【インタビュー】『アクアマン』アンバー・ハード「スーパーヒーローを演じるには、やはりスーパーなトレーニングが必要でした(笑)」

2019年2月8日 / 12:42

 DCコミックス原作のヒーローで、『ジャスティス・リーグ』にも参戦したアクアマンを主役に描くアクション大作『アクアマン』が2月8日に公開された。本作で、ヒロインのメラを演じたアンバー・ハードが公開に先駆けて来日し、インタビューに応じた。

アンバー・ハード

-この映画のメラは、誰かに守られるのではなく、自ら行動していくという、とてもユニークな、新たなヒロインでしたね。

 私は、互いに高め合うという意味では、強い女性が強い男性を作ると思います。こういう物語の中で、スーパーヒーローであり、強くて、戦う女性でもあるという彼女の姿を通して、若い人たちにインスピレーションを与えられる、という意味では、メラはとても魅力的な存在だと思います。

-今回は、飛んだり跳ねたり、屋根に上ったりと、アクションシーンが多かったですが、大変でしたか。

 とても大変でした。ほとんどのシーンは、後でCGと合成するので、私は何もない空間で想像力を働かせながら演じなければならなかったからです。また、実際にハーネス(安全ベルトの一種)を付けて、ワイヤでつるされるような撮影も多かったので、それも大変でした。リハーサルが始まる半年前から、毎日6時間トレーニングをしました。スーパーヒーローを演じるには、やはりスーパーなトレーニングが必要でした(笑)。

-水中のシーンはいかがでしたか。

 水中撮影も、ほとんどがCGI処理をするので、私たちはグリーンバックを背景にして演じるわけです。それに「ドライ・フォー・ウェット」(水なしで撮影し、その後の編集作業で水中で演技しているように加工する撮影手法)で撮影したので、実際の私たちの周りは乾いているんです。その代わり、逆に陸に上がったシーンでは、ずぶ濡れになって撮影しました。メラは水中で戦うシーンが多いので、常にそれを意識して、何もない所で想像をめぐらせながら演じなければなりませんでした。

-では、その想像力の源となったのは何ですか。

 それが「演技をする」ということです(笑)。つまり、自分の想像力を最大限に駆使しなければならないのですが、今回は、ジェームズ・ワン監督がいろいろと話をしてくれたり、映像を見せてくれたり、幾つかセットも作ってくれたので、とても助かりました。

-ジェームズ・ワン監督とアクアマン役のジェイソン・モモアの印象はいかがでしたか。

 ワン監督は、ビジュアルの天才だと思います。だから、彼が作り出す世界観を信頼していましたし、ぜひまた一緒に仕事がしたいと思いました。ただ、この映画はCGを使うシーンがとても多いので、監督は私たちには見えないところで仕事をしていることも多かったです。ジェイソンは見ての通り、全く魅力的ではないので…(笑)。本当は一緒にいてとても楽しかったです。弟のように感じました。

-ワン監督とモモアさんは「キャラクターに自分自身を重ねたところがある」と語っていますが、アンバーさんもメラにご自身を重ね合わせた部分がありましたか。

 女優は、演じる全てのキャラクターに、自分自身を投影させたり、自分の経験を反映させるところがあります。その点、メラは、信頼できるキャラクターでした。また、世界的に「こういう女性を描いてほしい」という要求があり、それに対して、女性を正しく描くという、映画業界の使命もあると思います。私は、正義感にも増して、それを行動に移すことがとても大事だと思っています。その点、強くて行動力もあるメラは自分に似ていると思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

岸井ゆきの「夫婦の“切実さ”が描かれている」宮沢氷魚「すごくやりがいがありました」すれ違っていく夫婦役で初共演『佐藤さんと佐藤さん』【インタビュー】

映画2025年11月28日

 大学で出会った佐藤サチと佐藤タモツはたちまち意気投合し、一緒に暮らし始める。ところが卒業後、弁護⼠を⽬指すタモツは司法試験に失敗。独学を続けるタモツに寄り添うため、サチも司法試験に挑むが、数年後、合格したのはサチだった。結婚、出産を経て弁 … 続きを読む

28歳で亡くなった阪神タイガースの元選手の実話を映画化! 松谷鷹也「横田慎太郎さんのことを知っていただきたい」前田拳太郎「誰かの背中を押す作品になるはず」『栄光のバックホーム』【インタビュー】

映画2025年11月28日

 プロ野球、阪神タイガースの将来を担う選手として期待されながらも、21歳で脳腫瘍を発症して引退、その後も病気と闘いながら講演会活動などを続け、2023年に28歳で亡くなった横田慎太郎の生きざまを描いた『栄光のバックホーム』が、11月28日か … 続きを読む

吉高由里子「忘れかけていたことをいきなり思い出させてくれる」 念願の蓬莱竜太と初タッグ パルコ・プロデュース2025「シャイニングな女たち」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月28日

 吉高由里子が2022年の「クランク・イン!」以来、3年ぶりに舞台主演を果たす。吉高が挑むのは、日常に潜む人間の葛藤や矛盾を丁寧にすくい取り、鋭い視点の中にユーモアを織り交ぜる作風で共感を呼んできた蓬莱竜太が描く新作舞台、パルコ・プロデュー … 続きを読む

【映画コラム】新旧監督の話題作が並んで公開に『TOKYOタクシー』『金髪』

映画2025年11月22日

『TOKYOタクシー』(11月21日公開)  タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を東京の柴又から神奈川県の葉山にある高齢者施設まで乗せることになった。  すみれの「東京の見納めに、いくつか寄ってみたい … 続きを読む

中川晃教「憧れることが原動力」 ミュージカル「サムシング・ロッテン!」で7年ぶりにニック役に挑戦【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月22日

 数々のミュージカル作品へのオマージュが登場するコメディーミュージカル「サムシング・ロッテン!」が12月19日から上演される。2015年にブロードウェイで初演された本作は、「コーラスライン」、「アニー」、「レ・ミゼラブル」などの人気ミュージ … 続きを読む

Willfriends

page top