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3月6日(金)から全国ロードショーとなる『ジュディ 虹の彼方に』は、名作『オズの魔法使』(39)で知られる往年のハリウッドスター、ジュディ・ガーランドの晩年にスポットを当てた伝記ドラマだ。47歳の若さで亡くなる半年前、1968年冬に行われたロンドン公演の裏に秘められた彼女の葛藤と苦悩を明らかにする。主人公ジュディに扮(ふん)したのは、『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズで知られるレニー・ゼルウィガー。ステージでの歌唱シーンを含め、まるでジュディに生き写しのような入魂の演技は絶賛を浴び、アカデミー賞主演女優賞を受賞するなど、主要な映画賞を独占した。映画の公開を前に、作品に込めた思い、撮影の舞台裏を聞いた。
ジュディがどれほど重要な存在だったのか。私たちはそのことを改めてたたえるため、彼女へのプライベートなラブレターを書くつもりで、クリエーティブな体験を通して、イギリスでこの映画を作りました。それを多くの方が温かく受け止めてくれたことで、彼女の残したものが認められ、彼女が持っていた希望や美しさを、皆さんと共有することができた。そのことに強く心を動かされたのです。
この作品は、テルライド映画祭でのワールドプレミアから、観客の皆さんがとても温かく受け止めてくれました。私がアカデミー賞を受賞することができたのは、そんなふうにジュディの物語に心を動かされた皆さんの声が後押しになったからだと思っています。だから、授賞式でステージに上がったときは、思わず涙が出そうになりました。ここに立つのは本来、ジュディであるべきなのに、私が立っている…と。とはいえ、この作品を皆さんが気に入ってくれたのは、ジュディに対する愛故だと思いますし、私たちも彼女を祝福しようと思って作った作品なので、受賞はとてもうれしかったです。
これは彼女がどうやってスターになったかを描く映画でも、彼女の人生を描いた映画でもありません。スターとは違う、ジュディという一人の人間の葛藤についての物語です。人々が抱くパブリックなイメージの裏で、彼女がどんな状況に置かれていたのか。それを描いた、小さいけれど、とても豊かで大きな物語です。とはいえ、回想シーンも盛り込み、彼女が周囲の人々の選択によって、なぜそういう状況に追い込まれていったのかがきちんと分かるようになっています。
彼女が、どんなふうに自分を表現したのかを徹底的に研究して、習慣化してしまいました。そのためには、彼女がどんなふうに会話をしたのか、パフォーマンスのときに、どの言語を使ったのかなど、考えることはいろいろあります。それらについて、監督や周りの人と話をしたり、YouTubeで映像を見たり…。さらに、いろいろな本に、彼女のちょっとした振る舞いについても書かれていました。悲しいときやうれしいとき、元気なとき、ちょっと酔っ払っているとき、神経質になっているとき、心が乱れているとき、それぞれどんな様子だったのか。そういうものを基に、メンタルの地図のようなものを作るんです。それを自分の中に入れてしまえば習慣化されるので、いちいち考えなくても動くことができるようになるのです。
実は…、何も考えないようにしました(笑)。歌う場面はまとめて撮影しましたが、撮影のスケジュールだけ事前にチェックして、その日のことはひたすら考えないようにして(笑)。
準備自体は、2017年にプロデューサーのデビッド(・リビングストーン)と会った後、少しずつ始めました。でも、あんなふうに歌ったことはないので、全てが初めての経験です。だから、ボーカルコーチのレッスンを受けながら、誰にも聞かれないように、車の中でひたすら歌ったり…。そんなふうに少しずつ積み上げていき、「こんなふうに歌えば大丈夫かな」というところまで近づけていきました。ただ、撮影に入るとスケジュールが厳しくて、あれこれ考えている余裕はありませんでした。でも、逆にそれがよかったのです。考え過ぎずに済んだので。
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