【インタビュー】『デッドプール2』ライアン・レイノルズ「僕とデッドプールは、境界線が分からないぐらいかぶっています」

2018年5月31日 / 16:35

-では、あなたが考えるヒーロー像とは?

 ヒーローの条件とは、小さなことでもいいのですが、自分の居心地のいいところから一歩踏み出して何かをする人のことだと思います。また、ヒーローは成長していきます。今回のデッドプールは無私無欲です。その意味では、自分のことではなく、他人のために何かをすることができる人がヒーローだと思います。例えば、自分のことは抑えて、妻と一緒にメットガラ(世界最大規模のファッションの祭典)に行くときの僕はヒーローです(笑)。僕にとってのヒーローは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマイケル・J・フォックスです。

-前作のワム!の「ケアレス・ウィスパー」に続いて、今回はa-haの「テイク・オン・ミー」がテーマ曲的に使われていました。これはご自身の選曲ですか。

 脚本の中に曲を指定して書き込んでいるときもありますが、「テイク・オン・ミー」の場合は脚本には書いてなくて、たまたまMTVで聴いたときに耳に残って、「これだ!」となりました。その後、他にも80年代の曲で何かいいものがあるかもしれないと、スタッフと随分話し合いましたが、結局「テイク・オン・ミー」を超えるものはありませんでした。最初に脚本に書いてあった曲は…、えーと、アウトフィールドの「ユア・ラブ」でした。思い出せてよかった。僕の脳は優秀です(笑)。

-前作が大ヒットしたので、今回は話を大きくすることもできたと思いますが…。

 地球や宇宙を救うというのは、デッドプールには全くふさわしくありません。それは他のヒーローがやってくれるので(笑)、彼らに任せるということです。例えば、今回の冒頭に出てくるデッドプールが世界の各地で戦うシーンは、最初は、同じ街にあるリトルイタリーとか、リトルトーキョーで戦っているという設定だったのですが、採用されませんでした。デッドプールは、そのキャラクター自体がスペクタクルなんです。爆発する街や、星を救うという種類のものではないので、予算も他のヒーロー物に比べれば少なくて済みます。ひたすら”赤いくそ野郎”の活躍を見るための映画なのです(笑)。

-黒澤明監督の“ある作品”が、次のデッドプールのアイデアのヒントになったとお聞きしました。次回作を日本で撮影する可能性はありますか。

 ぜひやりたいです。親友のヒュー・ジャックマンから日本で撮影したときのいい話をたくさん聞いていますから。ただ、僕はカナダのバンクーバー出身なので、そこでの撮影がとても好きですし、雇用の面でもいい効果があります。また、デッドプールはルールを破る男ですが、刀の差し方が変なので、日本で受け入れてもらえるかもちょっと心配です(笑)。

(取材・文・写真/田中雄二)

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