【インタビュー】『全員死刑』間宮祥太朗「やってよかった」迷いを振り切って挑んだ実在する死刑囚がモチーフの連続殺人犯役

2017年11月17日 / 18:38

-殺人犯役を演じると精神的苦痛を感じる役者も多いですが、間宮さんはいかがでしたか。

 僕は大丈夫でした。今回は超タイトスケジュールでプライベートは寝るだけだったので、撮影期間中は肉体的にも精神的にもタカノリにどっぷり漬かっていました。そのうちに僕本来の日常を忘れて、タカノリが日常になっていくんですが、やっていることは非日常だから思考がトロンとしてきて…。でも、逆にそれが撮影ではいい作用として働いたと思います。

-金髪オールバックに入れ墨姿で、凶暴性も人間味も持ち合わせる殺人犯に見事に成り切っており、“カメレオン俳優”と呼ばれていることに納得しましたが、間宮さんの演技の原点はどこにあるのでしょうか。

 そんな風に言われているんですか? ありがとうございます(笑)。演技に関しては舞台での経験が反映していると思います。役者の表情が見えにくい客席の一番後ろのお客さんにも届けなければいけないので、そこで培ったものは役者として大きな糧になっています。

-これまでの役者人生において影響を受けた方はいますか。

 劇団「柿喰う客」の玉置玲央さん(2013年の舞台「飛龍伝」で共演)に会って、役者としての観念が180度変わりました。役者を始めたばかりの頃は、他の役者に負けたくなかったし、とにかく自分が前に出ていかなければいけないという強迫観念もあり、一緒に作品を作っているのに、共演者を仲間だとは思っていませんでした。例えば、2人のシーンでも、自分の役にしか向き合わず、相手のことを全く気にしないで「僕一人でこのシーンを構築すればいい」と考えていました。それが、玉置さんの話を聞き、立ち居振る舞いを見ているうちに、共に演じるという“共演”の意味が分かるようになりました。

-今後はどのような役者を目指されますか。

 自分自身や出演した作品に興味を持ってもらいたいので、常に期待以上のことをしなければいけないと考えています。あとは、20~30年先の話ですが、立っている姿だけで見る人の想像力をかき立てるような役者になりたいです。そのために、今は体や頭、心に歴史をどんどん刻んでいきたいです。

(取材・文・写真/錦怜那)

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