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やっぱり、ものすごく重い気分になりますよね。例えば、戦国時代の物語で戦が起きたとしても、遠い昔の話なので、どこか“エンタメ感”があり、それほど血なまぐささは感じません。でも、五・一五事件や二・二六事件は、近代の出来事なのでずっと身近。軍のクーデターで大臣が殺される…みたいな出来事は、たった1人が死ぬだけでも、ドスンとくるものがある。そういう暗い時代の中で、スポーツやオリンピックで世の中を明るくしようとした田畑さんの行動には、大きな意味があったのではないかと、改めて思いました。
宮藤さん自身はとても真面目な人なのに、真剣にふざけることができるんですよね。しかも、「あまちゃん」(13)で「ここまでふざけても大丈夫」という経験をしている分、今回はどう面白くするかというコツを、しっかり押さえている。第2部では、阿部さんや皆川猿時(松澤一鶴役)さんなど、宮藤さんのなじみの顔ぶれがさらに増えたので、ますます水を得た魚のようになっている気がします。演出陣も、宮藤さんの台本の良さを生かすため、グルーブ感が出ていればいい、という方針のようで、言葉遣いなどで細かい注意を受けたことはありません。
僕はこういう大河ドラマが見たかったんです。同じ歴史ものにしても、時代劇とは違うものも、たまには見たいじゃないですか。特に第2部は、より自分たちが暮らす今の時代に近づいてきたので、とても生々しく感じます。例えば、女性のスポーツにしても、今、当たり前に見ることができるのは、こういう人たちが努力を積み重ねてきたおかげだということが分かる。しかも、それは遠い昔ではなく、ついこの間のこと。1964年の東京オリンピックにたどり着くまで、こんなにいろいろなことがあったんだと、すごく興味を引かれます。そういうことを知ることができるのは、このドラマの大きな見どころではないでしょうか。
(取材・文/井上健一)
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