【インタビュー】『Diner ダイナー』武田真治「僕もこの20年、『めちゃイケ』の中で、オオバカナコだったのかも」

2019年7月5日 / 18:43

-そういうことを突き詰めていこうと?

 はい。孤独に人知れず努力していたとしても、あなたの努力はきっといつか広まっていくだろうし、誰かが見てくれています。それが最終的には、何かに結びつくはず。僕も最近、NHKの「みんなで筋肉体操」で注目していただき、紅白にも出させていただきましたが、『Diner ダイナー』の撮影は、「筋肉体操」より前。もともと、実花さんは僕が40歳のとき、「月刊MEN 武田真治」という写真集を撮ってくださったことがあり、その縁で今回、オファーをくださった。つまり今回、実花さんが僕を選んでくれたのは、「筋肉体操」とは関係ないんです。むしろ「筋肉体操」も、基は実花さんの写真集からの流れで実現したものかなと思っているくらいです。

-蜷川監督が、武田さんの努力を見ていたということですね。

 はい。さらに、もっとさかのぼれば、幸雄先生の「身毒丸」という作品に関わっていなかったら、今回、声を掛けていただくこともなかったんだろうなと。「身毒丸」に出たのは20代後半ですが、その頃、僕は体調を崩してしまい、幸雄先生から突きつけられた「演劇を続ける覚悟」という点では、落第生になってしまいました。その後、幸雄先生とはお会いする機会がありませんでしたが、今回こうして、実花さんが声を掛けてくださった。僕はバラエティー番組に出演したり、サックスもやっていたりするので、俳優としてはそれほどの代表作と呼べる作品も近年ないですし、「自分は演劇人だ」とも言いにくい。でも今回、実花さんによって、そういうフラグが一つ立てられたことを感謝していますし、幸雄先生にも改めてご報告できるかなと思っています。落第させた方も気になってるでしょうからね。

-まさに今までの積み重ねが、今回の出演に結びついたわけですね。

 はい。この作品に関われたことを誇りに思いますし、今後のキャリアの中で重要な作品になるんだろうな…と。今はそんなふうに考えているところです。

(取材・文・写真/井上健一)

(C)2019 「Diner ダイナー」製作委員会

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

寺西拓人 声優初挑戦は「とても刺激的で楽しい経験でした」 「マクロス」、「アクエリオン」シリーズの河森正治監督の長編アニメーションに出演『迷宮のしおり』【インタビュー】

映画2025年12月30日

-どんな点が楽しかったのでしょうか。  舞台や実写作品の場合、役を演じていても、どこか自分が残っているんです。でも、アニメーションは外見が自分と全く異なるので、より強い没入感が味わえて。それがすごく楽しかったです。 -そういう意味では、主人 … 続きを読む

織山尚大、芸能活動10周年を迎え「今のこの年齢で演じる意味がある」 舞台「エクウス」で3年ぶりの主演【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月29日

 映画『うちの弟どもがすみません』やドラマ『リベンジ・スパイ』など、数々の映画やドラマ、舞台で活躍する織山尚大の3年ぶりの主演舞台となる「エクウス」が1月29日から上演される。本作は、実際に起きた事件を基に描かれた、ピーター・シェーファーに … 続きを読む

【映画コラム】「2025年映画ベストテン」

映画2025年12月28日

【日本映画】  邦画界は、今年も『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』『チェンソーマン レゼ篇』『名探偵コナン 隻眼の残像』など、アニメーション作品が興行成績の上位を占めたが、実写映画でも大ヒット作が生まれた。歌舞伎を題材とした … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】家族の情緒が国境を越える、俳優ムン・ソリが語る「おつかれさま」ヒットの理由

ドラマ2025年12月26日

 ▽家族を世話する母    ムン・ソリは、「クイーンメーカー」(23年)や「私たちの人生レース」(同)のように、女性の主体性や自分らしさを打ち出す役を担い、エンパワーメントの姿を体現してきた。だが「おつかれさま」では、“肩書きのない母”を真 … 続きを読む

田中麗奈「こじらせ男の滑稽で切ない愛の行方を皆さんに見届けていただきたいと思います」『星と月は天の穴』【インタビュー】

映画2025年12月24日

-この映画は、ちょっとフランス映画みたいなところがありましたね。  分かります。私もそう思いました。確かにそういう味わいがありますね。最初の撮影が、矢添と2人で、部屋で紅茶を飲んでいるシーンだったんですけど、プレイバックしてモニターを見た時 … 続きを読む

Willfriends

page top