【インタビュー】「連続ドラマW トッカイ ~不良債権特別回収部~」広末涼子「正義感と現実のはざまとで、葛藤しながら闘う群像劇には誰もがグッとくるはず」

2021年1月18日 / 09:48

 バブル経済崩壊後の1996 年、経営破綻した住宅金融専門会社(住専)の不良債権回収を目的に設立された国策会社「住宅金融債権管理機構」。その中でも、特に悪質な債務者への取り立てを担当したのが、不良債権特別回収部、通称“トッカイ”だ。1月17日からWOWOWで放送が開始された開局30周年記念「連続ドラマW トッカイ ~不良債権特別回収部~」(全12話)は、清武英利のノンフィクション『トッカイ不良債権特別回収部』を原作に、逆境に立ち向かうトッカイ職員たちの闘いを描く物語。本作で、トッカイのメンバー、多村玲を演じる広末涼子が、一筋縄ではいかなかった役作りの裏話や撮影の舞台裏を語ってくれた。

多村玲を演じる広末涼子

-バブル崩壊後の90年代を舞台にした物語ですが、どんな印象を?

 以前、『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』(06)というバブル期を舞台にした映画に出演したのですが、バブルの時期については、「道端でお札を振って、タクシーを捕まえる」みたいなイメージはありました。この作品に入る前に、当時の「トッカイ」を取材したドキュメンタリーを拝見しました。バブル崩壊後、こんなふうに市民に寄り添って不良債権回収のために闘っていたという事実を初めて知りました。

-確かに、あまり知られていない出来事ですね。

 トッカイのチームも、銀行員であったり、“奪り駒(とりごま)”と呼ばれる破綻した元住専の社員たちの集まりです。そういう人たちが、正義感と現実のはざまとで葛藤しながら闘う群像劇なので、誰もがグッとくるものがあるんじゃないかな…と。

-本作は金融関係の専門用語も多く、演じる上では難しさもあったと思いますが…。

 専門用語も多いし、なじみのない時代背景だったので、最初は不安がありました。せりふも今まで口にしたことのない言葉ばかりなので…、いくら完璧に覚えても、ちょっと緊張すると、自分の理想とは違う音になってしまったり、リズムが変わってしまったり…。そんなことは今まであまりなかったので、クランクインして数日間は、すごく不安で悔しくて、夜も気になって目が覚めてしまったぐらいでした(笑)。今までは、台本も割とすぐに覚えられましたし、最初に台本を読んだ感覚を大事にして演じたいタイプなので、あえて何度も読まないようにしていました。だけど、この作品はそれでは無理でした(笑)。だから今回は、家庭と仕事をひっくるめて、生活のプランを見直すことにしました。

-というと?

 今までは、仕事を家に持ち込まないようにしていたんです。でも今回は、2、3日は反復して体に入れておかないと、せりふが自分の言葉として出てこなくて…料理しながらや、ゲームをしている子どもたちの後ろで練習していました。金融業界のど真ん中で闘っている人たちの話なので、こっちも本気で取り組まないと駄目だと改めて思いました。でも、そうやってブツブツ言っていたら「ママが一人でしゃべっている。どうしたの?」と子どもたちに変な顔で見られました(笑)。

-今までとは違ったご苦労があったわけですね。

 ただ、これから年齢とともに演じられる役の幅を広げていくという意味では、すごくいい経験をさせていただけたと思っています。

-そんな意気込みで演じる多村玲という役を、どんなふうに捉えていますか。

 トッカイに来る前、転職先を探していた玲が、上司から「永久就職すればいいじゃないか」と言われる場面があります。今だったらパワハラやセクハラで問題になりそうなことが、当たり前で通っていた時代です。そんな時代に、男性に混じって働く女性を演じる責任の大切さはひしひしと感じています。そういう意味では、意志の強さや聡明さ、男性に負けない芯の強さは持っていきたいと思いました。

-その一方で、玲が同僚の葉山将人(中山優馬)と牛丼屋で何度か遭遇するシーンは、職場とは違った肩の力を抜ける雰囲気がありますね。

 全体的に緊張感のある作品なので、若松(節朗)監督が一息つけるシーンを作りたかったんでしょうね。中山さんは、実年齢よりかなり上の役を演じていました。終盤、東坊(平蔵/橋爪功)さんとのすごくいいシーンがあるんです。「私がやりたい!」と思ったぐらい(笑)。大変だったと思いますが、気持ちでぶつかっているのが印象的でした。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

LiLiCo「ドキュメンタリーは本気なんです」「TBSドキュメンタリー映画祭2026」【インタビュー】

映画2026年3月12日

 歴史的事件から、今起きている社会の動き、市井の人々の日常、注目のカルチャーまで、TBSテレビおよびJNN系列局の記者・ディレクターたちが、世に送り出してきたドキュメンタリーを集めた「TBSドキュメンタリー映画祭2026」が、3月13日から … 続きを読む

【インタビュー】「ルーツを大切にする心を知って」、台湾原住民シンガーのサウヤーリさんが大阪でパフォーマンス

音楽2026年3月11日

 台湾のグラミー賞「金曲奨」をはじめ台湾国内の主要3音楽賞を受賞したアルバム『VAIVAIK 尋走』。いま、アジアの音楽シーンで注目を集めるアーティストの一人が、台湾原住民族・パイワン族のシンガー、サウヤーリさんだ。沖縄と台湾を一つの海域と … 続きを読む

「再会」“万季子”井上真央の過酷な過去が判明 「ラストの4人の友情と愛情に泣いた」「真犯人はあの人」

ドラマ2026年3月11日

 竹内涼真が主演するドラマ「再会~Silent Truth~」(テレビ朝日系)の第8話が、10日に放送された。(※以下、ネタバレを含みます)  本作は、横関大氏の推理小説『再会』をドラマ化。刑事・飛奈淳一(竹内)が、殺人事件の容疑者となった … 続きを読む

「未来のムスコ」「将生(塩野瑛久)が本命ルートを突っ走っている。まー先生(小瀧望)は出走が遅い気が…」「颯太くん(天野優)、めっちゃ演技が上手で感心した」

ドラマ2026年3月11日

 火曜ドラマ「未来のムスコ」の(TBS系)の第8話が、10日に放送された。  本作は、夢も仕事も崖っぷちのアラサー女性・汐川未来(志田未来)のもとに、“未来のムスコ”だと名乗る颯太(天野優)が現れたことから始まる、時を超えたラブストーリー。 … 続きを読む

「夫に間違いありません」“聖子”松下奈緒の身体の異変に衝撃 「展開が新し過ぎる」「誰の子と言うのだろう」

ドラマ2026年3月10日

 松下奈緒が主演するドラマ「夫に間違いありません」(カンテレ・フジテレビ系)の第10話が、9日に放送された。(※以下、ネタバレを含みます)  本作は、主人公・朝比聖子(松下)が夫の遺体を誤認し、保険金を受け取った後に、死んだはずの夫が帰還す … 続きを読む

Willfriends

page top