【インタビュー】ドラマ「エロい彼氏が私を魅わす」結木滉星「どんどん人間くさくなっていくところが見どころ」野島伸司脚本ドラマで見せるギャップ

2021年9月16日 / 08:03

 松井愛莉が主演し、野島伸司が脚本を担当するドラマ「エロい彼氏が私を魅わす」が、動画配信サービス「FOD」で9月18日から配信される。本作は、結婚目前の主人公が、工事現場で偶然出会った男性に引かれて葛藤していく姿を描いた恋愛ドラマ。松井が演じる主人公・仁美の婚約者・圭吾を演じる結木滉星に役作りについてや、本作の見どころを聞いた。

圭吾役の結木滉星

-本作に出演が決まったときの心境は?

 野島さんが脚本を担当したドラマ「プライド」が好きで、いつか野島さんの作品に出たいと思っていたので、喜びが大きかったです。野島さんの作品は独特な世界観があり、フィクションの中にもリアルな描写もあって、そのフィクションとリアルさの融合した作風が個人的には魅力だと思います。今作でも、「お互いに無事に生還して幸せになろう」とか、普段なら言わないような表現のせりふも多くて、演じるのが面白かったです。

-今回演じる圭吾は、証券マンで収入もよく、高学歴。誰もがうらやむ彼氏という役どころです。演じる上で、どんなところを意識しましたか。

 1、2話では、完璧でプライドが高く、でも、誰もが結婚したいと思うような爽やかな男性ということを意識しましたが、後半になって仁美に気になる男性が現れたことを知ると、その圭吾という人間像が徐々に崩れていきます。どんどん人間くさくなっていくところが圭吾の見どころだと思うので、そこは意識しました。そのギャップは演じていても楽しかったところです。

-ドラマ「#コールドゲーム」でも二面性のある役を演じていたので、「実は…」という役柄が続いていますね。

 そうなんです、続いちゃってます(笑)。ただ、「#コールドゲーム」では意図的に二面性を作っているという役柄でしたが、今回は裏切られたことで変わっていくという感覚なので、演じるときの意識は大きく違いました。こういう役柄は演じがいがありますし、(本作の)後半になって泥くさく、人間らしさが出てくる圭吾が僕は好きです。

-圭吾に共感するところはありましたか。

 誰しもがプライドは持っているだろうし、そこにこだわる芯の強さというのは共感できるところもありますが、僕が圭吾の立場だったら同じような行動はしないと思います。仁美のことも、圭吾はよく受け入れたなと思います。もし、僕だったらその時点で無理だと思うので。きっと圭吾は、人間として仁美のことを愛していたのではなく、世間の目や体裁とかを気にして、自分を大事にした結果、受け入れたんだと思うので、僕とは全然違うと思いました。

-撮影現場の雰囲気はいかがでしたか。

 すごくいい雰囲気の現場でした。撮影は梅雨の時期に行っていたので、雨が降ることも多かったのですが、僕がぽろっと「雨男なんだ」と言ったら、雨が降ると僕のせいだとなって(笑)。そういうことも言い合えるぐらい和気あいあいとした現場でした。やるときはしっかりと集中して、でもコミュニケーションもしっかりと取れて、すごく楽しい現場でした。僕は、松井愛莉ちゃんと笠松将くんと一緒のシーンが多かったのですが、笠松くんは感情を大事に演技をして、同じお芝居をあえてしない人だったので、すごく刺激的で一緒に演じるのが楽しかったです。愛莉ちゃんともスッと芝居に入ることができたので、長く付き合ってきたという空気感を出せたかなと思います。

-印象に残っているシーンは?

 6話で、圭吾が仁美のお母さんとお姉さんに、思っていることをぶつけるシーンは、(視聴者の)圭吾への見方が一気に変わる場面だと思ったので、そこは気合を入れて演じました。長回しで、僕がひたすら話すというシーンだったので、いい緊張感の中で撮影できたと思います。

-圭吾という役を通して、学んだことはありましたか。

 逆に、僕はこのままでいいんじゃないかとも思いました(笑)。僕は、女性に対しての向き合い方が割とサバサバしていて、何でもはっきり言ってしまう方なんですが、圭吾に比べたらマシに思えてきて…このままでいいんじゃないかなって(笑)。でも、もちろん女性には優しくしないといけないとも思っています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】映画は原作を超えたか 沖縄の現代史を背景に描いた力作『宝島』/純文学風ミステリーの趣『遠い山なみの光』

映画2025年9月18日

『宝島』(9月19日公開)  1952年、米軍統治下の沖縄。米軍基地を襲撃して物資を奪い、困窮する住民たちに分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれる若者たちがいた。  村の英雄でリーダー格のオン(永山瑛太)と弟のレイ(窪田正孝)、彼らの幼なじみ … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】レジェンドたちの「朝鮮の旅」たどった写真家の藤本巧さん

2025年9月18日

 朝鮮の文化を近代日本に紹介した民藝運動家の柳宗悦や陶芸家の河井寛次郎。彼らが1930年代に見た朝鮮の風景に憧れ、1970年に韓国の農村を訪れたのが写真家の藤本巧さんだ。以来50年以上にわたり、韓国の人々と文化をフィルムに刻み続けてきた。 … 続きを読む

エマニュエル・クールコル監督「社会的な環境や文化的な背景が違っても、音楽を通して通じ合える領域があるのです」『ファンファーレ!ふたつの音』【インタビュー】

映画2025年9月18日

 世界的なスター指揮者のティボ(バンジャマン・ラべルネ)は、突然白血病を宣告され、ドナーを探す中で、生き別れた弟のジミー(ピエール・ロタン)の存在を知り、彼の隠れた音楽的な才能にも気付く。兄弟でありながらも異なる運命を歩んできた2人。ティボ … 続きを読む

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

 東日本大震災から10年後の福島を舞台に、原発事故で引き裂かれた家族と青春を奪われた若者たちの姿を描いた『こんな事があった』が9月13日から全国順次公開中だ。監督・脚本は、『追悼のざわめき』(88)などで日本のみならず世界の映画ファンから支 … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

 ニューヨーク・ブルックリンで暮らすアジア人夫婦を主人公に、息子の誘拐事件をきっかけに夫婦の秘密が浮き彫りとなり家族が崩壊していく姿を、全編NYロケで描いた『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』が、9月12日から全国公開され … 続きを読む

Willfriends

page top