【インタビュー】舞台「ミネオラ・ツインズ」大原櫻子「これまで見たことがない作品になる」

2021年12月30日 / 12:00

 大原櫻子が一人二役で双子の姉妹を演じる、シス・カンパニー公演「ミネオラ・ツインズ ~六場、四つの夢、(最低)六つのウィッグからなるコメディ~」が、2022年1月7日から上演される。本作は1950年代から89年までの激動の時代に、女性たちが何を考え、何を体験してきたかを、痛烈な風刺を込めて描いたダークコメディー。ニューヨーク郊外の小さな町ミネオラで生まれ育った、一卵性双生児の姉妹マーナとマイラという、性格が正反対の2人を大原が演じる。稽古に励む大原に、難役に挑む意気込みや本作の見どころなどを聞いた。 

大原櫻子 (C)エンタメOVO

-この作品に出演が決まったときの心境は?

 膨大なせりふ量の戯曲で、さまざまな社会問題も描かれている作品だったので、「こんなにも大変な作品はないんじゃないか」と感じました。私が持っている知識やエネルギーをオーバーするだろうと思う作品だったので、この作品に出演することで一つの壁を破れるのではないかと思い、挑戦したいと思いました。

-最初に脚本を読んだときに、この作品の魅力をどこに感じましたか。

 私自身、姉がいるのですが、姉妹のストーリーという意味では親近感が持てる設定で、その関係性に面白さを感じました。ですが、稽古を重ねていく中で、この作品にはもっとたくさんの魅力があることを実感しています。例えば、一人の役者が双子を取っ替え引っ替え演じる大変さがコミカルな要素になるというのも面白いですし、マーナとマイラの17歳から51歳までを描いているので、その中での思考の変化や時代の変化をお芝居で表すというのも面白いところだと思います。

-双子の姉妹を演じ分ける難しさを、どんなところに感じていますか。

 全部です(笑)。今(取材当時)、お稽古が始まって2週間ほどですが、正直なところ、何がつかめていて何がつかめていないのかもまだ分からない状態です。まさに手探りの状況で、つかんでは捨て、つかんでは捨てを繰り返しています。

-では、マーナとマイラを演じる上で、どんなところを意識していますか。

 それは(マーナとマイラの)年齢によっても違います。10代のマーナは非常にかわいらしく、10代のマイラは少し不良っぽい部分があるので、そのコントラストを出すようにしています。ですが、大人になってからは、マーナは精神が不安定になり、マイラはごく普通の人間に見えます。最初の設定では、「マーナがいい子で、マイラが悪い子」なのですが、“いい子”と“悪い子”がだんだんと交差していって、大人になったら入れ替わるんです。子どもの頃とは180度違う、コントラストを常に意識しています。

-大原さんご自身は、マーナとマイラのどちらにより共感しますか。

 最初はマイラでしたが、今はどちらにも共感できます。マーナは保守派でマイラはリベラル派、女性らしさを保っている女性と自由奔放な女性と、2人は全く違う性格ですが、人間には皆、相反する面があると思うので、私もどちらの性格も持ち合わせていると思います。

-共演の八嶋智人さんと小泉今日子さんの印象を教えてください。

 八嶋さんは、毎回違ったアプローチのお芝居をされていて、そのお芝居の幅の広さに感銘を受けています。人から追われているシーンでは、どこからか本物のハンバーガーを持ってきて、道端に落ちている設定にしてそれを食べていたり(笑)。なぜかそんな準備までされていて、現場を盛り上げてくれます。ムードメーカー的な先輩です。今日子さんは、私の役についてせりふの言い回しや動きなど、たくさんアドバイスをしてくださるので、とてもありがたく思っています。今日子さんは間(ま)の取り方も素晴らしく、私のお芝居も引き出していただいているのを感じます。お二人とも本当に素晴らしい役者さんだと日々感じています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

井内悠陽「自分を貫くことは大切。でも、時には柔軟性も必要」 映画『爆上戦隊ブンブンジャー』で映画初主演を飾る20歳の新星【インタビュー】

映画2024年7月27日

 7月26日から公開中の『爆上戦隊ブンブンジャー 劇場BOON! プロミス・ザ・サーキット』は、テレビ朝日系で大人気放送中のスーパー戦隊シリーズ第48作「爆上戦隊ブンブンジャー」初の劇場版だ。本作でブンブンジャーのリーダー、ブンレッド/範道 … 続きを読む

田中真弓「70歳、新人のつもりで頑張っています」憧れだった朝ドラレギュラー出演 連続テレビ小説「虎に翼」【インタビュー】

ドラマ2024年7月26日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「虎に翼」。新潟地家裁三条支部に赴任し、娘・優未(竹澤咲子)と2人だけの暮らしに苦労する主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)を助けるため、かつて花江(森田望智)の家で女中として働き、第7週で故郷の新潟に帰った稲が … 続きを読む

真彩希帆、憧れの「モーツァルト!」でコンスタンツェ役 「この作品を見に来て良かったと感じていただきたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年7月26日

 「才能が宿るのは肉体なのか?魂なのか?」という深遠なテーマをベースに、その高い音楽性と重層的な作劇で“人間モーツァルト”の35年の生涯に迫る、ミュージカル「モーツァルト!」が、8月19日から帝国劇場にて上演される。2002年の日本初演以来 … 続きを読む

【週末映画コラム】歴史の「if」を描いた2本『もしも徳川家康が総理大臣になったら』/『お隣さんはヒトラー?』

映画2024年7月26日

『もしも徳川家康が総理大臣になったら』(7月26日公開)  新型コロナウィルスがまん延した2020年。首相官邸でクラスターが発生し、総理大臣が急死した。かつてない危機に直面した政府は、最後の手段として、歴史上の偉人たちをAIホログラムで復活 … 続きを読む

鈴木梨央「特撮映画の魅力を実感しました」子役時代から活躍してきた若手俳優が、ファンタジー映画に主演『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』【インタビュー】

映画2024年7月25日

 高校生の時宮朱莉は、謎の男・穂積(斎藤工)と出会い、特殊美術造形家だった亡き祖父・時宮健三(佐野史郎)が制作を望んだ映画『神の筆』の世界に入り込んでしまう。怪獣ヤマタノオロチによって、その世界が危機にひんしていることを知った朱莉は、同級生 … 続きを読む

Willfriends

page top