エンターテインメント・ウェブマガジン
やっぱり、ものすごく重い気分になりますよね。例えば、戦国時代の物語で戦が起きたとしても、遠い昔の話なので、どこか“エンタメ感”があり、それほど血なまぐささは感じません。でも、五・一五事件や二・二六事件は、近代の出来事なのでずっと身近。軍のクーデターで大臣が殺される…みたいな出来事は、たった1人が死ぬだけでも、ドスンとくるものがある。そういう暗い時代の中で、スポーツやオリンピックで世の中を明るくしようとした田畑さんの行動には、大きな意味があったのではないかと、改めて思いました。
宮藤さん自身はとても真面目な人なのに、真剣にふざけることができるんですよね。しかも、「あまちゃん」(13)で「ここまでふざけても大丈夫」という経験をしている分、今回はどう面白くするかというコツを、しっかり押さえている。第2部では、阿部さんや皆川猿時(松澤一鶴役)さんなど、宮藤さんのなじみの顔ぶれがさらに増えたので、ますます水を得た魚のようになっている気がします。演出陣も、宮藤さんの台本の良さを生かすため、グルーブ感が出ていればいい、という方針のようで、言葉遣いなどで細かい注意を受けたことはありません。
僕はこういう大河ドラマが見たかったんです。同じ歴史ものにしても、時代劇とは違うものも、たまには見たいじゃないですか。特に第2部は、より自分たちが暮らす今の時代に近づいてきたので、とても生々しく感じます。例えば、女性のスポーツにしても、今、当たり前に見ることができるのは、こういう人たちが努力を積み重ねてきたおかげだということが分かる。しかも、それは遠い昔ではなく、ついこの間のこと。1964年の東京オリンピックにたどり着くまで、こんなにいろいろなことがあったんだと、すごく興味を引かれます。そういうことを知ることができるのは、このドラマの大きな見どころではないでしょうか。
(取材・文/井上健一)
ドラマ2025年7月5日
-そのほか、撮影を通じて特に印象に残ったことがあれば教えてください。 安田 撮影が終盤に差し掛かった頃、原作者のキム・スジンさんにお目にかかる機会があったんです。キム・スジンさんは、それぞれのキャラクターに、ものすごく細かいバックボーンを作 … 続きを読む
ドラマ2025年7月5日
-松本さんとは初共演ですね。現場での印象は? 「はい、行くよ!」って声をかけて引っ張っていってくださる兄貴肌です。スタッフの皆さんとも積極的にコミュニケーションを取っていらっしゃる姿も見ますし、松本さんの存在で撮影現場全体が活気づいている … 続きを読む
映画2025年7月4日
-陽彩はいわゆる“毒親”の母と2人で暮らすうち、自分の人生に期待を持てなくなってしまった人物です。そういう役と向き合うお気持ちはいかがでしたか。 南 陽彩にとって、親や家族は、居場所であると同時に、自分を縛る呪いのようなものでもあったと思う … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年7月4日
2019年に宝塚歌劇団を退団して以降、今も多方面で活躍を続ける紅ゆずる。7月13日から開幕する、ふぉ~ゆ~ meets 梅棒「Only 1,NOT No.1」では初めて全編ノン・バーバル(せりふなし)の作品に挑戦する。 物語の舞台は歌舞 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年7月3日
▽長い時を刻む、大衆文化とは異なる魅力 -Kカルチャーが世界で注目される今、今回のような舞台表現はKカルチャーの中にどう位置づけられると思いますか? K-POPや映画などの大衆文化も素晴らしいですが、伝統芸術はそれよりもはるか以前から続い … 続きを読む