【インタビュー】映画『信虎』寺田農「この映画が、若い人が時代劇に興味を持つきっかけになればいいなと思います」

2021年11月5日 / 07:30

-金子修介監督が時代劇を撮るのは珍しいと思いますが、演出はいかがでしたか。

 金子さんには、黒澤明監督の『影武者』(80)のスピンオフみたいなところで撮りたいという思いがあったようです。そういう意味では楽しみながら撮っていたような気がします。やっぱり、役者もそうだけど、監督も新しいことをやって、そこからまた次のことをやるというように広がっていくと、より楽しいんじゃないですかね。

-この映画は、大人の観客はもちろん、特に若い人に見てもらいたいということでしょうか。

 若い人は、時代劇に慣れていないから、せりふにスーパーを入れたりしないと言葉が通じないと思います。親友だった落語家の古今亭志ん朝が「もう廓の話はできない。私の代で終わり」と言っていました。それは観客も廓を知らないし、いちいち言葉に注釈を入れなければならないからです。でも、落語もそうだけど、時代劇は大変な文化遺産でもあるわけだから、若い人が知らないのはもったいないと思います。映画もドラマも、やっぱり若い人が見なければいけません。そこからまた新たな世代が出てきて新しい映画を作ったりするわけですから。

 「映画は、フィルムがあって、スクリーンがあって、真ん中に観客がいなければ映画とは言えない」という言葉があります。観客がスクリーンと対話をし、共感し、共有する時間が映画を見るということ。その意味でも、この映画が若い人たちにとって、時代劇に触れるきっかけになって、「何だかよく分からなかったけど面白かったね」となって、次につながればいいと思います。

(取材・文・写真/田中雄二)

(C)ミヤオビピクチャーズ

 

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