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高校時代の帰宅部仲間の6人が、友人の結婚式で久しぶりに再会する。だが彼らは、二次会までの3時間の間に、目を背けていた友の死と向き合うことになる。松居大悟監督の青春群像劇『くれなずめ』が、5月12日(水)から、テアトル新宿ほかで公開される。6人の仲間の一人・明石を演じた若葉竜也に、映画についての思いや、俳優としてのモットーを聞いた。
もともと松居さんの映画は見ていましたし、松居大悟という人間にとても興味があったので、今回一緒にやってすごく好きになりました。具体的には内緒です(笑)。
いや、当たり前ですけど、監督によって皆違います。松居さんと今泉さんはとても仲がよくて、「おまえの〇〇は面白くなかった」みたいに、お互いに相手の作品をディスり合ったりしていて(笑)。とてもいい関係だと思います。そんな2人の世界の両方に入れているぜいたくさや、不思議な縁を感じました。
この映画だけではなくて、自分が参加する映画には、必ず意識していることがあります。それは、演技のうまさや、せりふの明瞭さ、などではなく、人間として、におい立つような、ざらざらしたところでやりたいと思っている、ということです。自分が映画を見るときも、整ったきれいなせりふや上手なお芝居で感情が動くことはほとんどありません。それよりも、その役者さんの無意識な表情などを見たときに心が動きます。僕自身は、そういう経験を求めて映画館に行くので、自分もテクニカルなところではなく、生きてる人間を映画に焼き付けたいと思っています。松居さんも、言語化できない感情を書き続けてきたと思うので、それは共通認識でありました。この映画は、そういう気持ちの、純度の高さが出た作品だと思います。
最後のリフレインのシーンは、なるべく冷静にやるつもりでした。でも成田さんがトンネルのところでこっちを振り返ったときに、すごくいいたたずまいで。彼は意識的ではないと思うけど、僕自身、せりふが出ないぐらいグッときました。言語化できないものでつながることがあると感じた瞬間でした。
成田さんとは何作か一緒にやってきましたが、今回のようにがっつりやったのは初めてでした。彼は、ずば抜けてピュアで、彼が座長を務めるこの映画を信頼することができたし、彼に付いていこうと思いました。高良さんとは飲み屋でたまに会ったりしていたので、お互いの存在は知っていましたが、今回が初共演でした。僕らの世代のカリスマみたいな人なので、最初は単純に「うわ、高良健吾だ。カッコいいな」と思いましたね(笑)。実際は、今回の現場で一番話しやすい人でした。現場をとても冷静な目で見ているので、変なブレ方もしない。先輩として尊敬、信頼のできる人だと思いました。
全くなかったです。そこは、ずば抜けて大人のハマケン(浜野謙太)さんや目次(立樹)さんが、僕らに合わせてくれていたからだという気がします。
皆さん1週間ぐらいやったとおっしゃるんですけど、僕には“入念な”リハーサルをした記憶はないんです。あれは入念だったのかなあ (笑)。僕がダラダラしていただけかもしれませんが(笑)。
もちろん、間合いの取り方や、余白の部分を埋めたり、作ったりしたところはありましたが、台本に書いてあることがほとんどで、アドリブはほぼありません。ただ、リハーサルの時間が、シーンの構築に吉と出たかどうかは分かりませんが、あの時間でみんなと仲良くなれたのは確かです。実は芝居をやるのはおまけで、その後で、皆で一緒に飯を食いに行ったり、その時間を皆で共有するということが、そういう効果を生んだのだと思います。だから、リハーサルをした記憶ではなく、ずっと一緒に飯を食っていた記憶しかありません(笑)。
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