【インタビュー】『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』本仮屋ユイカ「比嘉愛琉は、ここ10年で一番すんなり入れた役」

2018年3月9日 / 16:00

 半世紀以上の歴史を誇る「ウルトラマン」シリーズの最新作『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』が3月10日から全国公開される。最新ヒーロー、ウルトラマンジードの活躍を描いた本作で、主人公・朝倉リクと沖縄で出会い、物語の鍵を握る女性・比嘉愛琉を演じているのが本仮屋ユイカ。特撮映画初出演の感想、役に込めた思いを聞いた。

物語の鍵を握る比嘉愛琉を演じた本仮屋ユイカ

-特撮映画への出演は初めてだそうですが、最初に台本を読んだときの感想は?

 歴史あるTVシリーズの世界観に、今回演じた愛琉のストーリーもたくさん織りなされていて、とても感動しましたし、うれしかったです。誰がこの役を演じていて、誰が変身して…と、最初は理解するのが大変でしたが、逆にこれを一つずつ覚えていくことで、物語やその世界観をイメージできるということにワクワクしました。

-そこからさかのぼって過去の作品を見たのでしょうか。

 はい。教えていただきました。衣装合わせのときには、この衣装にも何かの意味が隠されていて、それを理解しておかないと着られないと思っていたので、「これは誰ですか?」「その後どうなったんですか?」など、一つ一つ確認させていただきました。そうしたら、それは前々シリーズから続いていて…というような話を聞き、「ウルトラの世界は、なんて壮大なんだろう」とびっくりしました。この「ウルトラマンジード」という作品だけではなく、ずっと続いてきたキャラクターや設定を引き継ぎながら、世界観を深めている。そのことにすごく感動しました。その歴史に、自分もこれから加わっていくのかと思うとうれしかったです。

-そのあたりを踏まえて、比嘉愛琉という役をどのように捉えて演じましたか。

 愛琉は、故郷の星を失い、地球にやってきた宇宙人ですが、私自身、人から「宇宙人みたい」と言われることも多くて、宇宙人が遠い存在だとは思っていなかったんです。その上、地球を愛し、守りたいと願っている愛琉は、私の気持ちともすごくリンクしました。もしかしたら、ここ10年で一番すんなり入れた役かもしれません。そのぐらい彼女が持つ使命感に共感しました。

-特撮に初挑戦した感想は?

 今までも合成の経験はありましたが、今回はやっぱり撮影スタッフはもちろん、キャストの皆さんが特撮慣れしていましたね。その作業の手際の良さには、本当に驚きました。合成というと、「長い時間、集中力が必要だな」と気構える癖があったのですが、みんなすごくフラットな感じで合成場面の撮影に入っていくので、勉強になりました。

-お芝居の面では、他の作品との違いはありましたか。

 普通のテンションで芝居をしていいのか、最初は迷いました。怪獣の声や攻撃音などが入ってきたとき、通常のストレートプレイのテンションでやると、画に合わないことが起き得る。だからといって、それとかけ離れた形でやるのもまた違うし…。なので、自分だったらどの辺が一番楽しめるかなというところは、最初は探りながら演じていました。もしかしたら、皆さんより若干オーバーなところがあるかもしれません(笑)。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】映画は原作を超えたか 沖縄の現代史を背景に描いた力作『宝島』/純文学風ミステリーの趣『遠い山なみの光』

映画2025年9月18日

『宝島』(9月19日公開)  1952年、米軍統治下の沖縄。米軍基地を襲撃して物資を奪い、困窮する住民たちに分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれる若者たちがいた。  村の英雄でリーダー格のオン(永山瑛太)と弟のレイ(窪田正孝)、彼らの幼なじみ … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】レジェンドたちの「朝鮮の旅」たどった写真家の藤本巧さん

2025年9月18日

 朝鮮の文化を近代日本に紹介した民藝運動家の柳宗悦や陶芸家の河井寛次郎。彼らが1930年代に見た朝鮮の風景に憧れ、1970年に韓国の農村を訪れたのが写真家の藤本巧さんだ。以来50年以上にわたり、韓国の人々と文化をフィルムに刻み続けてきた。 … 続きを読む

エマニュエル・クールコル監督「社会的な環境や文化的な背景が違っても、音楽を通して通じ合える領域があるのです」『ファンファーレ!ふたつの音』【インタビュー】

映画2025年9月18日

 世界的なスター指揮者のティボ(バンジャマン・ラべルネ)は、突然白血病を宣告され、ドナーを探す中で、生き別れた弟のジミー(ピエール・ロタン)の存在を知り、彼の隠れた音楽的な才能にも気付く。兄弟でありながらも異なる運命を歩んできた2人。ティボ … 続きを読む

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

 東日本大震災から10年後の福島を舞台に、原発事故で引き裂かれた家族と青春を奪われた若者たちの姿を描いた『こんな事があった』が9月13日から全国順次公開中だ。監督・脚本は、『追悼のざわめき』(88)などで日本のみならず世界の映画ファンから支 … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

 ニューヨーク・ブルックリンで暮らすアジア人夫婦を主人公に、息子の誘拐事件をきっかけに夫婦の秘密が浮き彫りとなり家族が崩壊していく姿を、全編NYロケで描いた『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』が、9月12日から全国公開され … 続きを読む

Willfriends

page top