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【インタビュー】「明治東亰恋伽」伊原六花 映画&ドラマでW主演 自分なりの“芽衣ちゃん”に自信!

 昨年“バブリーダンス”で注目を集めた大阪府立登美丘高校ダンス部の元キャプテンで、卒業後は女優として活動する伊原六花。デビューからわずか1年で、恋愛ファンタジーゲームを基にした「明治東亰恋伽」の連続ドラマと映画でW初主演を果たす伊原に、撮影時のエピソードや、今後の展望などを語ってもらった。

 ドラマは、奇術師チャーリー(小林豊)のマジックによって明治時代にタイムスリップした女子高生の綾月芽衣(伊原)が、森鴎外(宮崎秋人)、菱田春草(高橋真佳把)ら歴史上の人物たちと出会い、淡い恋を繰り広げる物語。

HAIR&MAKE=清水恵美子(マロンブランド)STYLIST=網野正和 衣装協力=Ottod’Ame DIANA

-2011年の携帯アプリゲームを発端に、アニメ、舞台などでメディアミックス展開する作品ですが、何か体験されましたか。

 オファーを頂いてからアプリゲームをしました。恋愛ものなのでニヤニヤしちゃって、展開が気になって、すごいはまりました。そんな魅力あふれる世界観を壊さないように演じようと思いました。

-芽衣の人物像はどう捉えましたか。

 普通は明治時代にタイムスリップしたら怖くて悩むけど、芽衣ちゃんは困りつつもそこで暮らしていく力がある、前向きな女の子だと捉えました。だからといって自分発信で何かをするわけではないけど、周囲の影響を受けて、徐々に周りの人たちを変えていく魅力も持っていると思いました。

-キャラクターの“再現性”が注目されますが、出来栄えはどうでしょうか。

 できるだけ原作に寄せていくように頑張りました。キャスト全員、原作の世界から飛び出してきたかのような再現性だと思います。でも、アニメや舞台化もされているので、ドラマや映画にしかできない世界観があってもいいのかな…とも思いました。

-では、伊原さんならではの芽衣はどのようにして作り上げましたか。

 芽衣ちゃんと私は性格や好きな食べ物が似ているので、撮影中は自然に芽衣ちゃんになり、明治時代を生きられたと思います。

-男性陣をとりこにする芽衣ですが、魅力的な女性を演じる上で意識したことはありますか。

 たくさん恋をしますが、自分が恋をしたいと願っているわけではなく、男性の方が芽衣ちゃんに自然に引かれていくので、恋愛に対してガツガツしたり、小悪魔的に見えたりするのは違うと考えました。タイムスリップして困っているような状況で恋愛に発展しても許される芽衣ちゃんの天然さやかわいさ、自然な魅力を表現しようと努力しました。

-いろいろなタイプの男性が登場しますが、伊原さんは誰が好みですか。

 森鴎外さんです。大人で落ち着いていて、芽衣ちゃんを「子リスちゃん」と呼んだり、ドSな面もありつつ、夜遅くに帰ると心配してくれたりする優しさもあり、見守られている感じがすてきです。

-現場はどのような雰囲気でしたか。

 初めてのドラマは「チア☆ダン」(18)で女子ばかりでしたが、今回は男性ばかりだし、1カ月間の地方ロケをやっていけるか不安でしたが、壁や年齢差を感じさせないくらい優しくて面白い方たちばかりで、すてきな雰囲気で楽しかったです。

-確かに環境の差が大きいですね。

 「チア☆ダン」では、主演の土屋太鳳さんはじめ、チアダンス部のメンバー役の方たちと事前にダンス練習をして仲良くなってから撮影に入れましたが、今回は全員が初対面で、すぐに撮影だったので最初は緊張しました。ただ、劇中でも芽衣ちゃんは冒頭の鹿鳴館のシーンで森鴎外さんたちと初めて会うので、そこは現実とリンクしていたから無理せずにできました。

-初座長の感想は。

 役者として何も知らないので、座長なんて恐れ多いです。今回はこのキャストじゃないと成り立ちませんでした。すごく助けていただいたし、いつも「よくやってるよ」と褒めてくださいました。だからこそ何とかやり切れました。

-「チア☆ダン」以降もドラマ出演が続き、女優として滑り出しは順調ですね。

 いろんなドラマに出させてもらうなど、この1年間で新しいことにたくさんチャレンジさせてもらってワクワクもしたけど、できないことばかりで悔しい思いもしました。でも、いろんな方に支えられてやりきった感があるし、この仕事で頑張っていきたいという決意はできました。

-悔しいこととは?

 芝居を作り込む作業がまだ分からないので、自分なりにその役をかみ砕いて演じても、思ったものと違うと感じることがあります。あとは、演じるキャラクターが何かに秀でているなら、私もそれを極めてから演じたいけど、時間の制約はもちろん、自分の技量不足でやり切れないので、これからはいろんな方面で土台を作り、できることを増やしたいです。

-ちなみに、もともと女優になりたかったのでしょうか。

 全く考えていませんでした。芝居も歌もダンスも好きで、子どもの頃はミュージカルも習っていましたが、高校ではダンス一本だったので、当初は大学でダンスをやろうと思っていました。その中で今の事務所に声を掛けてもらいましたが、最初は厳しい世界だから無謀かな…と悩みました。でも、せっかくのチャンスだし、自分が一番好きなことを表現できる仕事なので一歩を踏み出しました。

-憧れの女優はいますか。

 蒼井優さんはバレエをやられていたからしぐさや表情に品があってきれいだし、見る側が感情移入できる振り切った演技がすてきで憧れます。

-今後はどのような作品に挑戦したいですか。

 こういう非現実的な世界観の作品やかわいい女の子を演じることも楽しいですが、映画『怒り』(16)みたいな、実際の出来事を基にした作品などで、リアリティーが求められる役もいつか演じられるようになりたいです。舞台にも立ちたいので、ダンスも続けて、エンタメ界でオールマイティーに活躍したいです!

(取材・文・写真/錦怜那)

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