【インタビュー】舞台「魔界転生」小池徹平「僕ならではの天草四郎に仕上がりました」

2021年5月1日 / 08:00

 舞台「魔界転生」が5月4日から上演される。本作は、1967年に単行本化された、山田風太郎の『おぼろ忍法帖』が原作。2018年に上川隆也が、魔界からよみがえった剣豪たちとの闘いに挑む柳生十兵衛を演じて大ヒットを記録した。再演となる本作では、初演に続き堤幸彦が演出を担当、上川が柳生十兵衛役を続投するほか、小池徹平、藤原紀香ら、初参加組も交えて新たな「魔界転生」が上演される。今回は、柳生十兵衛と対峙(たいじ)する最大の強敵・天草四郎役の小池徹平に、本作の見どころや、稽古場でのエピソードを聞いた。

天草四郎役の小池徹平

-本作への出演が決まったときの気持ちを聞かせてください。

 演出の堤(幸彦)さんとご一緒したことがなかった中でのオファーだったこともあり、素直にうれしかったです。普段はミュージカルに出演させていただくことが多く、ストレートプレーの作品は今回で2本目。なので、お話を頂いたときには「やらせてください!」と即答でした。

-堤さんは映像作品も数多く手掛けていますが、舞台では初対面になりますね。

 「金田一少年の事件簿」をはじめ、堤さんの映像作品を見ていたので、堤さんの作品とともに育ったといっても過言ではないんです。なので、そんな方とご一緒できるなんてありがたいですし、舞台での活動を見てオファーしてくださったと聞いて、大好きな舞台で共演できる喜びでいっぱいになりました。

-18年の初公演は観劇しましたか。

 もちろんです。映像資料を頂いて見たのですが、プロジェクションマッピングを使った映像の迫力やフライングなど、派手な演出にも目を奪われました。今回は新型コロナウイルスの影響で、そういった演出を行うのは難しいと思うのですが、たくさんの人が一度に舞台に出てくる場面もあって、その勢いにただただ圧倒されました。

-3月23日に行われた制作発表記者発表で、初めて明治座に立ったとのことですが、感想を教えてください。

 東京で最も長い歴史を持つ劇場ということで、その歴史をひしひしと肌で感じる時間になりました。「この舞台で、歴代のたくさんの役者が公演をしてきたのか」と感慨深かったですし、新しい劇場に立つという面での高揚感もありました。5月の明治座での公演に向けて、程よい緊張感も得られた気がしています。

-これまで、WaTなどで音楽や映像分野で活動をしてきた印象があります。初舞台「シダの群れ」(12)は最近ですが、そもそも舞台に出演しようと思ったきっかけはあったのですか。

 もともと、ウエンツ瑛士とWaTで活動をしていたときに、前半1時間を芝居、後半はライブをするという「アクトライブ」をやっていたのですが、その当時から舞台には興味を持っていました。演出家の藤森一朗さんが主催しているAir studioで、ワークショップを含めてお芝居の勉強をさせてもらっていたので、舞台での活動に憧れていたんです。なので、特別なきっかけがあったわけではなく、初舞台のときは「やっと夢がかなった!」という気持ちでした。

-小池さんが感じている映像と舞台の違い、そして舞台ならではの魅力を教えてください。

 映像はせりふのインプットとアウトプットが早く、撮り終わったら新しいシーンへ進んでいきますが、舞台は、一つの台本を読み込んで、稽古を通して練り込んでいくところが魅力だと思います。かめばかむほど味が出ると言ったらいいのでしょうか。稽古期間を通して役や座組みととことん向き合えるところも好きです。

-主演の上川さんとは初共演とのことですが、上川さんの印象は?

 上川さんは遊び心がある方で、いつも稽古場を盛り上げてくれています。私語も厳禁で、食事もできない中でもこんなに楽しいんだから、そうじゃなかったらもっとすごいんだろうなと思います。エンターテイナーで、気配り上手な上川さんにいつも助けられています。

 
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