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世界最高峰の映画の祭典「第90回アカデミー賞授賞式」のレッドカーペット・レポーターに起用された女優で歌手のすみれ。“映画オタク”を自称し、昨年はハリウッドデビューを果たしたすみれが、大役を任された喜びとともに、日本のみならず海外でも活躍するエンターテイナーとしての熱い思いを語った。
幼い頃からテレビで見ていた授賞式に携われることに、すみれは「びっくりです。こんな私でいいの?と思いました」と目を丸くすると、「いろんなスターに会うと緊張も興奮もあふれ出るだろうから、どう心の準備をしていいのか分からない。私にできるのかな…」と不安をのぞかせた。
しかし、「日本に来て6年がたつけど、ハワイで育ったから、日本語がまだたどたどしいので、英語でできることにはホッとします」とし、「華やかなファッションについてや、映画や芝居に対する質問もチャンスがあればさせていただきたいです」と意気込みを語った。
中でも楽しみにしているのは、メリル・ストリープとジェニファー・ローレンス。メリルは5年ほど前に会った時に日本語の勉強を応援してくれ、女優としても尊敬していることからカーペット上での再会を熱望している。ジェニファーについては「人としても女性としても女優としても、ただただ大好きで、遠くから見るだけでもいいし、インタビューができたら泣いちゃう」とたぎる思いを口にした。
注目作は、冷戦下のアメリカを舞台に、声を失くした孤独なイライザ(サリー・ホーキンス)と、神としてあがめられていた不思議な生物(ダグ・ジョーンズ)との恋物語をユーモアとサスペンスを織り交ぜて描いた、ギレルモ・デル・トロ監督のファンタジーロマンス『シェイプ・オブ・ウォーター』だという。
作品賞・監督賞・主演女優賞など最多13部門にノミネートされていることに納得するすみれは「人生で一番好き。世界観がおしゃれで、音楽もダンスも、役者の演技も、本当に素晴らしくて、こんな作品は今まで見たことないし、これからも出会えないと思いました。それに、ハリウッド映画ってやっぱりすてきだなと感動しました」と声を弾ませた。
ハリウッドに心引かれているすみれだが、昨年、人生に絶望した男に訪れた奇跡を描いた映画『アメイジング・ジャーニー 神の小屋より』で、男を救う精霊役としてハリウッドデビューし、名優サム・ワーシントン、オスカー女優オクタヴィア・スペンサーらと共演している。
両親は俳優の石田純一と女優の松原千明、祖父母も俳優と元タカラジェンヌという芸能一家に生まれたすみれが芸能界に飛び込むことは必然だったともいえる。「小さい頃は歌やミュージカルが大好きで、ブリトニー・スピアーズになりたかった」と笑うと、「中学1年生で初めてミュージカルに出演したことで芝居にも興味を持つようになり、3年生の時からアクティング(演技)クラスに通いました」と振り返る。
やがて、先生に「あなたの芝居はナチュラルね」と言われたことがきっかけで、舞台だけでなく映画やドラマも視野に入れるようになり、ハリウッドスターのホリー・ハンターやイーサン・ホークらを輩出したカーネギーメロン大学演劇学科へ進学すると、レッスンに没頭して演技力を磨いた。
ところが、ある教師から「アジア人はアメリカではうまくいかない」と言われたように、現実は厳しく、数々のオーディションに挑むも惨敗。そんな中、初めて合格した映画が『アメイジング・ジャーニー 神の小屋より』だったが、「まさか受かるとは思わなかった」とすみれは驚きを隠さない。
というのも、「アメリカでは日本人に対して頭がいいイメージがあるから、弁護士や医者、先生役とか、きつい顔の印象から悪役とかなら分かるけど、神様みたいな柔らかい雰囲気の精霊役をいただいたことにびっくりしました」と述懐した。
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