【インタビュー】『バック・トゥ・ザ・フューチャー』宮川一朗太 アメリカ人から「何でマイケル・J・フォックスが日本語をしゃべっているんだ」と言われたことが心の支えに

2020年10月12日 / 06:06

-では、ご自身の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』への思いは?

 僕は、前半に伏線をちりばめておいて、それを後半で見事に回収していくというタイプの作品が大好きなのですが、これはその究極の作品だと思います。しかも、SFであり、冒険活劇であり、ラブストーリーであり、コメディーであり、ヒューマンドラマでもある。ぜいたくな幕の内弁当みたいです。それで、なぜ日本人がこんなにこの映画のことが好きなのかと考えたら、最近分かりました。この映画は、ちりばめられた伏線が、最後に一気に“倍返し”で解決するんです。つまり、最後に全部がつながるあの爽快感は「半沢直樹」によく似ていると思いました。落語のように、最後にちゃんと「なるほど」という落ちが付く、というパターンが日本人は好きですから。それに、この映画を何度も見ると、最初は気が付かなかった小ネタに気が付いたりもします。

-最後に、宮川さんにとってマイケル・J・フォックスとは、どういう存在ですか。

 僕は今54歳ですが、二十歳過ぎから、人生の半分以上、マイケルを演じているわけです。ですから、半ばもう同一人物のような(笑)…。前世では兄弟だったんじゃないかと思うぐらい、本当にもう他人とは思えないんです。これはよく話すエピソードなのですが、あるドラマでご一緒した俳優さんのアメリカ人の友だちが、日本に来たときに、たまたま「ファミリータイズ」を見て、「何でマイケル・J・フォックスが日本語をしゃべっているんだ」と言ってくれたそうです。その言葉は僕の心の支えになりました。今は、とにかく、マイケルの復帰を心から願っています。彼が復活してくれないと、僕も彼の新作の吹き替えができないので…。1日も早く復帰して、また僕に演じさせてくださいとお願いしたいです。

(取材・文・写真/田中雄二)

(c)2020 Universal Studios. All Rights Reserved.

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

堤真一、三宅唱監督「実はこういうことも奇跡なんじゃないのということを感じさせてくれる映画だと思います」『旅と日々』【インタビュー】

映画2025年11月6日

-シム・ウンギョンさんを演出してみていかがでしたか。 三宅 よくバスター・キートンの映画の話をしていたので、ある種の軽やかさをお持ちなんだなと思いました。それはウケを狙うということではなくて、徹底的に真剣なんですけど、それが重くなるのではな … 続きを読む

【映画コラム】俳優同士の演技合戦が見ものの3作『爆弾』『盤上の向日葵』『てっぺんの向こうにあなたがいる』

映画2025年11月1日

『盤上の向日葵』(10月31日公開)  信州の山中で身元不明の白骨死体が発見される。現場には、この世に7組しか現存しない希少な将棋駒が残されていた。駒の持ち主は、将棋界にすい星のごとく現れた天才棋士・上条桂介(坂口健太郎)であることが判明。 … 続きを読む

福本莉⼦「図書館で勉強を教え合うシーンが好き」 なにわ男⼦・⾼橋恭平「僕もあざとかわいいことをしてみたかった」 WOWOW連ドラ「ストロボ・エッジ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

 福本莉⼦と⾼橋恭平(なにわ男⼦)がW主演するドラマW-30「ストロボ・エッジ  Season1」が31日午後11時から、WOWOWで放送・配信がスタートする。本作は、咲坂伊緒氏の⼤ヒット⻘春恋愛漫画を初の連続ドラマ化。主人公の2人を軸に、 … 続きを読む

吉沢亮「英語のせりふに苦戦中です(笑)」主人公夫婦と関係を深める英語教師・錦織友一役で出演 連続テレビ小説「ばけばけ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

-本作では主演の髙石さんの持ち味が存分に発揮されている印象ですが、共演の感想はいかがですか。  高石さんは、せりふなのか、素で笑っているのか、最初の頃はわからなかったくらい、お芝居が自然でなじんでいる感じがあります。それくらい、ご本人が面白 … 続きを読む

阿部サダヲ&松たか子、「本気でののしり合って、バトルをしないといけない」離婚調停中の夫婦役で再び共演 大パルコ人⑤オカタイロックオペラ「雨の傍聴席、おんなは裸足・・・」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年10月31日

-今回演じるそれぞれの役柄については、今はどのように捉えていますか? 阿部 ミュージカル俳優という役柄です。離婚したいと言っていますが、ずっと裁判をしているので本当は嫌いじゃないんでしょうね。最後は優しくなるんですよ。 松 そんなところまで … 続きを読む

Willfriends

page top