【インタビュー】舞台「裏切りの街」萩原みのり 高木雄也の恋人役で6年ぶり舞台出演「演劇で伝える難しさを感じています」

2022年3月9日 / 08:00

-萩原さんが演じる里美という役の印象は?

 稽古に入る以前は、ちょっと猫背でどこか芋っぽくて田舎くさい、自信があるんだかないんだか分からない子とキャラクター化していましたが、今は、そういったものに当てはめない方が三浦さんの作品は面白いのかなと思ってきています。基本的なところを自分の中に落とし込んだら、あとはお客さんそれぞれが里美に対して抱く印象が違っていればいるほどいいのかなと思います。実際に、人に対する印象は、皆それぞれ違うじゃないですか。なので、あまりこういうキャラクターだと決めずに、人間らしく積み重ねていけたらと思って準備しています。

-裕一を演じる高木さんの印象は?

 スターとして活躍されている方ですが、セットの中にいる姿は全くスターには見えないんですよ(笑)。ソファーに座っている後ろ姿は、ちゃんとだらしなくて、裕ちゃんそのものなので、本当にすごい方だなと思います。それから、三浦さんに言われたことに対してすぐに反応して、次々と役へのアプローチの仕方を変えていく姿を見て勉強させていただいています。現場では、例えば、たまたまフランスパンを持って稽古場にいらっしゃった役者さんがいると、高木さんはすぐに「フランスパン、買ったんですか?」って声を掛けるんですよ。普通は、持っていることに気付いてもわざわざ言いませんよね(笑)。でも、そうして誰にでも気さくに声を掛けて場を和ませてくれているんだと思います。カンパニー一番のムードメーカーです。

-久しぶりの舞台出演ですが、初日に向けて今はどんな思いですか。

 私は、あがり症で人前がすごく苦手なんです。映像の場合は、撮影時にはカメラとスタッフさんしかいないので大丈夫なんですが、今回は大きな会場でたくさんのお客さまの前に立つことになります。そうなった時、今はまだ自分がどう感じるのか想像もつかないでいます。とにかく震えないようにと今は思っています。先日、高木さんに「どうしたらいい?」と聞いたら、高木さんは「俺は人がいっぱいいればいるほどテンションが上がる」って言っていました。さすがだとは思いましたが、参考にはなりませんでした(笑)。とにかく、私自身がお客さんとして映画を見たときに感じた楽しさや面白さというものを、劇場にいらっしゃったお客さまにも感じていただきたいと思っています。2022年版はまた、以前の上演時から新しくなった部分もあるので、この作品をご覧になったことがある方にも違った見え方があると思います。2020年に一度中止になったからこそ、強い思い入れを持って稽古に臨んでいるので、ぜひ劇場で見ていただければと思います。

(取材・文・写真/嶋田真己)

パルコ・プロデュース2022「裏切りの街」

 パルコ・プロデュース2022「裏切りの街」は、3月12日〜27日に都内・新国立劇場 中劇場で上演。
公式サイト https://stage.parco.jp/program/uragiri2022/

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

小瀧望「ファンの皆さまの声に応え続けたい」 舞台「ロックンロール」では「僕たちの芝居とともに、当時のロックミュージックも楽しんで」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月30日

-そうした難しい役どころゆえ、共感はなかなか難しいのでは?  それはあまり心配していないです。先日、トム・ストッパードの「ハード・プロブレム」という作品を観劇したんですよ。その作品も、日本人とは違う感情の変化が描かれた作品でした。楽しく会話 … 続きを読む

佐津川愛美「酒井監督に惚れました(笑)」念願だった酒井麻衣監督との初タッグ『時給三〇〇円の死神』【インタビュー】

映画2026年9月30日

 10月2日から全国公開となる『時給三〇〇円の死神』は、累計発行部数36万部を突破した藤まるの同名小説を原作にしたファンタジーだ。生きる希望を失った大学生・佐倉真司(西畑大吾)が、謎めいた同級生・花森雪希(福本莉子)に誘われ、この世に未練を … 続きを読む

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#受験競争だけではない韓国の教育問題、「鉄槌教師」が問う教師の役割

2026年9月29日

 K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む

鈴鹿央士「絶対に映画館で見て損はさせない映画になっています」『藁にもすがる獣たち』【インタビュー】

映画2026年9月29日

-おばあちゃん役の風吹ジュンさんとの印象に残ったエピソードがあれば。  とても面倒見のいい方で、何か聞いたら何でも返してくれるし、気を使ってくださいました。本当は僕が気を使わなければいけないのに、風吹さんの方から、「大丈夫よ。頑張ろうね」っ … 続きを読む

向井理、演出家・倉持裕と再びタッグ 6人で描き出す会話劇に「戻ってきたな。こういうことがやりたかった」 M&Oplaysプロデュース「ブランク」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月29日

 向井理が主演するM&Oplaysプロデュース「ブランク」が、10月3日から開幕する。本作は、2023年に本多劇場で上演した「リムジン」に続き、向井と倉持裕が再びタッグを組んで贈る新作公演。ある弁護士事務所を舞台に、そこで繰り広げら … 続きを読む

page top