【インタビュー】「逃亡料理人ワタナベ」池内博之、「世界で活躍したい」追い続けるモデル時代からの夢…

2019年5月27日 / 16:15

 昨年、求人検索サイト「Indeed」の「ONE PIECE」コラボCMでゾロ役の完璧なコスプレ姿を披露して視聴者を楽しませてくれた池内は、「島ぜんぶでおーきな祭 第11回沖縄国際映画祭」で上映された『ヤウンペを探せ!』でも、大好きなヒロインのために暴走する駄目な中年おやじを演じるなど、コメディー作品が続いている。

 シリアスなキャラクターを演じることの多い池内にとっては珍しい傾向だが、実は当の本人が「ずっとコメディーをやりたい」と考えており、「最近は重たい話や悪い役が多かったので、もっとライトで弾けた役をやりたいと思っていました。固定しつつあった役のイメージも払拭(ふっしょく)したかった」と打ち明ける。

 その待望のドラマの現場を、「コメディーはさじ加減が難しいし、撮影中はモニターチェックもなかったので、大丈夫かな?と思いながらも監督に身を委ねていました」と思い返す。

 一方で、亘鍋が原始人に扮(ふん)して牧場をはいずり回ったり、巨大なカニと温泉に入り、浸かっている温泉水を「出汁(だし)だぁ!」とおいしそうにゴクゴク飲んだりする妄想シーンは、「楽しくてテンションが上がりました」と大喜びする。これまでの役の印象からクールな性格のように感じていたが、池内を知る人たちが本作を見ると、「相変わらずだな」と笑うほど、素はおばかなことも大好きな人間なのだとか。

 料理人役も松本潤主演の連続ドラマ「バンビ~ノ!」(07)でゲスト出演した際に経験はあるが、ほぼ初めてだそうで、「握った拳の指の間から均等に塩を振る作業や、かつらむきや千切りなどの調理シーンはやはり難しかったです」と渋い顔を浮かべた。だが、「演じたこと全てが役者としての糧になりますからね」と常に気持ちは前向きだ。

 現在42歳。芸歴も20年を越えてベテランの域に達しながらも「まだまだですね」と全力で走り続ける池内。挫折さえも踏み台にする気概を持っているのだから、いつかその跳躍で世界の壁を越えるのだろう。

(取材・文・写真/錦怜那)

 ドラマ「逃亡料理人ワタナベ」はひかりTVで独占先行配信中。

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