろうとしている真面目な男だと思います。キャパシティーが狭くて、すぐに驚いたり、悩んだりしますし、非常にその辺りが等身大で人間くさくて、結果的にパニックに陥ったり、困ったりするところが笑いにつながりますし、ルシウスのキュートさや魅力になっているなと思います。

-アフレコの際は、どんなところを意識しましたか。

 ルシウスを、エネルギーを高く、生真面目にやっていこうというのは意識していました。ルシウスは、一人でぶつぶつ言ったりと、せりふも多いので楽しかったですし、ぜいたくな時間でした。

-アニメーション版の魅力は、どんなところに感じていますか。

 アニメーションは、いい意味でライトさがあるので、非常に見やすいです。あまり気負って見るようなタイプの作品ではないので、疲れたときや、ふとした時間に見やすい作品になっています。ばかばかしいなと、笑って見ていただけるとうれしいです。

-津田さん自身は、お風呂は好きですか。入浴時のこだわりがあれば、教えてください。 

 僕は寝る前と起きた後と、1日に2回浴槽に漬かるぐらいお風呂が好きです。目覚めにもいいですし、睡眠にもいいですし、考えごとをするのにも、あれほど適した時間はないなと思っています。気分によって本を持ち込んだり、防水のスマホを持ち込んで仕事をしたり、熱めのお風呂に漬かりながら長風呂を楽しんでいます。

-本作にも、お風呂が好きな人々がたくさん登場しますが、共感する部分はありましたか。

 はい、ヤマザキ先生の圧倒的な知識量が、お風呂に関する部分にも、すごく投影されているので、いかに古代ローマ人がお風呂に執着していたか、いかに工夫していたかということが存分に描かれていますし、それに負けず劣らず、日本人も昔から風呂を愛し、風呂の時間をいかに豊かにするかということに、ものすごく工夫とエネルギーを掛けてきたというのが、『テルマエ・ロマエ』を見た後に印象に残るんですよね。やっぱりお風呂っていいものだなというのが感じられるので、そういう意味でも、とてもいい作品だと思います。お風呂に入りたくなると思います(笑)。

-好きな温泉地はありますか。

 長野の野沢温泉は、街に幾つも温泉があって、地元の人も入られていて、いわゆる高級旅館に付いている露天風呂とか、そういうものとは違った素朴さがあって非常によかった思い出があります。ヤマザキ先生が作品の中の巡湯記のコーナーで草津温泉に行かれていたので、草津温泉にも行ってみたいなと思っています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【Kカルチャーの視点】レジェンドたちの「朝鮮の旅」たどった写真家の藤本巧さん

2025年9月18日

 朝鮮の文化を近代日本に紹介した民藝運動家の柳宗悦や陶芸家の河井寛次郎。彼らが1930年代に見た朝鮮の風景に憧れ、1970年に韓国の農村を訪れたのが写真家の藤本巧さんだ。以来50年以上にわたり、韓国の人々と文化をフィルムに刻み続けてきた。 … 続きを読む

エマニュエル・クールコル監督「社会的な環境や文化的な背景が違っても、音楽を通して通じ合える領域があるのです」『ファンファーレ!ふたつの音』【インタビュー】

映画2025年9月18日

 世界的なスター指揮者のティボ(バンジャマン・ラべルネ)は、突然白血病を宣告され、ドナーを探す中で、生き別れた弟のジミー(ピエール・ロタン)の存在を知り、彼の隠れた音楽的な才能にも気付く。兄弟でありながらも異なる運命を歩んできた2人。ティボ … 続きを読む

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

 東日本大震災から10年後の福島を舞台に、原発事故で引き裂かれた家族と青春を奪われた若者たちの姿を描いた『こんな事があった』が9月13日から全国順次公開中だ。監督・脚本は、『追悼のざわめき』(88)などで日本のみならず世界の映画ファンから支 … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

 ニューヨーク・ブルックリンで暮らすアジア人夫婦を主人公に、息子の誘拐事件をきっかけに夫婦の秘密が浮き彫りとなり家族が崩壊していく姿を、全編NYロケで描いた『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』が、9月12日から全国公開され … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(3)無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力

舞台・ミュージカル2025年9月12日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力 … 続きを読む

Willfriends

page top