【インタビュー】ミュージカル「フラッシュダンス」愛希れいか&廣瀬友祐「劇場で特別な時間を」

2020年8月10日 / 09:37

 日本初演となるミュージカル「フラッシュダンス」が、9月12日から開幕する。本作は、1983年に公開され、世界中で大ヒットを記録した青春映画『フラッシュダンス』を舞台化した作品。生演奏による「ホワット・ア・フィーリング」「マニアック」などのヒットソングに乗せて、主人公アレックスの夢と友情、そして恋の物語を描く。アレックス・オーウェンズ役の愛希れいかと、ニック・ハーレイ役の廣瀬友祐に公演への思いを聞いた。

ニック・ハーレイ役の廣瀬友祐(左)とアレックス・オーウェンズ役の愛希れいか(ヘアメイク:杉野智(NICOLASHKA)/スタイリスト:山本隆司)

 -まずは、出演が決まったときの気持ちを聞かせてください。

廣瀬 僕が必要とされて、仕事を頂けることは、この仕事をしていて幸せを感じる瞬間の一つでもあるので、とにかくうれしかったです。

愛希 私は出演が決まる前にミュージカルを見ていたので、ご縁を感じましたし、うれしかったです。もともと、ダンスを踊るのは大好きなのですが、宝塚を退団してからは、なかなか踊る機会がなかったので、今回、踊れるということに喜びを感じました。

-ダンスはこの作品の大きな見どころですよね。

愛希 私もそう思います。私自身、ミュージカルを見たときに、ダンスをしているシーンが一番印象深かったですし、それぐらいずっと踊っていたイメージがあります。ダンサーの方たちも激しいダンスが続いていて…なので、正直なところ、大丈夫かなという気持ちもあります(苦笑)。

-廣瀬さんはダンスはないのでしょうか。

廣瀬 ないことを願っています(笑)。僕はダンスに苦手意識が強い人間なので。ただ、これまでのたまっていた思いを発散するには、この作品でバーン! とエネルギーをぶつけたダンスができれば最高に気持ちいいんだろうなとは思います。ブロードウェーミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season2に出演させてもらってから、ダンスに対する認識が、僕の中でも変わってはきてはいます。そのときに、ダンスを踊る楽しさを少しだけ感じることができたので、もし、ダンスをするシーンがあるのであれば、ほかの人の何倍も努力して、本番では楽しみながらステージに立てるように頑張りたいとは思っています。

-お二人は、ミュージカル「ファントム」以来、2度目の共演になりますが、お互いの印象は?

廣瀬 僕は初めての方と話すのが苦手で…。今までたくさんの宝塚出身のトップスターの方たちと共演させていただきましたが、愛希さんは以前から共通の知り合いがいたということもあって、初めての感じがしなかったんです。それで余計に話しやすかったのかもしれません。一度共演させていただいて、彼女の表現者としてのセンスにすごく魅力を感じていますし、今回、また共演できるのはとても光栄です。

愛希 私は、廣瀬さんはすごくお芝居が好きなんだな、というのが印象的でした。悩みを相談させていただくことも多かったのですが、廣瀬さんのアドバイスで道が開けたことが何回もありました。こういう形でまたご一緒できるのはすごくうれしいです。

廣瀬 本気で言ってる?

愛希 本気で言っていますよ!(笑)。廣瀬さんは、とてもユーモアがあって楽しい方ですし、同じ作品を一緒に作り上げることができるのは本当に光栄です。

-今現在、それぞれの役柄をどのように捉えていて、どう演じたいと考えていますか。

廣瀬 映画を見て、この作品は、アレックスが人と出会って、夢に向かって走っていくさまが魅力的で、そこに音楽とダンスというものがあると感じたのですが、じゃあ、ニックは? と考えるとすごく難しいなと感じました。これから愛希さんの演じるアレックスとコミュニケーションを取っていく中で、ニックがどんな人物になるか、作っていこうと思っています。

愛希 アレックスは、自分のやりたいことははっきりとしているけれども、不安があって、まだ自分が確立できていないという印象があります。ニックに対しても、感じたままのことを言ってしまうのですが、それも若さ故のかわいさだと思います。気が強く、意見をはっきり主張する子ではあるんですが、親友や恩師であるハンナに対しては思いやりがあって素直な部分も持っています。そういったところを大切にして、演じる上でもヒントにしていきたいと思っています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

岸井ゆきの「夫婦の“切実さ”が描かれている」宮沢氷魚「すごくやりがいがありました」すれ違っていく夫婦役で初共演『佐藤さんと佐藤さん』【インタビュー】

映画2025年11月28日

 大学で出会った佐藤サチと佐藤タモツはたちまち意気投合し、一緒に暮らし始める。ところが卒業後、弁護⼠を⽬指すタモツは司法試験に失敗。独学を続けるタモツに寄り添うため、サチも司法試験に挑むが、数年後、合格したのはサチだった。結婚、出産を経て弁 … 続きを読む

28歳で亡くなった阪神タイガースの元選手の実話を映画化! 松谷鷹也「横田慎太郎さんのことを知っていただきたい」前田拳太郎「誰かの背中を押す作品になるはず」『栄光のバックホーム』【インタビュー】

映画2025年11月28日

 プロ野球、阪神タイガースの将来を担う選手として期待されながらも、21歳で脳腫瘍を発症して引退、その後も病気と闘いながら講演会活動などを続け、2023年に28歳で亡くなった横田慎太郎の生きざまを描いた『栄光のバックホーム』が、11月28日か … 続きを読む

吉高由里子「忘れかけていたことをいきなり思い出させてくれる」 念願の蓬莱竜太と初タッグ パルコ・プロデュース2025「シャイニングな女たち」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月28日

 吉高由里子が2022年の「クランク・イン!」以来、3年ぶりに舞台主演を果たす。吉高が挑むのは、日常に潜む人間の葛藤や矛盾を丁寧にすくい取り、鋭い視点の中にユーモアを織り交ぜる作風で共感を呼んできた蓬莱竜太が描く新作舞台、パルコ・プロデュー … 続きを読む

【映画コラム】新旧監督の話題作が並んで公開に『TOKYOタクシー』『金髪』

映画2025年11月22日

『TOKYOタクシー』(11月21日公開)  タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を東京の柴又から神奈川県の葉山にある高齢者施設まで乗せることになった。  すみれの「東京の見納めに、いくつか寄ってみたい … 続きを読む

中川晃教「憧れることが原動力」 ミュージカル「サムシング・ロッテン!」で7年ぶりにニック役に挑戦【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月22日

 数々のミュージカル作品へのオマージュが登場するコメディーミュージカル「サムシング・ロッテン!」が12月19日から上演される。2015年にブロードウェイで初演された本作は、「コーラスライン」、「アニー」、「レ・ミゼラブル」などの人気ミュージ … 続きを読む

Willfriends

page top