【インタビュー】タクフェス 春のコメディ祭!「仏の顔も笑うまで」 宅間孝行「お客さんに喜んでいただきたいという一心で作りました」 樋口日奈(乃木坂46)「いろいろな感情が湧き上がる作品に」

2020年2月26日 / 12:00
 温かな笑いと切ない涙で感動を誘う作品を数々上演している、宅間孝行主宰の「タクフェス」から派生した、笑いをテーマにしたシリーズ「春のコメディ祭!」。この第3弾となる「仏の顔も笑うまで」が4月22日から開幕する。本作は、宅間とモト冬樹が間抜けな強盗コンビを組み、逃げ込んだ先の寺でてんやわんやの大騒動を起こすノンストップコメディー。宅間が演じるふくちゃんが恋するお寺の娘・町田はな役には樋口日奈(乃木坂46)が抜てきされた。宅間と樋口に、本作への意気込みや見どころを聞いた。
 

町田はな役の樋口日奈(乃木坂46)(左)とふくちゃん役の宅間孝行

-2018年の「笑う巨塔」以来、2年ぶりの「春のコメディ祭!」になります。

宅間 「笑う巨塔」では、たくさんのお客さまにご来場いただき、そのおかげもあって、今回、無事にシリーズ第3弾を上演することとなりました。ありがたいことだと思っています。
 

-樋口さんは、初の「タクフェス」出演になりますが、出演が決まったお気持ちは?

樋口 「タクフェス」のポスターは以前から見かけており、レトロでどこか温かみのある雰囲気が大好きだったので、お話を頂いてすごくうれしかったです。でも、それと同時に、私にとっては初のコメディーなので、自分に務まるかなという不安もありました。
 

-これまでのタクフェスの作品は観劇しましたか。

樋口 はい、「流れ星」を観劇させていただきました。劇場で涙が止まらなくて、おえつをこらえるのに必死でした。心にグッとくるものがあって、なんてすてきな作品なんだろうと感じました。今の時代に大事な心の温かさが詰まっている作品で、大事なものを再確認できたように思います。忘れかけていた温かさがよみがえりました。
 

-宅間さんの印象は?

樋口 直接お会いしたのは、ビジュアル撮影の時が初めてだったのですが、大きい方だなって(笑)。私の中で、ダースベイダーの曲で登場してきそうなイメージがあったので、最初に「日奈ちゃん、僕のこと怖い?」って言葉を掛けてもらって、力が抜けました(笑)。
 
宅間 完全に悪者になっているよね、僕(笑)。
 
樋口 お芝居に対して、情熱を持っていて、とても厳しく指導してくださるということを聞いていたので、「話し掛けても無視されてしまったらどうしよう」とか、勝手にいろいろと考えてしまってたんです(笑)。でも、宅間さんが第一声で「僕のこと怖い?」と言ってくださったことで、逆に「怖い」というイメージはなくなりました(笑)。お稽古では厳しいところもあると思いますが、普段は優しい方なんだなと思いました。
 

-今回、宅間さんは樋口さんのどのようなところに魅力を感じてオファーされたのですか。

宅間 プロデューサーから、非常にお芝居を頑張っている子だと聞いていたので、それならば、と。見た目も大人っぽかったので、この役にも合うのではないかということもありました。実際に会ってみて、話していても、すごくしっかりしているので、頑張ってくれると期待しています。
 

-樋口さんはコメディー作品初挑戦となります。宅間さんから樋口さんに対して何かアドバイスを頂けますか。

宅間 あまりコメディーということは意識しなくてもいいと思いますよ。それよりも、1本の作品にどう関わり、向き合うかを考えてほしいです。これもお仕事だと言ってしまえばそうのですが、僕ら俳優がそれを超越したものを持って作品に向き合えたときに、お客さんが感動してくれると思うんです。僕は、それが次のステップになるとも信じてやってきたので、目の前のものに一つ一つ情熱を持って臨んでいってもらいたいです。一生懸命にぶつかる人が集まった現場になれば、きっとすてきな作品になるので、そこはぶれずに持っていてほしいなと思います。
 
樋口 はい! 頑張ります!
 

-ところで、樋口さんはビシバシと鍛えられた方がやりやすいタイプですか。それとも、褒められて伸びるタイプですか。

樋口 褒められるのはもちろんうれしいです。
 
宅間 今、「私はめった打ちにあって伸びるタイプです」とは口が裂けても言えないよね(笑)。うそでも「褒められて伸びるタイプです」って言うよね(笑)?
 
樋口 褒められて伸びたいです(笑)。でも、宅間さんは愛のある厳しさで指導してくださると思うので、ご指導は楽しみにしています。私は、今、22歳なのですが、これから先、この年でこの作品に出会えて、宅間さんに出会えて本当によかったと思うのだろうから、今回のお稽古でたくさん鍛えていただいて、勉強させていただきたいと思っています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

安田章大「体験したことのない違和感を持ち帰ってくれたら」 アングラ演劇の旗手・唐十郎作品に関西弁で挑む『アリババ』『愛の乞食』【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年7月18日

 2024年に亡くなったアングラ演劇の旗手・唐十郎の初期作品『アリババ』『愛の乞食』が、全編関西弁で、8月31日から9月21日にかけて世田谷パブリックシアターで二作連続上演される。現実と幻想、現在と過去が溶け合うふたつの物語は、叙情的に紡が … 続きを読む

【映画コラム】7月前半『スーパーマン』『ストレンジ・ダーリン』『「桐島です」』『生きがい IKIGAI』

映画2025年7月18日

『スーパーマン』(7月11日公開)  1938年に発行されたコミックに始まり、何度も映画化されてきたアメコミヒーローの原点をジェームズ・ガン監督が新たに映画化。  いきなり、戦いに敗れ、傷だらけになったスーパーマン(デビッド・コレンスウェッ … 続きを読む

俳優デビュー25周年の上戸彩が15年ぶりの写真集を発売 台湾で幻想的な夜市でのロケから寝起き姿まで多彩な魅力満載

イベント2025年7月14日

 俳優デビュー25周年を迎えた上戸彩の写真集『Midday Reverie(ミッドデイ・リヴァリー)』(宝島社)が、7月10日に発売された。発売記念イベントが、7月12日(土)に大阪で、そして7月13日(日)に東京・紀伊国屋書店 新宿本店で … 続きを読む

JT・モルナー監督「この映画の実現は厳しいと言われた時に、『羅生門』を見れば分かると言いました」『ストレンジ・ダーリン』【インタビュー】

映画2025年7月11日

 シリアルキラーの恐怖に包まれた街を舞台に、とある男女の出会いが予測不能な展開へと突き進んでいく様子を、時系列を巧みに交錯させた全6章の構成で描いたスリラー映画『ストレンジ・ダーリン』が7月11日から全国公開される。米映画批評サイトのロッテ … 続きを読む

鹿賀丈史「演じることよりも感じることの方が先だったかなと思います」『生きがい IKIGAI』【インタビュー】

映画2025年7月10日

 2024年の元旦に発生した地震で甚大な被害を受け、さらに8カ月後の豪雨によって2度目の災害に見舞われた能登で、ボランティア活動に参加した宮本亞門監督が、復興支援を目的に製作したショートフィルム北陸能登復興支援映画『生きがい IKIGAI』 … 続きを読む

Willfriends

page top