【インタビュー】『レイルロード・タイガー』池内博之「ジャッキーさんとのアクションシーンに注目してほしいです」

2017年6月16日 / 15:06

 アジアが誇る大スター、ジャッキー・チェンとディン・シェン監督が3度目のタッグを組んだ『レイルロード・タイガー』が6月16日から公開される。ごく普通の男たちが、日本軍の物資輸送を阻止するため、橋の爆破計画に挑むという、鉄道を舞台にしたアクションコメディーだ。本作で憲兵隊長の山口を演じた池内博之が、映画やジャッキーに対する思いを語った。

(C)2016 BEIJING SPARKLE ROLL MEDIA CORPORATION SHANGHAI FILM GROUP CO., LTD. BEIJING GOING ZOOM MEDIA CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

-本作への出演のきっかけは? ジャッキー・チェンから直接オファーがあったといううわさも聞きましたが…。

 今回はディン・シェン監督から直接オファーを頂きました。監督が、僕が出演した『イップ・マン 序章』(08)を見て、僕とジャッキーさんが対峙(たいじ)している絵が見たいと思ったそうです。

-その『イップ・マン 序章』のドニー・イェンに続いて、本作ではジャッキーとの共演です。伝説の香港アクションスターと共演した感想は?

 最初にお話を頂いた時は、「えっ!」という感じで、びっくりしましたが、「本当に恵まれているなあ」と思いました。なかなか共演できないお二人ですから、共演できてとても良かったと思います。ジャッキーさんの映画は子どものころから見ていたので、憧れの人でもありましたし、その方と映画の中で共演できたことはとてもうれしかったです。

-では、ジャッキーと一緒にアクションをする時は緊張しましたか。

 そうですね。しかも撮影の初日からいきなりアクションシーンだったので、とても緊張しました(笑)。距離感は? 殴りかかる強さは? などの加減が分からなかったのですが、ジャッキーさんが「もっと強くやっていいよ」と言ってくださったりしたので、気持ちが楽になり、伸び伸びとやらせていただきました。

-ジャッキーとの間で忘れられないエピソードはありますか。

 今回は撮影現場がとても寒い所でしたし、ジャッキーさんご自身もアクションシーンで過去に大けがをされたりしていますので、アクションをする時に「本当に気をつけてやってくれ」と、周りにとても気を使っていました。その分、撮影には時間が掛かったのですが、そういう姿勢はとてもすてきだなと思いました。

-今回は事前にアクションの訓練はしたのですか。

 ほとんどやっていません。現場に入るまで、どういうアクションをするのか分からなかったですし、なかなか具体的に教えてくれなかったので不安でした。とりあえず体づくりだけはしておこうという感じでした。

-今回の役柄は、コメディーの要素も強かったですが、心掛けたことは?

 監督が現場で「このシーンはライトに演じてほしい」など、具体的におっしゃってくださいましたので、監督の指示に任せていました。ただ、大まかな流れはあるのですが、台本がないので、当日渡されて、通訳の方に訳していただきながらすぐに覚えて、という感じでした。せりふも「こんな感じで」と言われるだけで、自分で作っていかなければならなかったので責任重大でした(笑)。

-アジアの映画で日本人役を演じる際に意識していることはありますか。

 所作などで「日本ではそういうのはあり得ない」ということを要求されることもあります。ハリウッド映画もそうですが、海外から見た妙な日本人像みたいなものがまだ残っている気がします。ただ、逆にそれが面白いからと、意図的に狙っているようなところもあると思います。そんな中で、僕が、日本人として、普段、普通にしていることを生かしていこうと思っています。

-この映画もそうでしたが、軍人役が多いですね。

 不思議ですね。個人的には、軍人ではない、普通のいい人の役をやりたいなあと(笑)。いずれそういう時がくるとは思うので。それを楽しみにしています。

-最後に、この映画のみどころと観客へのメッセージを。

 この映画は、激しいアクションの中に、コメディーの要素がちりばめられているところが面白いと思います。あとは、後半に行くに従ってどんどん加速していく、鉄道を舞台にしたアクションが見ものです。僕が演じた山口は、執念深くて傲慢(ごうまん)なところもありますが、かわいらしいところもあったりするので楽しんで見てください。後半のジャッキーさんとのアクションシーンにも注目してほしいです。

(取材・文/田中雄二)

(C)2016 BEIJING SPARKLE ROLL MEDIA CORPORATION SHANGHAI FILM GROUP CO., LTD. BEIJING GOING ZOOM MEDIA CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.


関連ニュースRELATED NEWS

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

上白石萌歌「小さなお子さまから大人の方まで幅広く届いてほしいと思います」『トリツカレ男』【インタビュー】

映画2025年11月11日

 何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む

八木莉可子「相反する二面性をどちらも大切にしたい」「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」【インタビュー】

ドラマ2025年11月10日

 草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む

目黒蓮が抱いた“継承への思い” 妻夫木聡、佐藤浩市から受け取った“優しさ”と俳優としての“居住い” 日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」【インタビュー】

ドラマ2025年11月9日

 日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」への出演発表時、“物語の鍵を握る重要な役どころ”という情報のみだった目黒蓮演じる謎の人物。そこから約2カ月、11月2日放送の第4話でようやくその正体の一端が解禁された。男の名は中条耕一、佐藤浩市演じる山王 … 続きを読む

堤真一、三宅唱監督「実はこういうことも奇跡なんじゃないのということを感じさせてくれる映画だと思います」『旅と日々』【インタビュー】

映画2025年11月6日

 三宅唱監督が脚本も手掛け、つげ義春の短編漫画『海辺の叙景』と『ほんやら洞のべんさん』を原作に撮り上げた『旅と日々』が11月7日(金)から全国公開される。創作に行き詰まった脚本家の李(シム・ウンギョン)が旅先での出会いをきっかけに人生と向き … 続きを読む

【映画コラム】俳優同士の演技合戦が見ものの3作『爆弾』『盤上の向日葵』『てっぺんの向こうにあなたがいる』

映画2025年11月1日

『爆弾』(10月31日公開)  酔った勢いで自販機を壊し店員にも暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男(佐藤二朗)。自らを「スズキタゴサク」と名乗る彼は、霊感が働くとうそぶいて都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。  やがてその言葉 … 続きを読む

Willfriends

page top