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いい質問ですが、自問するのは少し怖い気がします。もし答えがあったら、監督をするのを辞めてしまうかもしれません(笑)。本当に肉体が続く限り監督をしたいと思っています。私はとにかくストーリーを語ることが好きなのです。小さい頃、3人の妹に毎晩怖い話をしました。彼女たちが怖がって「きゃー」と言いながらベッドに入ると、それを聞いた父に「また怖い話をしたな。怖い話ではなく、いい話をしなさい」と怒られました。今、自分の子どもが7人いますが、四つある寝室を回って、それぞれ違う話をします。そんなふうに、私は常にストーリーを語っていたいのです。
あまり意識はしていないと思います。潜在的なものでしょうか。例えば、この映画の編集をしているときに、『ペンタゴン・ペーパーズ』の台本を読みました。そして「これは現代にも通じる話じゃないか。まさに今の大統領が同じことをしている」と思い、語るべき義務を感じました。それが歴史的な物語を映画にするときの気持ちです。できれば、社会的な現実とSFの世界を行ったり来たりするのが理想です。ある意味、両極端ですね(笑)。
歴史を扱う映画について言えば、その出来事の映像としてのイメージを作り出すことが好きです。私が学生だった頃、歴史を学ぶには、暗記したり、読んで覚えるしかありませんでした。でも、聞いたものよりも、見たものの方がインパクトは強いと思います。例えば、『アミスタッド』(97)、『プライベート・ライアン』(98)、『リンカーン』(12)、『ブリッジ・オブ・スパイ』(15)などは、公開後に、学校の教材として生徒たちが見ています。彼らも歴史を映像として見れば決して忘れないんですね。
私もまだ大人になっていませんが、映画監督をしているので何とかなっています(笑)。この映画のような場合は、カメラの後ろからではなく観客の一員として撮っています。でも『ペンタゴン・ペーパーズ』のような映画を撮るときは、カメラの後ろで撮っています。歴史物のときは歴史の解釈者として、ちゃんと事実を確認しながらリサーチをします。でもこの映画の場合は、想像の世界ですから、歴史的な事実などは一切関係なく、とても開放感を覚えながら作っています。『ペンタゴン・ペーパーズ』は大人として作らなければならない映画ですが、今回は、子どもの心のままで作りました。だから無理に捨てる必要はないと思いますよ。
(取材・文・写真/田中雄二)
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