【インタビュー】ドラマ「そして、ユリコは一人になった」玉城ティナ「未来は想像できないから面白い!」

2020年3月3日 / 12:00

 水原希子、ローラ、佐久間由衣など、数々の人気女優やタレントを輩出している女性ファッション誌『ViVi』。昨年、7年間務めた同誌の専属モデルを卒業し、現在は女優業をメインに活動している玉城ティナは、見えない未来に胸躍らせている。そんな彼女が将来の展望や、初めて挑んだミステリードラマの現場での様子などを語ってくれた。

玉城ティナ(スタイリスト:丸山佑香 (まきうらオフィス)/ヘア&メイク:今井貴子)

 「このミステリーがすごい!」大賞の関連作品から5タイトルをドラマ化した「このミス」大賞ドラマシリーズ。第5弾の『そして、ユリコは一人になった』(貴戸湊太:著)は、学園で語り継がれる、不思議な力によって、逆らう者を不幸にする「ユリコ様」の伝説に巻き込まれた親友の矢坂百合子(岡本夏美)を救うため、天才女子高生・嶋倉美月(玉城)が連続死の真相と伝説の謎に挑む物語。

 映画『惡の華』での主人公の男の子を支配する女子中学生役、『地獄少女』での地獄の復讐(ふくしゅう)執行人役など、ミステリアスなキャラクターを演じることが多い玉城故に、今回も不思議な力を持つユリコ様役を演じるかと思いきや、美月役。玉城も「主演というお話でしたので、一瞬、タイトルにもあるユリコ様役かな?と勘違いしました」とオファー時を思い返してはにかんだ。

 「撮影が始まった頃、貴戸さんから『美月を玉城さんに演じてもらえてうれしいです』という言葉を頂いたので、想像以上のものをお見せしたいと頑張りました」と気合を入れて臨んだことを告白した。そして、「ドラマのラストは原作とは違いますが、原作の面白さは引き継がれていると思います」とアピールした。

 美月については、「一番周りが見えていて、感情の起伏が表に出ない冷静な女の子」と解釈し、「感情的になることがある百合子の気持ちに引っ張られないように淡々といることを心掛けました」と撮影時を回顧する。

 “まばたき”もポイントで、「最初は狙ってはいなかったけど、下山(天)監督から『全然まばたきしていないね』と言われてからは、まばたきをしないキャラクターでいこうと決めました。自分の気持ちを表情に出さないことに加えて、まばたきをしないことで軸がぶれない感じや、百合子と対照的なコンビネーションを出せるんじゃないかなと思いました」と役へのアプローチを語った。

 下山監督は、「一日一回、美月のアップを撮らないと終われない」というほど、目線一つに意味を持つ美月の表情に魅了されたようで、玉城はクランクアップ後、下山監督から「言うことなしです!」と演技を褒めてもらえたことも、うれしそうに打ち明けた。

 現場の雰囲気は、同年代の役者が多いことから和気あいあいとしていたそうで、「シリアスな場面や、血を流したり、泣き叫んだりするシーンでも、みんなでやってやろう!という体育会系のノリで、勢いが落ちることはありませんでした」と振り返る。

 また、キャラクターの関係性を、「美月が百合子を引っ張って支えている」と説明していたが、実際は「岡本夏美さんの方がしっかり者で、私の方がボーっとしているから、たまに役との逆転現象が起きていました」と意外なエピソードも教えてくれた。

 2019年2月号のViViで専属モデルとして最後の表紙を飾った玉城は同年、4本の映画に出演するなど大活躍。しかし、その心境は「現実味がなく他人事のようです。ものすごく近くて遠いところに、もう一人の自分がいる感じ」。そんなふうに思う要因の一つに、「考えるより感覚で物事を決めるタイプ」から、「考えることも一つの感覚だと思うようになり、よく考え、客観的に物事を見つめられるようになった」という自身の変化もあるようだ。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

板垣李光人「最初から、戦争を考えて見るのではなく、実際に見て感じたことを広めていっていただければ、それが一番うれしいです」『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』【インタビュー】

映画2025年12月5日

 戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティーで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した武田一義の戦争漫画をアニメーション映画化した『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が12月5日から全国公開された。太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリ … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(8)百年ぶりの復活へ 四代目が掲げた三つの大願

舞台・ミュージカル2025年12月4日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。    2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

森下佳子「写楽複数人説は、最初から決めていました」脚本家が明かす制作秘話【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む

富田望生「とにかく第一に愛を忘れないこと」 村上春樹の人気小説が世界初の舞台化【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月30日

 今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む

Willfriends

page top