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魔法が忘れられてしまった世界を舞台に、亡くなった父親にもう一度会いたいと願う兄弟が、魔法によって半分だけ復活した父を完全によみがえらせるために奮闘する姿を描く、ディズニー・ピクサーアニメの最新作『2分の1の魔法』が8月21日から公開される。ダン・スキャンロン監督とプロデューサーのコーリー・レイに話を聞いた。
スキャンロン そうです。この映画は間違いなく、パイプラインの中のオリジナル映画の1本です。この後にもたくさんの映画が公開されます。とてもユニークで、オリジナリティーにあふれた映画を作るピクサーにとって、今はとてもエキサイティングな時。僕らはとても興奮しています。
スキャンロン 死について描いた映画は、同時に生についても語っていると思います。それらは、誰かの人生を祝福すること、人生にはどんな目的があるのかという疑問や、生きている間に人は人の心にどのように触れるのか、といったことを描いています。ですから、見る人に、とても美しい影響を与える作品に成り得ると思います。そして、なぜピクサーがこういうテーマに引かれるのかという理由は、僕らがいつも、映画を通して大きな課題を掘り下げたいと思っているからです。生と死は間違いなく大きな課題で、多くのことを含んでいますし、それは普遍的な課題だと思います。
レイ 私たちには、魔法が存在する世界を作り出す必要があったので、ファンタジーの世界を舞台にしようと決めました。そうなると、それに合うキャラクターを考えなければなりません。また、現代の世界や設定に、みんなが知っているファンタジーの要素にあふれたキャラクターを入れ込むのは、とても楽しいだろうとも思いました。そこでエルフを思い付きました。彼らは、先のとがった耳をしているけれど、人間のようにも見えます。エルフなら感情表現ができて、観客の共感を呼ぶこともできると思いました。
スキャンロン 「オンワード」は、あなたがおっしゃるように「前進する」ということです。この映画は、人生の悲劇から立ち直って、前進することを描いています。大人になることについて描いた映画なのです。それから、僕は「オンワード」という言葉自体が好きです。それは、アドベンチャーやジャーニーのような意味にも取れるからです。この映画は、間違いなく冒険映画です。また、発見についての映画でもあります。だからタイトルの「オンワード」には、前進し、大人になり、成長する、というポジティブなアイデアが詰まっています。
それから、「ライトフット」には何の意味もありません(笑)。ただ、ファンタジーの名前みたいに聞こえるからそうした、というだけです。その理由として「実は深い考えがあって…」と言えたらいいのですが、本当にありません。何か意味のある、違う名前にしようかとも思いましたが、その時点では、すでに僕らは「ライトフット」という名前が気に入っていたので、そのままにしました。
スキャンロン デザインやアニメーションのスタイルに関しては、アニメーターたちが作業をしながら楽しいと感じるものにしたいと思いました。例えば、超リアリスティックであったり、解剖学的であったり、自然主義的であったり…というようななものではなく、ユニークなものにしたかったのです。そして作品全体やデザインに、ユーモアが感じられるものにしたかった。それは僕らにとってとても重要なことでした。
この映画は、とても感動的だけど、コメディーの要素もたくさん詰まっています。そして、「人生はコメディーだ」という言葉のように、この映画を、楽しくておかしなものにしたかったのです。また、これまでは、コメディー的な要素のあるファンタジー映画はあまりありませんでしたし、多くのファンタジー映画に登場したケンタウロスやユニコーンのようなクリーチャーを見ると、彼らはとてもシリアスに、とても優雅に美しく描かれています。なので、この映画では あえてそうした要素を入れずに、もっと自由に楽しみたいと思ったのです。
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