エンターテインメント・ウェブマガジン
注目すべきはクジラの調教シーン。吹き替えなしで全て自分で行ったというが、「それほど難しくはなかったです」とサラリといってのける一方、「自分の指示に自信がなかったり、クジラの機嫌が悪かったり、おなかがいっぱいだと言うことを聞いてくれないので、そういう部分では大変でした」と思い返した。
本作を通じて、「最近は、殺人犯とか主人公の敵といったダークな役か、コメディーかの両極端が多かったので、爽やかで天然な青年役という初めてのジャンルで引き出しが増えました」と喜ぶ矢野は、「主役を担う責任とか重大さを感じることができてよかったです」とも。
さらに、犯人役が多いことから、「学生の頃から『影がある』とよく言われたし、僕に求められているイメージはこれなんだなと捉えて、そのニーズに応えたい」と意気込んだ。その半面、「もちろん、女性にモテる役もやりたい」とにこやかに話すと、「まだやったことのないジャンルだし、僕のことを知らない若い年代に知ってもらうためには、キラキラしたものに出演することがいい」と策略家の一面ものぞかせた。
とはいえ、今一番興味があるのは「映画『告白』(10)を見て、すごいと感動した」という中島哲也監督。“キラキラ”とはテイストが違うことを指摘すると、「そうですよね。やったことがないから、キラキラ系の監督が分からないです…」とはにかむが、その笑顔は、好青年もイケメン役も十分にはまるほど魅力的だ。過酷で有名な蜷川の舞台を経て、さまざまな壁も乗り越えてきたのであれば、新たな夢をかなえる日もそう遠くはないだろう。
(取材・文・写真/錦怜那)
映画2025年12月12日
-パーシーのように、与えられた仕事を楽しくやるコツがあれば教えください。 仕事があることが幸せ。シンプルにそういう意識を持ってやっています。僕もミュージシャンを目指していろいろとやっていましたが、思うように行かなくて。でも、音楽に対する情 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月10日
-堤さんと高橋さんは高橋さんのドラマデビュー作以来のタッグと聞いています。堤さんは高橋さんの吉良上野介にどのような期待を寄せていますか。 堤 ぴったりだと思いますよ。生き馬の目を抜く芸能界で酸いも甘いも知り尽くしていますから。デビューの瞬間 … 続きを読む
ドラマ2025年12月8日
-治済に対する仇討ちのため、対立関係にあった蔦重と松平定信(井上祐貴)がタッグを組む展開にも驚かされると同時に、思わず胸が熱くなりました。 藤並 白河藩に戻った後の定信は、それまでとは打って変わって、大田南畝や山東京伝に本を書かせているんで … 続きを読む
映画2025年12月5日
-戦場で、田丸が絵や漫画を描くことにどのような意味があったと思いますか。 功績係に任命された田丸には、もちろん何かを書き記すという使命感もあったでしょうが、いつ自分や仲間が命を落とすか分からない状況の中で、自分の世界の中で向き合えるものが … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月4日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む