【インタビュー】舞台「あずみ~戦国編~」今泉佑唯 過酷な使命を背負う女性剣士役で「ギャップ萌え」を狙う

2020年3月2日 / 15:27
 主演に今泉佑唯を迎え、舞台「あずみ~戦国編~」が3月14日から上演される。本作は、小山ゆうによる大人気漫画『あずみ』を原作に、2003年と05年に上戸彩主演で2度の映画化、さらに05年には黒木メイサ主演、16年には川栄李奈主演で舞台化された大人気作。今泉は「4代目あずみ」として、幼少から刺客として育てられ、戦国の世に翻弄(ほんろう)された女性剣士を演じる。現在、初めての殺陣の稽古に、日々挑んでいるという今泉に、本作の見どころや女優業への思いを聞いた。
 

今泉佑唯

-これまで、そうそうたる女優さんが演じてきた「あずみ」という役に決まったときの気持ちを教えてください。

 ずっと「あずみをやりたいです」と口に出していたのですが、まさかこんなにも早くかなうとは思っていなかったので、決まったときはすごく緊張しましたし、プレッシャーも感じました。
 

-出演が決まる前から、この作品について知っていたのですか。

 昨年、舞台「熱海殺人事件 LAST GENERATION 46」(以下、「熱海殺人事件」)に出演させていただいたのですが、その大阪公演が終わった後に、キャストやスタッフの皆さんと打ち上げをしたときに、(共演の)久保田創さんから「絶対にあずみをやった方がいい。合うと思う」と言っていただいたんです。それでいろいろと調べるようになって、いつかやりたいなって思っていました。
 

-過去作はご覧になりましたか。

 はい、川栄さんが主演されている舞台を映像で拝見しました。川栄さんは、本当に素晴らしくて、圧倒されてしまって、私でできるのかなって不安になっちゃいました(苦笑)。殺陣のシーンも多かったので、体力的にも大丈夫かなって。
 

-殺陣の手数もかなり多いですね。

 初めて殺陣をやるので、基本も分からないんです。なので、「これをやって」と言われても、それが何のことなのか分からなくて、毎回聞き返してしまうので、申し訳ないな、と。でも、逆に何もやったことがないからこそ、癖が何もついていないので、それは良かったのかもしれません。
 

-今泉さんにとって、本作は「熱海殺人事件」に次いで、2度目の舞台出演になります。「熱海殺人事件」で舞台に立ってみて、まず、どんなことを感じましたか。

 実は、お稽古のときはつらいと感じることばかりでした。もう絶対に舞台はやりたくないと思ったぐらいつらくて(笑)。でも、本番を迎えてからは毎日がすごく楽しくて、1日1日が過ぎていくのを寂しく感じるぐらいでした。なので、千秋楽を迎えたときに、「また絶対に舞台をやりたい」って思えたんです。今回、1年ぶりに舞台に出演できるのは、本当にうれしいです。
 

-稽古ではどんなことがつらかったんですか。

 作品の内容も難しかったですし、例えば『大きな声で』、『大きな動きで』と言われても、なぜそれが必要なのかも理解できていなかったんです。恥ずかしさもあって、なかなか自分の殻を破れなくて…。共演者の方たちは、皆さん、どんどん上に上がっていくのに、私はずっと同じところにいるというのを肌で感じてしまって、それがつらかった。私だけ本番に間に合わないって…。
 

-そんな思いを抱えていたけれども、舞台の上でお芝居をして、お客さんの反応を受けて楽しさに変わった?

 はい。ステージに立ったら、後ろのお客さんまで声を届けたい、後ろのお客さんにも見えるように伝えたいという思いが強くなって、恥ずかしさはなくなりました。共演者の方たちからも、演出の岡村(俊一)さんからも、「あの稽古はなんだったの?」と言われるぐらい変わりました(笑)。自分でもその変化は自覚できましたし、皆さんに褒めていただけて、お客さんにも喜んでもらえて、自信につながりました。
 

-そんな思いを経ての今回の作品では、稽古への向き合い方も変わったのでは?

