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【インタビュー】「FINAL CUT」亀梨和也「役は作り込み過ぎず、出たとこ勝負にしようかな」

 KAT-TUNの亀梨和也が主演するカンテレ・フジテレビ系ドラマ「FINAL CUT」の放送が、9日午後9時からスタートする。亀梨が演じるのは、高校生の頃、女児殺害事件で犯人扱いされ、命を落とした母を持つ中村慶介。それから12年の時を経た現在、慶介は事件の真犯人を捜し出し、母を追い詰めた者たちへの復讐(ふくしゅう)を果たすために動き始める。だが、事件の真相の鍵を握る姉妹に近づくうち、姉の小河原雪子(栗山千明)を深く愛してしまう…。ドラマの放送を前に、亀梨が囲み取材に応じ、役柄に対する思いや撮影に向けての意気込みを語った。

「FINAL CUT」ロゴ

-ドラマの企画を聞いたときの感想は?

 ありがたいことに、何年も前から(このドラマの)プロデューサーにラブコールを頂いていたんです。でも、なかなかタイミングが合わず、いい企画で交われなくて…。なので、今回ご一緒できるという“波”が来たので、今度こそは応えたいという思いがありました。

-今回は復讐劇ですが、第一印象は?

 作品としては、すごく難しいなと思いました。これは「どこに転ばせようか」ということを、早い段階で監督やプロデューサーと話すべきだなと思いました。“落としどころ”のチョイスがたくさんある作品です。フジテレビ系の連続ドラマで主演をするのは、「サプリ」以来11年半ぶり。あのときも、脚本は今回と同じ金子(ありさ)さんだったので、ご縁を感じます。身を委ねてやっていこうと思います。

-脚本を読んだ感想はいかがでしたか。

 メディアの側にいる人間として、メディアを扱う難しさを感じました。復讐劇ですが、善と悪が対極にあって、「悪霊退散…!」みたいなことではないんですよね。人って、その立場ごとに角度を持っている生き物なので、自分は善として生きようとしているけれど、無意識に悪を生み出していたり、被害者、加害者になってしまう怖さが身近にある。それが、このドラマの見どころになるんじゃないかなと。このご時世、誰もが(情報を)発信できて、誰もがキャッチできる。善と悪というものに対するジャッジが難しくなっている気もします。僕自身、SNSにはすごく疎いのですが、現代社会における、「よくよく考えたら怖い…」というつぼの部分を突いた作品だと思います。

-共演者には栗山さんをはじめ、藤木直人さん、橋本環奈さん、林遣都さん、水野美紀さん、佐々木蔵之介さんなど豪華なメンバーがそろっています。役作りは進んでいますか。

 6割でいこうと。4割ぐらい残して現場に入ろうと思っています(笑)。どう転ばせるかはまだ考え中です。せっかくこれだけ豪華な出演者の方たちの中に立たせてもらうので、(共演者から)頂けるものを頂こう…というか。せりふ覚えや、衣装合わせなど、「こういう方向がいいな」という薄いベースは作っていきますが、共演者の方との空気感を察知しながらシーンごとに演じて分けようと考えています。テンションや声の出し方は、出たとこ勝負にしようかな。その方が面白いんじゃないかと思っていて。これが吉と出るか、凶と出るか…(笑)。

-Hey!Say!JUMPの高木雄也さんが慶介の幼なじみ役で出演しますね。

 何度か共演はありますが、今回は、がっつり近い関係です。最初(関係の)方向性を聞いたときは、「そっちなんだ…」と思いました。ただ、高木は僕に対してすごくビビっています(笑)。顔合わせをしたときに、「亀梨くんに“タメ語”を使うのをビビっています」と言っていたので。俺、そんな怖いことをしたつもりはないんだけどな(笑)。彼と芝居で交わる前に、飯にでも連れていこうかなと思います。

-先輩として何かアドバイスしたいことはありますか?

 瞬間に思ったことは口に出しますが、前もって何かを教えようということはないです。彼らを自分の色に染めたいという思いもありません。ただ、僕と交わることで、今後、後輩たちが、何かをするときに、少しでもヒントやチョイスが増えていたらいいなと思うだけです。僕の中の何を捉えるのかも、彼らの自由。僕自身、先輩と仕事などで交流を持たせてもらう中で、いろんなことを感じて助けられてきたので、僕も後輩に対して意識的に提示していきたいし、ちゃんと交われる時間を作りたいと思います。

-最後に、撮影に対する意気込みをお願いします。

 ちゃんと撮影に行きます。連ドラは僕、1年にほぼ1回あって、いざ始まると、ちゃんとリズムができてくるのですが、それまでは、頭で考えてみると「マジか?」と思うスケジュールだったりするので(笑)。撮影は朝早くから深夜までで、他の仕事もあり「できるのかな?」と思ったりもするけれど、ここ10何年できているから平気なはず。体調管理も含めて、毎日ちゃんと撮影に参加すること。そんな感じです。

 

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