「こういう大河ドラマが見たかった。自分たちが暮らす時代に近づいてきた第2部は、とても生々しく感じます」リリー・フランキー(緒方竹虎)【「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」インタビュー】

2019年7月28日 / 20:50

-緒方は、五・一五事件や二・二六事件といった歴史的な事件にも遭遇します。そういう場面を演じてみた感想は?

 やっぱり、ものすごく重い気分になりますよね。例えば、戦国時代の物語で戦が起きたとしても、遠い昔の話なので、どこか“エンタメ感”があり、それほど血なまぐささは感じません。でも、五・一五事件や二・二六事件は、近代の出来事なのでずっと身近。軍のクーデターで大臣が殺される…みたいな出来事は、たった1人が死ぬだけでも、ドスンとくるものがある。そういう暗い時代の中で、スポーツやオリンピックで世の中を明るくしようとした田畑さんの行動には、大きな意味があったのではないかと、改めて思いました。

-宮藤官九郎さんの脚本の印象は?

 宮藤さん自身はとても真面目な人なのに、真剣にふざけることができるんですよね。しかも、「あまちゃん」(13)で「ここまでふざけても大丈夫」という経験をしている分、今回はどう面白くするかというコツを、しっかり押さえている。第2部では、阿部さんや皆川猿時(松澤一鶴役)さんなど、宮藤さんのなじみの顔ぶれがさらに増えたので、ますます水を得た魚のようになっている気がします。演出陣も、宮藤さんの台本の良さを生かすため、グルーブ感が出ていればいい、という方針のようで、言葉遣いなどで細かい注意を受けたことはありません。

-この作品の見どころは?

 僕はこういう大河ドラマが見たかったんです。同じ歴史ものにしても、時代劇とは違うものも、たまには見たいじゃないですか。特に第2部は、より自分たちが暮らす今の時代に近づいてきたので、とても生々しく感じます。例えば、女性のスポーツにしても、今、当たり前に見ることができるのは、こういう人たちが努力を積み重ねてきたおかげだということが分かる。しかも、それは遠い昔ではなく、ついこの間のこと。1964年の東京オリンピックにたどり着くまで、こんなにいろいろなことがあったんだと、すごく興味を引かれます。そういうことを知ることができるのは、このドラマの大きな見どころではないでしょうか。

(取材・文/井上健一)

緒方竹虎役のリリー・フランキー

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

尾上松也「金田一耕助を演じる喜びがふつふつと」奥智哉「今の時代にふさわしい作品に」名作ミステリー映画で共演『八つ墓村』【インタビュー】

映画2026年9月18日

-お二人は今回が初共演だそうですが、そういう金田一と辰弥の関係をどのように作っていったのでしょうか。 松也 僕のクランクインが、ロケ地の岡山でちょうど奥さんや堀田(真由/森美也子役)さんと3人のシーンでしたので、初日の撮影が終わった後にみん … 続きを読む

有村架純、石田ひかり、姫野花春「見終わった後ですごく幸せな気持ちになれる映画です」『さとこはいつも』【インタビュー】

映画2026年9月18日

有村 花春ちゃんは、その青さといい輝きといい、本当に今しかないものがしっかりと画面に映っていました。15歳の聡子ちゃんには、まだ名の知れぬ感情がいっぱいある。これからこの子はいろいろな感情を知って大人になっていく。今はそのスタートラインにい … 続きを読む

見上愛「樹里ちゃんは周りを安心させる空気感を持っている」上坂樹里「愛さんが私を直美にしてくれました」主演の2人が撮影を振り返る【連続テレビ小説「風、薫る」インタビュー】

ドラマ2026年9月17日

-看護師役を演じて、看護師に対する印象が変わった部分はありますか。 見上 最初の頃は、「技術職」という印象が強く、看護婦養成所のパートが始まったときは、包帯やシーツをきちんと扱えるようにしなければ…という意識が強かったんです。でも、イベント … 続きを読む

丸山隆平「きっと誰も見たことがないものになる」 舞台「water」で挑む半自伝的作品【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月14日

 丸山隆平と、演劇団体マームとジプシーの主宰を務め、劇作家・演出家として注目される藤田貴大が企画し、作り上げる舞台「water」が9月27日から上演される。本作は、丸山の記憶の断片を散りばめながら、藤田の視点で見つけた京都という土地、そして … 続きを読む

倉悠貴 豊臣兄弟を支える軍師・黒田官兵衛を好演中「最後までしっかり演じ切りたい」【大河ドラマ「豊臣兄弟!」インタビュー】

ドラマ2026年9月13日

-本作では戦国時代の過酷さが描かれる一方で、ユーモアのあるシーンも多いですが、その辺もお二人が空気感を作っているのでしょうか。  その点は、お二人と一緒に現場を引っ張ってくださる蜂須賀正勝役の高橋努さんの存在も大きいです。この作品は、戦国時 … 続きを読む

page top