 そうですね。前回は分からないことを『分からない』って言えなかったんです。言わずに自分の中で勝手に解決したり、自分の中に止めておいていて、そのせいで自分がつらくなってしまったので、今回は、分からないことははっきりと分からないと言うようにしています。
 

-今、あずみという役をどのように演じたいと思っていますか。

 あずみは、強い女の子ですが、その強さだけでなく、無邪気な一面や闘っていく上での苦悩も伝えていきたいです。今回の私のテーマは「ギャップ萌え」なんです(笑)。私は普段はのほほんとしているので、普段は見せていない一面もお見せしたいと思っています。
 

-では、女優として舞台に立つことにどんな魅力を感じていますか。

 お客さんの反応をリアルに感じることができるところが魅力です。面白いと思ったら声に出して笑ってくださるし、いいなと思えば泣いてくださる方もいる。それを私たちはダイレクトに感じることができるので、一緒に作っている感がありました。「熱海殺人事件」の時は(同作に出演した)味方(良介)さんや石田(明)さんが、お客さんの反応を見て、お芝居を突然変えたりもしていたんですが、本番で芝居が変わっていくのは楽しかったですし、新鮮でした。逆にトラブルがあってハラハラすることもあったりもしましたが、それも楽しかったです。
 

-ライブとは全く違う感覚があるのですか。

 ライブはハラハラするようなことはなかったです(笑)。それに、ライブではステージも高いですし、照明がまぶしくてお客さん全員の顔は、ちゃんと見えなかったんです。でも、舞台の場合には、お客さんとの距離が近いので後ろの方までよく見えます。お客さんの顔が見えることで、緊張感も出てきますし、逆に「いつもイベントに来てくださるあの方がいる」というのも見えるのでホッとすることもありました。
 

-女優としての目標は?

 いろいろな役を演じられる女優さんになりたいです。こういう役もやるんだと言ってもらえるような、振り幅の広い女優になりたいです。
 

-改めて作品の見どころを。

 殺陣ももちろん見どころですが、グッとくる場面がたくさんあり、何度見ても泣ける作品になっていると思います。何度も見ることで、また違った見方もできるので、何度も見たいと思ってもらえる作品を作れるように、これからの稽古も頑張っていきたいと思います。そして、今までお見せしたことがない今泉佑唯の新しい一面をお見せできると思うので、楽しみにしていただけたらと思います。
 
(取材・文・写真/嶋田真己)
 

舞台「あずみ~戦国編~」

 舞台「あずみ~戦国編~」は3月14日~29日、都内・Bunkamuraシアターコクーンほか大阪で上演。
公式サイト http://rup.co.jp/azumi_sengoku_2020.html
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

佐々木蔵之介「この映画を見た後で自分の気持ちがさまようようなところがあるので、誰かと一緒に見てほしいと思います」『名無し』【インタビュー】

映画2026年5月22日

 その男が右手で触れた瞬間、相手は消え、死が訪れる。世にも奇妙な凶器なき犯行と謎に包まれた動機とは…。俳優だけでなく、脚本家、映画監督としても活躍する佐藤二朗が、初めて漫画原作を手がけたサイコバイオレンスを、自らの主演・脚本、城定秀夫監督で … 続きを読む

宮野真守&神山智洋、初共演の二人が作り上げる、劇団☆新感線のドタバタ音楽活劇ミステリー 「多幸感にあふれた作品をお届けしたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年5月22日

 宮野真守と神山智洋(WEST.)が出演する、2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演 SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董音楽劇「アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~」が、6月12日から上演される。本作は、脚本に劇作家の福原 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第19回「過去からの刺客」慶の心を動かした小一郎の言葉【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年5月21日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=羽柴秀吉/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。5月17日に放送された第19回「過去か … 続きを読む

唐沢寿明「こんなにひどい男をやってよかったのかなという後悔はちょっとありました」『ミステリー・アリーナ』【インタビュー】

映画2026年5月21日

 推理力に覚えのある解答者たちが、国民的な人気を誇る推理ショーを舞台に、頭脳戦を繰り広げるさまを描いた深水黎一郎の同名小説を、堤幸彦監督が映画化した『ミステリー・アリーナ』が、5月22日から全国公開される。本作でクレージーな天才司会者・樺山 … 続きを読む

川島鈴遥、森田想「この映画は、ちょっと落ち込んだ時とかに見るといいかもしれません。きっと心が軽くなります」【インタビュー】『いろは』

映画2026年5月21日

 長崎で巻き起こる「ドロドロのダメ男巡り」と「ヒリつく姉妹の絆」を描いた青春ロードムービー『いろは』が5月22日から全国公開される。妹の伊呂波を演じた川島鈴遥と姉の花蓮を演じた森田想に話を聞いた。 -最初に脚本を読んだ時の印象から伺います。 … 続きを読む

page top