【インタビュー】舞台 未来座 祭(SAI)「夢追う子」松本幸四郎×尾上紫「人間が持っているエネルギーを発して届けたい」

2020年4月27日 / 05:30

-では踊り手ではなく個人としての互いの印象はいかがですか。

幸四郎 思っている以上に天然じゃないかな。その天然さは僕だけで楽しみたいところでもあり、誰とも共有したくないところです(笑)。

 天然って今言われましたけど、天然って、幸四郎さんご自身のことではないかと(笑)。幸四郎さんは物静かなのに、突然「フフッ」と笑ったりするので、何を考えているんだろうなと。本当に不思議過ぎて、この人を分かろうとしても仕方がないなって思い始めたぐらいから一緒に舞台に出る機会が増えて、幸四郎さんが話すとき「次はこうくるだろうな」って少しは分かってきました。でも、いまだにつかみどころがないので、一度頭の中をのぞいてみたいですし、この人を攻略して驚かせてみたいです。

幸四郎 紫さんってしっかりしているように見えますけど、携帯電話の画面、バキバキに割れていますから! そのバキバキ状態で使い続けているんですよ。使い続けていることはさておいても、画面を割りそうな人には見えないでしょ?

 でも幸四郎さんもバキバキでしたよね?

幸四郎 実はそうなんです(笑)。

-お互い、似た者同士ということでよろしいでしょうか(笑)。さて、公演まで約1年ありますが、その間に準備しておきたいことはありますか。

幸四郎 これまで積み重ねてきたものを一度真っ白にしようと思っています。それからまた踊りに向き合いたいなと。この作品はストーリーを見せるだけではなく、人間が持っているエネルギーや圧がどれだけあるか、それは1であったり、47であったりしますが、そのエネルギーを発して届ける舞台になるよう、務めてまいりたいと思います。

(取材・文・撮影=こむらさき)

 *2020年の第4回日本舞踊未来座 祭(SAI)「夢追う子」は、新型コロナウイルス感染拡大防止の対応について協議を重ねた結果、当初の公演日程より延期が決定した。第4回日本舞踊未来座 祭(SAI)「夢追う子」は、2021年6月4日~6日、都内・に国立劇場小劇場で上演。出演者・チケット情報等は公式サイトで順次お知らせ。 公式サイト http://nihonbuyou.or.jp/

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