【インタビュー】映画『劇場版 おいしい給食 Final Battle』市原隼人「不器用な男の、給食に対する孤独なロマンの話です」

2020年3月2日 / 10:00

 給食マニアの教師と生徒による「どちらが給食をおいしく食べるか」という闘いを描いた学園グルメコメディー、『劇場版 おいしい給食 Final Battle』が3月6日から全国公開される。本作で、ドラマに続いて給食マニアの教師・甘利田幸男を演じた市原隼人に、映画の裏話や、給食の思い出などを聞いた。

市原隼人(Photo:TOMINAGA TOMOKO)

-最初に、この映画(ドラマ)のオファーがあったときは、どう思いましたか。

 この役をどのように捉えたらいいのか、どんな感じで演じたらいいのか…と、とても悩みました。例えば、眼鏡は掛けた方がいいのか、芝居は自然にやるのか、それともファンタジーも混ぜてオーバーにやった方がいいのかなど、結構悩みました。その結果、見せ方よりも在り方を大切にしていこうと考えました。

-それはスタッフと話し合ったりもしたのでしょうか。

 撮影の前日までいろいろと話し合ったりもしましたが、現場に何かを持ち寄ったというよりも、現場の雰囲気を見て、「ここまで振り切ってみようかな」とか、「ここはぎこちなくしてみようかな」などと対応していった感じです。基本的にはぎこちなくて不器用な男の、給食に対する孤独なロマンの話です。だから、給食が彼を救ったり、給食を通して生徒との絆が深まったり、学校や他の教師との距離も縮まったりという話が展開していく、本当に独特な、パラレルワールドのような世界が描かれていきます。

-見た目は堅物なのに、実は給食マニアという二面性がある役を演じた苦労は?

 甘利田は矛盾だらけの男です(笑)。自分でもせりふを言いながら、「この男は一体何なんだろう」と思いました。全ての概念を覆すような男ですが、それでいて人間くさいところもある。他の人はそこに吸い寄せられていくわけです。給食を愛し過ぎる姿が滑稽で笑えますが、無理に笑わせようという気持ちはありません。そこには悲劇もあるのですが、俯瞰( ふかん) で見ると喜劇になるという、そうしたことが作品に投影できていればいいなと思っています。

-実においしそうに給食を食べる姿が映りますが、何か工夫はしましたか。

 普段の食事を抑えて、体重が5キロぐらい落ちた状態にして、給食を喉に通す感覚がより鮮明になるように努めました。これほどまでにいろいろな人に見られながら食事をするのは初めてでした。それから、何となく当たり前のように食べてきた給食の献立の歴史などを僕が解説するので、多くのことが学べて、知識も増えてきたりして、楽しみながら演じることができました。こんなに食べる現場はもう二度とないだろうなと思います。カメラが回っているときだけ食べるというのは、僕にはできないので、それこそジャッキー・チェンのように、ひたすら真面目に食べました。自分でもその姿が好きです。

-給食の献立の歴史などを“心の声”で解説するシーンはいかがでしたか。

 こんなにしゃべったのは初めてなんじゃないかというぐらい、とにかくナレーションの分量がすごいんです。それで、どうナレーションをつけたらいいのかと考えましたが、普通に話したのでは何か物足りないので、時々変化をつけたり、アドリブを入れたりして、回を重ねるごとにどんどん暴走していきました。そんなところも楽しんでいただければ幸いです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

『罪人たち』と『ワン・バトル・アフター・アナザー』が対決!『国宝』ほか日本にゆかりの作品も。授賞式直前!第98回アカデミー賞を占う【コラム】

映画2026年3月13日

 3月15日(日本時間3月16日(月))、映画の祭典・第98回アカデミー賞授賞式が、アメリカのロサンゼルスで開催される。今年は人種差別に対する風刺を交えたアクションホラー『罪人たち』が16ノミネートで、最多記録を更新したことが大きな話題とな … 続きを読む

LiLiCo「ドキュメンタリーは本気なんです」「TBSドキュメンタリー映画祭2026」【インタビュー】

映画2026年3月12日

 歴史的事件から、今起きている社会の動き、市井の人々の日常、注目のカルチャーまで、TBSテレビおよびJNN系列局の記者・ディレクターたちが、世に送り出してきたドキュメンタリーを集めた「TBSドキュメンタリー映画祭2026」が、3月13日から … 続きを読む

【インタビュー】「ルーツを大切にする心を知って」、台湾原住民シンガーのサウヤーリさんが大阪でパフォーマンス

音楽2026年3月11日

 台湾のグラミー賞「金曲奨」をはじめ台湾国内の主要3音楽賞を受賞したアルバム『VAIVAIK 尋走』。いま、アジアの音楽シーンで注目を集めるアーティストの一人が、台湾原住民族・パイワン族のシンガー、サウヤーリさんだ。沖縄と台湾を一つの海域と … 続きを読む

「再会」“万季子”井上真央の過酷な過去が判明 「ラストの4人の友情と愛情に泣いた」「真犯人はあの人」

ドラマ2026年3月11日

 竹内涼真が主演するドラマ「再会~Silent Truth~」(テレビ朝日系)の第8話が、10日に放送された。(※以下、ネタバレを含みます)  本作は、横関大氏の推理小説『再会』をドラマ化。刑事・飛奈淳一(竹内)が、殺人事件の容疑者となった … 続きを読む

「未来のムスコ」「将生(塩野瑛久)が本命ルートを突っ走っている。まー先生(小瀧望)は出走が遅い気が…」「颯太くん(天野優)、めっちゃ演技が上手で感心した」

ドラマ2026年3月11日

 火曜ドラマ「未来のムスコ」の(TBS系)の第8話が、10日に放送された。  本作は、夢も仕事も崖っぷちのアラサー女性・汐川未来(志田未来)のもとに、“未来のムスコ”だと名乗る颯太(天野優)が現れたことから始まる、時を超えたラブストーリー。 … 続きを読む

page top