【インタビュー】いのうえ歌舞伎「神州無頼街」松雪泰子  “演劇愛”に満ちた劇団☆新感線が作り上げる「おなかいっぱいになって帰れる楽しい作品」

2022年3月10日 / 08:00

 2020年、新型コロナウイルスの感染拡大により公演が延期となった「いのうえ歌舞伎『神州無頼街』」が、満を持して3月17日から大阪のオリックス劇場を皮切りに上演される。本作は、福士蒼汰と宮野真守がバディを組んで幕末を舞台に暴れ回る伝奇活劇。身堂蛇蝎(みどう・だかつ=高嶋政宏)が率いる蛇蝎一家が巻き起こす無頼の風に巻き込まれた、町医者の秋津永流(あきつ・ながる=福士)と “口出し屋”草臥(そうが=宮野)が、それぞれの宿命と因縁を知り、日の本の命運すら揺るがす策謀と立ち向かう姿を描く。身堂蛇蝎の妻・麗波(うるは)を演じる松雪泰子に、劇団☆新感線の魅力や、本作の見どころ、役作りについてなどを聞いた。

麗波役の松雪泰子 (C)エンタメOVO

-劇団☆新感線の公演には、5度目の出演になりますね。本作の出演が決まったときはどんな気持ちでしたか。

 「髑髏城の七人」で、シーズンは違えど、共にIHIステージアラウンド東京のステージに立ったメンバーと、新たな作品でご一緒できるというのは、すごくうれしかったです。シーズンが違ったので、お互いに観劇をして、あいさつを交わしたぐらいでしたが、あの時間を過ごした者同士というのは、どこかでつながりがある感じがしているので、そういう意味でもうれしかったですし、ご一緒できるのが楽しみでした。

-松雪さんにとっての劇団☆新感線はどういった存在ですか。

 大好きな劇団です。いつも、私が出演を熱望して出させていただいています。(主宰で本作の演出も務める)いのうえ(ひでのり)さんの劇団員さんたちに対する愛も、劇団員さんたちのいのうえさんに対する愛もすごくすてきですし、これだけ長い期間、劇団として新作を作り続け、上演し続けているというのはすごいことだと思います。何よりも、皆さんが演劇を愛しているというところに引かれます。もちろん、たくさんの新感線ファンの俳優さんたちによる客演によって、さらに新たなものが更新されていっているというのも魅力だと思います。

-主演の福士さん、そして、その福士さんと本作でバディを組む宮野さんの印象は?

 福士さんは、「髑髏城の七人」で初めて新感線の作品にご出演されたそうですが、まっすぐで本当にピュアな方という印象でした。懸命に前に進む姿が、(「髑髏城の七人」で福士が演じた)捨之介と重なってすごくすてきでした。宮野さんは舞台の経験も豊富で、歌もお芝居もまた全く違った色合いの捨之介を演じられていましたが、それもまたすてきでした。今回、ご一緒できることは本当に楽しみです。

-現在(取材当時)、稽古もスタートし、着々と作品が形になっていると聞いています。稽古場の雰囲気はいかがですか。

 笑いの絶えない稽古場で、楽しく進んでいます。皆さん、熱いテンションで怒鳴り声が上がるお芝居が続いています。任侠は、筋を通すことが大事なのだと思いますが、今作では、その筋の通し方が独特なんです。筋が通っているようで、それがどんどんねじ曲がっていくので、そこはお客さまにも楽しんで見ていただけるんじゃないかと思います。

-今回、松雪さんが演じる麗波は、どんな役どころですか。

 ネタバレになってしまうので、あまり詳しく説明できないのですが…。無頼の宿を築き上げた身堂蛇蝎の妻で、毒虫を使って人を操るという技を持っています。任侠ものなので、基本的には常にもめていますが(笑)、麗波がなぜ毒虫を使えるようになったのかとか、なぜ蛇蝎とパートナーになったのかというのも劇中で明かされ、かなり衝撃的な展開を迎えるので、そこはかなり面白いんじゃないかなと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

パク・ジョンミン「一人二役は想像以上に大変でした」韓国のヒットメーカーが「ガス人間」に続いて送り出すサスペンス・ミステリーで熱演『顔 -かお-』【インタビュー】

映画2026年8月28日

 日本でも話題を集めた『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)やエグゼクティブプロデューサー&脚本を務めたNetflix「ガス人間」も大ヒットした韓国のヒットメーカー、ヨン・サンホ。その最新監督作『顔 -かお-』が8月28日から全国公開 … 続きを読む

【映画コラム】「生き残る」とは何か『ラスト・サバイバー』『シェルター』が描く極限の人間ドラマ

映画2026年8月28日

『ラスト・サバイバー』(8月28日公開)  謎のパンデミックによって人類の大半が死滅し、生き残った者たちが奪い合い、殺し合う荒廃した世界。  パイロットのヒッグ(ジェイコブ・エロルディ)は、元軍人のバングリー(ジョシュ・ブローリン)と共同戦 … 続きを読む

安田章大「僕が演じられたのは、のんちゃんのおかげ」のん「安田さんとの出会いは衝撃でした」自閉スペクトラム症の兄とその妹役で初共演『平行と垂直』【インタビュー】

映画2026年8月28日

 自閉スペクトラム症(ASD)の大貴は、清掃の仕事に就き、周囲のサポートを受けながら自立した生活を送っている。一方、妹の希は、心理カウンセラーとして働きながら大貴を支えて暮らしていた。長い間、変わることなく続いてきた兄妹の日常は、希の結婚話 … 続きを読む

井桁弘恵、幼少期のバレエの経験が今の「度胸」に 「バレエの魅力をもっと伝えたい」「SWAN -Ballet cross Reading-」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年8月28日

 ドラマ「そこから先は地獄」(日本テレビ)で主演を務め、映画『教場 Requiem』など数々の映画やドラマに出演、「おしゃれクリップ」(日本テレビ)ではMCも務める井桁弘恵。9月4日から上演される「SWAN -Ballet cross Re … 続きを読む

早瀬憩「撮影中は朝子と一心同体で生きた感覚がありました」感動のヒューマンサスペンスで入魂の演技『私はあなたを知らない、』【インタビュー】

映画2026年8月27日

 新垣結衣と共演した『違国日記』(24)で鮮烈な印象を残し、今年は「サバ缶、宇宙へ行く」、『モブ子の恋』など、続々と出演作が放送・公開される注目の若手俳優・早瀬憩。その最新出演作『私はあなたを知らない、』が、8月28日から全国公開される。 … 続きを読む

page top